金餅
二ヶ月かけて、狐毛たちはようやく蓟に帰った。
許可がないため、狐毛一行は入城せず、蕩、卜、函は、八人の運搬役と蓟の城外で狐毛を待っている。
三刻後、狐毛と狐耳が戻った。
狐毛の後ろに、十五人がついてきた、先頭の人は顔が日焼けで真っ黒だ。
彼は狐毛に今回の仕事を依頼した人、綱成君の側近の一人。
彼らは十二台の二輪車から包みを卸し、一個一個開けて中の品物を数える。
「斉革甲計八十六、撃技二十、革冑十五」
「斉銅剣計五十三、燕銅剣十二、鉄剣一」
「斉銅戈頭三十六、銅鏃百五十二、鉄鏃五百二十六」
「斉兵服四十八」
この黒い顔の言葉は蕩が大体分かった、たしかに狐毛、狐耳の訛りに似る。
「金二十七斤六両、納めください」
狐毛は渡された箱を受け取り、中から金餅一つを黒い顔に渡した。
次の商売があるように、仲介人への見返りが必要だ。
ただ黒い顔が見返りを受け入れない。
「短い時間でやってくれて助かった」
妙な一言を言い残して、黒い顔一行は、貨物を積んだ二輪車を連れて蓟に入った。
狐毛はまだこの言葉を気味する時間がない。
まず雇った手慣れの運搬役に一人ずつ金の粒四粒渡した。
彼らを解散した後、狐毛ら五人はそのまま座って、金餅と金粒をすべて箱から取り出し、積み上げる。
狐毛が十四個の金餅を自分と狐耳の前に寄せる。
卜と函は、金餅五個を取って懐に入れる。
残ったのは三個の金餅と六粒の金粒。
「蕩、お前の分け前だ」
四人が蕩をじっと見ている。
金三斤六両、彼がその重さを知るのはまだ先のことだ。