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キミとわたしのみらい

朝、目が覚めてキミを思う。今何してるのかなって。

夜、寝る前に、またキミを思う。

キミが良い夢を見られますようにって。

そして、オマケでキミの見る良い夢に、私が居ますように…って。

学校帰りのファミレスに、私たち4人がいた。

今日はテストで部活もないのでテストよりみんなで過ごす方を選んだ。

「でもさ、なんか新鮮だねぇ。学校以外でこうしてるの。」

亜花莉がしみじみ言う。

「確かに…4人でっていうのはあんまり…。」

私も呟く。

「っていうかさ、問題は今がテスト期間だって事じゃない?約一名また赤点取りそうな奴がいるし…。」

田辺くんはそう言いながらキミを見た。

「うるせぇなっ。この前のは解答欄1つづつずれてて、気がついたら終わる5分前だったんだよっ。」

キミは必死に反論する。顔がマジだ…。

「はいはい。でも、そうじゃないのも赤点ギリギリじゃなかったかなぁ…。そんなんでドコの大学に進学するんですかい?良平さま。」

からかう口調の田辺くん。

…えっ?!…進学?

「あ…あのさっ、良平くん、大学に進学するの?」

私は慌てて尋ねる。…初めて知ったよ…。

「うん…あれっ?優梨に言ってなかったっけ?」

「うん…初耳…っていうか良平君と進路の話ってしたこと無い気がする…。良平君って、将来は何するの?」

「えっ…俺は…。」

ナゼか口ごもるキミ。…言えないような事なの…?

「有沢、コイツん家、何してるか知ってる?」

田辺君が私に聞いた。…知らない…。

「…ごめん…知らない…。何してるの?」

「コイツん家、医者。良平のお父さんは小児科・内科の診療所やってるの。…知らない?『前野医院』って。」

「…医者っ?!だって、良平君、そんな事一言も…。」

…知らなかった…。

そういえば、キミは私を家まで送ってくれるけど、私はキミの家に行ったこと無かった…。

「だって前野のお姉さんって、確か看護師でしょ。お母さんは薬剤師だし。」

「えっ…じゃあ、良平君も将来はお医者さん?」

「なっ…なれないよ。普通に考えろよ…。俺、こん中で一番頭悪いぞ。」

「…じゃあ…何になるの?」

「…決めてないんだ…。やりたいことを見つけるために大学行くのもアリかなって…家居たって…家業継げってうるさいし…ならできるだけ長く学生で居たいなって…。」

「…そうなんだ。」

知らなかった。キミの家のこと、キミの進路の事、キミの思ってる事…

「あ、亜花莉は将来、何したいの?」

田辺君が聞く。

「私はデザイナー。いつか自分のブランド作るんだっ。」

亜花莉がいつになく力を込めて言った。

亜花莉の夢は前から知ってた。だから将来は専門学校に行くみたい…。

「真章は何だっけ?」

キミが聞いた。

「俺?公務員。」

ニヤニやしながら田辺君は言う。

「公務員って…いろいろあるだろ。何の公務員だよ?」

「俺さ、警察官になりたいんだ。」

誇らしげな田辺君。

「警察官?すごいじゃん!…でもちょっとイメージが…。」

「あ、ひっでぇな。有沢。お前、逮捕するぞ。」

みんな笑う。…デザイナーと警察官のカップル…なんか面白いな。

「んで?優梨は?」

キミは私に聞いた。

「…私は…みんな笑わない…?」

とりあえず確認。

「笑わないよ。言えよ。」

キミがせかす。

「私ね…保育士になりたいんだ…。」

私は思いきって言った。…ずっと前からなりたいと思っていた事だ。

「保育士かぁ…知らなかった。だって優梨、今までそんな事一度も聞いたこと無かったもんね。」

亜花莉が驚いたように言った。

「…意外?…私、なれるかな…。」

「なれるよ。有沢、ピッタリじゃん。」

田辺君も笑顔で言った。

私はキミの方を見た。

「うん。優梨、ピッタリだよ。笑われるような夢じゃないよ。頑張れよ。」

「うん。ありがとう。」

私は微笑む。この4人で居ると、自然に笑える。安らげる。不思議だな。

…でも、キミといるときは…もっと…。

「それじゃ、俺ら、帰るわ。」

田辺君と亜花莉が立ち上がる。

「私たちもでよっか?」

私がキミに聞く。

「そうだな…帰るか。」

私たちは支払いを済ませて外に出た。

外の風はやっぱり冷たい。私は寒くなって首に巻いたマフラーに顔を埋めた。

「それじゃ、またな。」

「またあした。」

私たちは別れた。田辺君と亜花莉、キミと私に…。

「それにしてもさ、」

キミが私に話しかけた。

「みんなそれぞれ将来の夢って決まってたんだな。…俺って結構曖昧なんだな…。」

「どうして?そんな事ないよ。」

「だって俺、心の底で、『本当は医者になりたいかも』って思ってる。」

キミは私と目を合わせず、遠い空を見ている。

「なんで?なれば良いじゃん。なれるよ。良平君なら。」

「優梨、今からじゃもう間に合わないよ。本気で医者を目指すならもっと前からたくさん勉強してなきゃ。」

「…良平君さ…最初からあきらめてるじゃん。」

「えっ…?」

私は自分でも驚くような少し強めの口調で話した。

「綺麗ごとかもしれないけど、やるだけやってみれば良いじゃん。することが出来たのにしなかったら、後から後悔するよ。私はそんな良平君、見たくない。」

…きまずい沈黙…。

ちょっと言い過ぎかな…。

でも、これが私の気持ち。医者を目指すのもあきらめるのもキミだけど…。

私が頭でイロイロと考えていると、キミが突然口を開いた。

「俺、医者を目指しても…良いと思う?」

「えっ…。」

「俺さ、やっぱり将来は医者になりたい!優梨は今からでも間に合うと思うか?」

「モチロン。良平君、この前の試合の時に頑張って、ちゃんとレギュラーになれたじゃん。」

キミはこの前の試合で、足りなくなったメンバーの代役として試合に出た。

その時に一人で5点を決める大活躍で正式なレギュラーになった。

「…こう思えるの、優梨のおかげだよ。…今まで、嫌なことは避けてたんだよね。それでも何とかなったから。でも、自分の人生までそうなりたくは無いな。」

キミは真剣な顔で話す。…いつものキミだよ。…私の大好きな…キミ。

「だからさ、もし俺がまたあきらめそうになって弱音吐いてたら、また優梨が俺を叱ってくれないか?…情けないけど…。」

「叱ってだなんて…。私は自分の気持ちを言っただけだよ。…でも、分かった。なら、一緒に頑張ればいいことだよ。」

「えっ…?」

「私ね、大学入りたいの。保育士っていうより、幼稚園の先生になりたいから。そのためには短大より大学がいいかなって。」

「…じゃあ、夢は違うけど目の前の目標は一緒…って事か?」

「うん。だから、私は良平君が頑張る姿をみて頑張る。」

「俺も優梨が頑張る姿みて頑張るよ。」

「うん。」

私たちは笑いあった。そして手をつないで私の家を目指した。

未来の事なんて想像もつかないけど…頑張った人には絶対結果が返って来るって信じてる。

前野良平…一緒に頑張るって決めたキミの名前。

私に頑張りたいって思わせてくれる、キミの名前。


今回は高校生っぽく、将来について書いてみました。(当初は良平が医者になるなんて考えてもなかったですが(笑))みんなそれぞれ個性的な夢を持ってます。どうなっていくかは私も考えてませんが…。

それでは今回はこの辺で。また次回、お会いしましょう!


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