俺はこいつを俯瞰する
まじか、こいつ朝からステーキ食べてる。
いやいや、それは止めろ。塩コショーをかけるな、悲惨な事が起きるだろ。
ああ、何とか乗り切った。
そして、フロスを取り出して歯の掃除か。
ペットのお茶を飲んで、クチュクチュして飲んだ。引くー。
お次は何だ、そのチューブはもしかして、頭に付けた、ヘアククリームか。寝癖の跳ね毛を気にしていたか。
それは手鏡。頭の後ろ、チェックしようとしてるな、鏡を上に上げた。あっ、目が合った。
「よう、尋人」
「いつから居たの?」
「お前が乗ってきた時から前に立ってたよ」
「お前、朝の支度するの止めろよ電車の中で。周りの人に迷惑だろ」
周りに居た乗客は、小さく頷いた。