例のピンク頭のあの令嬢に、「何故、貴女の髪は原色のピンクですの?」と問うた公爵令嬢の心の空は荒れ模様的な話
「サリー様、お食事中、申訳ございません。少し聞きたい事がございますの」
「公爵令嬢様だからねっ!どっかに行くのだからねっ」
私は公爵令嬢エリザベータ。学園の食堂で友人達とお昼をしているサリー様に声をかけた。
「いえ、聞きたい事がございますの。差し障りなければこの場で聞きとうございます」
「何なのだからねっ!」
「髪の色でございます・・」
「髪・・色?」
不思議そうにキョロキョロ周りを見渡す。腹立つわ。
周囲の友人達は。
「「「ヒィ」」」
と小さく悲鳴をあげて逃げだした。
「わ、私、日直だから、次の授業の準備を」
「そうだわ。生き物係だったわ」
「サリサリ~の髪色?」
「ええ、そうですわ・・」
私の聞きたい事はシンプルだ。
「サリー様、何故、貴女の髪は原色のピンクですの?何か理由がございますの?」
い、言えた。やっと言えたわ。
☆☆☆回想
「サリーなのだからねっ!」
クラスの自己紹介で初めて男爵令嬢のサリー様をみたとき・・・・
ピンクと思ったものだ。
ピンクブロンドではない。ピンクだ。
不自然だ。
学園の規則では髪を染めるのは禁止・・・
だが、過去の文献で原色のピンクの令嬢はいたそうだ。ここから先は王族教育の話だわ。
生徒会長のヘンドリック殿下から教えて頂いたわ。
「そうだ。平民や男爵令嬢、稀に伯爵令嬢にピンク頭が現れるそうだ」
特徴はある。
ピンク髪の令嬢は身分違いの恋愛をしてその男の正統な婚約者を貶める魔の髪色と伝承がある。
「まあ、それはたまに聞くお話ではないでしょうか?身分違いの恋・・・メイドと若主人の小説が人気ですね」
「いや、国家の重要人材を巻き込み政争や内乱を起す・・・例えば、私みたいな王族と君のような・・」
「公爵令嬢ですわ・・・」
「そうだ。まるで、公爵令嬢でも演劇の悪役令嬢みたいに噂される・・」
「ヒィ」
思わず悲鳴をあげたわ。
怖いわ。
この優しい日常が崩れるなんて。
「殿下、対策を立てるべきですわ。怖いですわ」
「うむ。しかし、髪の色で人を貶めるのは紳士のやることではない。あくまでも行動を罰するべきだ」
「そうかもしれませんが・・・でも、彼女が行動をしてからしか罰せないだなんて・・」
「怪しいだけでは罰せられないよ」
殿下からピンクの髪の話を聞いてから途端に怖くなった。
王宮の図書館に行き。記録を調べると、まあ、出てくる。王国が滅亡した話。
一説には悪役令嬢に密かな思い人がいると発生するようだ。
第二王子?が出てきて悪役令嬢を助ける?隣国の王子・・・
殿下は長男だ。他の王族には王女殿下しかいない。隣国の王子は今年生まれたばかりだわ。かなり歳が離れている。
もしや、スーパーダーリンという存在?平均8歳差ぐらいの年上の殿方が助けに来る?
嫌だ。私は殿下が好きだ。
だから、思い切って、男爵令嬢に尋ねてみましたの。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「サリー様、何故、貴女の髪は原色のピンクですの?何か理由がございますの?」
「「「「ヒィ」」」
「エリザベータ様・・」
「逃げるぞ!」
「キャア」
ガチャンと音が聞こえる。トレーを落とした者もいるようだ。
生徒達にも不穏さが波及した。
サリー様は頭の側面に両手を添えてキョロキョロして。
髪の毛を一本抜いてジィと目の前で見て・・・
「しまったなのだからねっ!髪の毛の配色間違えていたのだからねっ!」
サリー様が「エイッ」と叫ぶと。
髪の毛は光に包まれて・・・金髪になった。いや、若干ピンクが混じっているわ。これがピンクブロンドかしら。
「エリザベータ様、有難うなのだからねっ。うっかりしていたのだからねっ」
「いえ、いいのです」
これが原因で男爵令嬢のサリー様と友情を築くことになった。
「エリエリ~、クッキー作ったのだからねっ。食べて欲しいのだからねっ」
「まあ、頂くわ。お返しに今度の公爵家のパーティーにご招待しますわ」
「やったのだからねっ!」
・・・フウ、これで安心ですわ。ピンク髪は消え去りましたわ。
ピンクを憎んで人を憎まずですわ。
これで殿下に報告できる。
「『平穏無事である』と・・・って、何か違うわ!!」
「お嬢様・・・」
思わず屋敷で叫んでしまいましたわ。
今度は何かが違う思いに包まれておりますの。
最後までお読み頂き有難うございました。




