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キミというヒト

 6話めにしてはじめて前書きをしてみました。

 今回は優梨と亜花莉の会話中心です。いつもとは少し雰囲気を変えてみました。

 良ければ読んでやって下さい。


 まだ胸がドキドキする。

 まだ、キミのぬくもりが残ってる。

 

 キミと両思いになれた。信じられないけど、本当。

「まさか、前野と付き合うとはね〜」

 文化祭の1日目の日程が終わり、亜花莉との帰り道。

「あのさ、前野って、結構人気あるのよ。知ってるでしょ?」

 知ってる。だって私の彼氏だもん。

「うん。優しいし…スポーツとかもできる方だしね。」

「それだけじゃないよ。顔よ。イケてる方なのよ。」

 あ、顔かぁ…キョーミないんだけどな…

「うん。カッコ良いよ。」

「ま、だから大概の女子は好きになる訳よ」

 私は…キミの外側が好きになった訳じゃないんだけどな…

 キミの優しさに触れて…キミの側に居たいと思って…ただそれだけ…

「なんかそれって…動機不純。外見とかばっかりって…」

「所詮、女ってそんなもんよ。じゃなきゃなんでアイドルなんかに熱上げんのよ。」

 …まぁ、確かに。

「それじゃ、



良平君って…告白とか…いっぱいされたのかな…」

「そりゃね。私が知る限りじゃ、優梨と付き合うまでにフタケタはあるね。」

 …すごいな…良平君…

「…でもね…」

 ふふふ…と、亜花莉が不敵に笑う。

「…なによ?」

「前野の断る時の決まり文句、教えてあげようか?」

 …えっ?

「『俺、気になる奴がいるんだ。俺の片思いかもしれないけど、今はそいつの事しか考えられない』…だって!」

 …一方的な片思い…まぁ、一方的なのが片思いなんだと思うけど…それって?…私?

「それ、ホント?」

真章(まさふみ)が言うんだから間違えないわよ。」

 真章君は、田辺君の下の名前で、良平君の友達兼亜花莉の彼氏。

「…好きな奴って…」

「決まってるでしょ。優梨よ。それしかないじゃない。今日まで、誰の事か分からなかったけどね。」

 キミが、私をずっと前から好きだったの、ホントだったんだね。

 キミに、見向きもしなかった私…

 それなのに、わざわざ告白してくれた子を断ってくれていたんだね。

 

 好き。スキ。すき。…好きだよ。キミの事。

「まぁ、これで、晴れてあんたたちもカレカノね」

 亜花莉が、いたずらっぽく笑う。

 私は顔が赤くなる。

「なんか、照れる。彼氏…とか。」

「初々しいね。あんたら。」

 溜め息をつきながら亜花莉は言う。

「なんか、純愛小説をタダで見せてもらってるカンジ。

「純愛だなんて…亜花莉にも彼氏いるじゃん。」

「誰も真章より前野が良いなんて言ってないわよ。でも、付き合い始めの頃を思いだすな…」

 そう言いながら遠くを見つめる亜花莉。

 幸せそうな…満たされた笑顔。

「あんたたち、明日、2人でまわるんでしょ。」

 急に話題と態度が変わる亜花莉。

「うん。空いてる時間にって…」

「んじゃ、ダブルデートしよう。ちょうど4人とも同じ係だったじゃん。」

 私たちはバザーの集計係。

だから、始めと終わりだけの仕事で、仕事の無い時に二人でまわる約束をしてしたのだ。

「そうだね。楽しそう。」

「でしょ。真章に、前野に伝えてくれる様に頼んどくから。」

「うん。分かった。じゃあ、明日は4人で。」

「よっし、決まり。そんじゃ、また明日!」

 そう言って亜花莉は分かれ道を右に曲がった。

「うん。また明日!」

 私は左に曲がる。

 ポケットから、メモ帳を取り出す。

 その中に、大切に挟んでいる紅葉。あの時の紅葉。

 沈んでいく夕日にそっと透かしてみる。

 紅葉の朱と太陽の赤がキレイだ。

前野良平…照れてしまうけど、私の彼氏の名前。

ずっと前から私を思っていてくれた、キミの名前。

 いかがでしょうか?今回は会話ばかりでした。次回はとうとうダブルデートで、今から私自身もドキドキしてます。

 小説を読んでの感想やアドバイス、評価等、して下さると助かります&嬉しいです。

 それでは7話でお会いしましょう!!

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