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狼煙  作者: ニンニクアワビ
13/16

似たような夢

 帳の中、狐毛らは横になって、蕩から次の合図を待っている。

 雨は、すでに降り始めた。

 大雨ではなく、まだ小さいな雨だ。

 風も吹き始めた、帳を軽く揺らがすほどの風だ。

 狐毛は子供の頃を思い出した。

 その時、狐毛は()の中で横になり、風が帳幕の囲氈(いせん)にあたった音を聞ききながら眠りに行く。

 まもなく、狐毛が寝てた。

 いびきは周囲を驚かせたが、誰も彼を起こさなかった。

 狐毛はまだ、父親と一緒に山谷の道を歩く夢を見た。

 山谷の出口からは、右側の山峰が太陽に照らされ、赤く輝いているのが見える。

 この赤い峰を越えると、果てしなく広がる大草原が広がっている。

 毎回ここの峰を見た途端、が突然異常に眩しくなり、その後目が覚めた。

 「へ…へ……」

 狐毛は起き上がって、息が切れている。

 

 此時、狐毛らから遠くないところ、もう一人の兵士が悪夢を見ている。

 彼には名字がない、耕牛と互角のを持っている巨漢だから、周りに牛力と呼ばれている。

 二年前のこのごろ、燕国侵攻に徴発された前、牛力はまだ斉の北にある、(にょう)の農民だった。

 燕国へ行った最初の頃、力と同じ里の連れは義兵として燕国の民に歓迎されていた。

 燕国は、子之(しし)と太子(へい)二派の殺し合いに疲弊していたからだ。

 暇な時に、同じ里の連れと一緒に駐在地の周りに巡邏(うろつく)することが好きだった。

 すきな物を目にしたら、相手に尋ねると大体くれし、お酒を飲むで田舎娘をからかうのも面白かった。

 だが一年後、斉軍が撤退。

 これからは悪夢だらけだ。

 煮棗城、牛力は連れが次々と血の海に倒れていくのを見た。

 牛力は雲梯から崩れ落ち、地面に向かって落ちていく、限りなく落下し続け、まるで黒い海の中に沈んでいくかのようだった。

 彼は全力を振り絞って上へ泳ぎ、ついにその黒い海から浮かび上がった。

 見上げると、無数の矢が黒い影となって自分に向かって飛んできた。

 そして、無数の矢が目の前に黒い兵士と変わり、襲いかかってきた。

 「秦軍が来た!」

 急に目を覚ました牛力が大声で叫んだ。

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