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〜第一話 突然の始まり〜

あれはちょうど白い雪が降っていた日の事…


いつもの場所に君はしゃがんでいた。

もちろん、ずっとではない

でも、仕事終わりにそこを通ると頻繁に座り込んで

笑っていた。


ふとある時の仕事帰り道…

いつもはヘラヘラしてる君だったのに、その日は

見せる顔がいつもと違っていた。


「なにかあったの」


あまりにいつもと表情が違っていたからつい

君にふと声をかけてしまった。

多分一回りは超えているであろう、いわゆる「おじさん」

がである。

(しまった!)気づいた時には手遅れ


「別になにもないですよー」


意外にも返ってきた答えはとても普通だった

そしてその笑顔もいつものまま

(あー大丈夫なんだ、たまたま少しだけ暗かっただけか)

そんな風に思って安心までしていた。

ふと横顔を覗き込むまでは…


その横顔は、寂しさと悲しさと入り混じった表情で

そのまま離れてしまえば、もう話す事ができなくなる

そんな儚ささえ帯びていて思わず


「話す事で楽になるならいくらでも話しきくから」

「とりあえず、ご飯でも食べる?」


言ってしまった…

これは下手したら捕まるやつである


「オムライス!!」


「そ、即答!!」


あまりの即答に、つい思った事が口からでてしまった

周りにいたカラスも鳩も全部飛んで行った。

今までその子から聞いたことのない元気で大きな

返事が返ってきた…


「自分から聞いてきたのに文句あるんですか?」


ほっぺたを膨らませた君はハムスターみたいだった


「ごめんごめん、即答されると思ってなかったから」

「そんじゃまオムライス探しに歩きますかね」


「美味しい場所知ってるんで、そこに行きたい!」


本当にさっきまでの儚さはどこへいったんだろう…

咥えたタバコから吐き出す空気は、息の白さか

煙の白さか…そんなどうでもいい事を考えながら

とことこ歩いていく君についていくんだ。


これが君との出会い

2人の物語の始まりだった



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