表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼煙  作者: ニンニクアワビ
11/16

敗兵

 斉、魏、衛、三か国の境目には、川が入り組み、点在する湖、沢、沼がこの土地を細かく分割した。

 この時、斉が大敗した消息はすでに斉の西三(要塞)に届いた。

 潰された斉兵の行くところは三つの都。

 北にある()に行くのは一番近く、早ければ二日つく。

 南東にある平陸は三日かかるが、ほとんど平原で歩きやすい。

 そして一番遠いかつ険しいのは北東の高唐。

 勝敗は戦の常、齊はすでに兵の収集に取り掛かっている。

 大野沢の北東、川沿の道、齊の騎馬伝令兵が走っている。

 彼の役目は、敗走中の兵士を正しい集合地に導くである。

 まもなく斉兵が見つかった、彼らは目が虚ろで、魂を失ったかのようだった。

「お前ら、どこの所属?」

「高......高唐」

 先頭に立った者が言った。

 無論、高唐弁で。

「撃技か、ならばここから北東に行け」

 伝令兵は遠いところの山を指した。

 「ここからは四日の山道」

「匡将軍の大纛(大旗)が目印を見続けろ」

 言い終わったら、伝令兵が駆け出して行った。

 先頭に立ったのは撃技の鎧を着ている函、後ろには斉兵の服を着ている狐毛ら四人がいる。

 蕩もついてきた。

 蕩には兄弟がない、母は早死にでした。

 父が死ぬ前には古参の武卒(精鋭兵)で、河西(かせい)で戦死。

 敗戦した魏は、河西の土地が全部秦国に割譲した。そのため、魏の誇り、武卒に対する優待がかなり削った。

 戦死者の子供も成人(加冠)まで家の土地を引き継げず、什老や伍老が彼らの面倒をみることになった。

 あのクソじじより、肉、そして金色の米粒をくれた狐毛らについていくのは遥かましだ。

 蕩がそう思って歩き続けている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ