表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼煙  作者: ニンニクアワビ
16/16

金餅

 二ヶ月かけて、狐毛たちはようやく蓟に帰った。

 許可がないため、狐毛一行は入城せず、蕩、卜、函は、八人の運搬役と蓟の城外で狐毛を待っている。

 三刻(四十五分)後、狐毛と狐耳が戻った。

 狐毛の後ろに、十五人がついてきた、先頭の人は顔が日焼けで真っ黒だ。

 彼は狐毛に今回の仕事を依頼した人、綱成君の側近の一人。

 彼らは十二台の二輪車から包みを卸し、一個一個開けて中の品物を数える。

 「斉革甲(斉軍の革鎧)計八十六、撃技二十、革冑十五」

 「斉銅剣計五十三、燕銅剣十二、鉄剣一」

 「斉銅戈頭三十六、銅(矢じり)百五十二、鉄鏃五百二十六」

 「斉兵服四十八」

 この黒い顔の言葉は蕩が大体分かった、たしかに狐毛、狐耳の訛りに似る。

 「金二十七(約二百五十グラム)(約十五グラム)、納めください」

 狐毛は渡された箱を受け取り、中から金(べい)一つを黒い顔に渡した。

 次の商売があるように、仲介人への見返りが必要だ。

 ただ黒い顔が見返りを受け入れない。

 「短い時間でやってくれて助かった」

 妙な一言を言い残して、黒い顔一行は、貨物を積んだ二輪車を連れて蓟に入った。

 狐毛はまだこの言葉を気味する時間がない。

 まず雇った手慣れの運搬役に一人ずつ金の粒四粒(四両)渡した。

 彼らを解散した後、狐毛ら五人はそのまま座って、金餅と金粒をすべて箱から取り出し、積み上げる。

 狐毛が十四個の金餅を自分と狐耳の前に寄せる。

 卜と函は、金餅五個を取って懐に入れる。

 残ったのは三個の金餅と六粒の金粒。

 「蕩、お前の分け前だ」

 四人が蕩をじっと見ている。

 金三斤六両、彼がその重さを知るのはまだ先のことだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ