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狼煙  作者: ニンニクアワビ
14/16

神々の囁き

 此時、山谷の間では狂風が吹き荒れ、雨ま前より激しくなった。

 牛力の叫び声は、谷間いる全員に響き渡った。

 兵士達は、手元にある武器を持って、一斉帳から出た。

 ほとんどの松明が、風と雨に吹き消された。

 漆黒の夜、だれがだれなのかさっぱりわからない。

 狂った兵たちが目にするのは、月光に照らされ、鋭く輝く剣たげだ。

 そして、殺し合いが始まった。

 「熱い!」

 牛力は、熱にうなされていたが、狂風の中で自分の力がさらに強まっているように感じた。

 矢傷が裂けたが、その痛みが彼をさらに刺激し、剣をより力強く振り回させた。

 「秦軍をぶち殺せ!」

 風が兵士達の耳に囁いてる。

 「落ち着…」

 軍営を仕切る百人将の声はまだ遠く飛んでなく、彼の首が先に飛んだ。

 

 狐毛らは、この光景を望んでいる。

 もともと、深夜になる時、巡邏する者の首を刎ねて、放火して混乱を起こすつもりだった。

 今の四人は、二人一組で帳の二つの入口を守っている。

 狂った兵士が間違って入ったら、余裕で始末した。

 このまま二刻(三十分)を待ち、外は徐々に静かになっている。

 狐毛らは帳から出て、松明を付け直した。

 目の前には死体が入り乱れ、帳も壊れたりしている。

 

 死にかけた兵士達を速やかに仕留めて、狐毛達は()()に取り掛かった。

 まず口笛で蕩を山の上から呼ぶ。

 これからは、五人で百人ほどの死体から貨物を召し上がる。

 寝ていた斉の兵士達は甲冑を着ていなかったから、蕩の時だいぶ手間省いた。

 甲冑、玉、金、剣、そして()の頭が集められ、分類され、包まれた。

 そして包みを輜車(輜重車)に載せた。

 暁に、狐毛らは五台の馬車を駆りながら山谷を後にした。

 彼らの背後には焼き払われた営が残されていた。

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