97話 上川の提案
2月15日 日曜日 鷺沼不動産
キャンディのメンバーは鷺沼不動産に集合していた。
以前の事故渋滞を踏まえかなり早めの集合になっていた。
鷺沼大介は、「皆んな、勝っても負けても、今日が最後だ!思う存分暴れればいい!」
そうメンバーを鼓舞した。
皆、頷き思いを確認した。
メンバーを乗せた車は順調に都内に入り、首都高を走る。
六本木の毎朝テレビに着く。
キャンディのメンバーは楽屋へ向かう。
最初は迷って仕方なかったが、今は慣れたものである。
上川とただニイは既に楽屋へ入っていた。
良は毎回のことだが、弁当の中身を確認した。
皆に、〝エビフライ男〟とからかわれた。
上川がある提案をする。
「皆んな、春休みに、ライブハウスツアーをしないか?東名阪、東京、名古屋、大阪で!テレビのおかげでそれなりの集客も、見込めるだろう!
〝イエローキャブ〟と対バンでどうだろう?」
咲は真っ先に「やります!ねえ皆んな!」皆んなの意見も聞かずに決めてしまった。
玄は、「俺もやりたいな!知名度が多少あがったからチャンスだと思う」と咲に同調した。
上川は「風くん、良くん、サギくんもいいかな?
実はね、もうライブハウスブッキングしちゃったんだ!ポスターもほら!」
ただニイはにやけながら、刷り上がったポスターを
みせる。
良は「すげ〜、プロみたいだな!」
サギは「ノウゼンカズラですな!」と調子に乗る。
上川は、「急いだのは、今日の収録で宣伝してもらおうと思ってね!プロデューサーにも許可はもらってるから、インタビューのときに、宣伝してくれ」
そう言って、ポスターを預けた。
リハーサルの時間になり、スタジオに向かう。
スタジオにはタブーのメンバーがすでにいた。
宮森 丈は咲に「いい曲書けたかい?」と聞いた。
咲は「まあまあですよ!丈さん手抜いてくださいね!」と冗談を言うと丈は「わかった、全部〝歯〟で弾いてやるよ!」と冗談をいった。
泣いても笑っても最後の決勝戦であった。