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第10話「約束という名の嘘」
「戦争が終わったらさ」
何気ない一言のはずだった。
それでも、リナは真剣な目でこちらを見る。
「どうするの?」
問われて、言葉に詰まる。
終わりなんて、考えたこともなかった。
それでも――
「遠くに行こう」
気づけば、そう言っていた。
「二人で、どこか遠くへ」
口にした瞬間、それがどれだけ現実離れしているか分かる。
叶うはずのない未来。
それでもリナは、ゆっくりと頷いた。
「約束ね」
その言葉が、やけに重く響く。
これは嘘だ。
分かっている。
それでも同時に、初めて心から望んだ未来でもあった。
だからこそ、余計に苦しかった。




