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毛から裘
大道での商いが不可能になったといっても、中原諸国の王公貴族達が上品の毛皮を諦めた訳がない。
特に北東の果ての樹海で狩った白い狐の毛皮で出来た裘服は、中原で一着百金に値する。
狐毛には、綱成で知り合った親友がいる。
彼の名は狐耳、少し狐毛より若くて、同じウラン部の生き残りだ。
二人は、綱成から山道で燕山を超え、そして北東に進み、シラムロンのそばで住んでいる人々から上質の狐、貂の毛皮を買い取る。
そして元の道で綱成に戻り、市で中原各国から来た商人に売る。
三年間、狐毛と狐耳は純色の毛皮で綱成で名をあげ、綱成君まで彼らを知るようになった。