表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
88/119

88話 疑い

タブーのメンバーはスタジオに入り、遅れた   リハーサルをおこなった。

タブーの〝JFK〟と言う曲は国家の闇に迫る内容だったが、その内容により迫力をあたえたのが、

丈の冤罪(えんざい)であった。

丈は悔しさをここぞとばかりに、ギターに、   ボーカルにぶつけた。

その迫力にスタジオ全体が息を飲んだ。

リハーサルも終わり、楽屋に戻った。

タブーのメンバーは、丈から昨日起きたことを聞いた。

長田は「そりゃ酷えな」と言い丈に同情した。

工藤は「女は怖い」そう言って、タバコに火をつけた。

ともかく、タブーはリハ不足であったものの3週目のスタートラインにつくことが、出来た。


午後になり本番が始まる時間となった。

風は、ギターを持ちスタジオへ向かった。

たまたま、エレベーターが開いていたので何気なく乗った。

そこには、白のレスポールを抱えた菜々が乗っていた。

風は一瞬たじろいだが、「乗ってもいい?」と菜々に聞いた。

菜々は「どうぞ」とにこやかに、微笑んだ。

2人を乗せたエレベーターの扉がしまる。

2人は、密室空間に10数秒いることになる。

菜々はエレベーター止まればいいのに、とぼんやり考えていた。

すると、ガチャン!と言う音がして、エレベーターの灯りが消える。

ガタン!エレベーターが本当に止まってしまった。

暫くして、非常用のほのかな灯りがつく。

菜々は、「どうしたの?」と風に頼るように聞く。

風は「故障ですかね?」そういって操作パネルを見る。

〝インターホン〟と言うボタンが見えたのでボタンを押してみる。

管理の人がでて「どうしました?」と聞いてきたので、故障か何かエレベーターが止まってしまったと伝えて、本番の撮影がもう始まる事も付け加えた。

管理の人は「ちょっと待っててください!今   エレベーター会社に連絡をとりますから!」と慌てて対応してくれた。

菜々は「密室になっちゃったね」と呟く、少し怯えている様子だ。

風は、気を紛らわすため、ギターの話をはじめた。

自分のギター〝チェリー〟がいかに素晴らしいかと。

菜々も、相槌は打つものの不安な表情である。

菜々は「このままでられないのかな?」と呟く。

風は「そんなことないよ!修理の人が来てくれるよ」と励ます。

菜々は「咲ちゃんだっけ?風くんの彼女、絶対疑うよね、密室に2人きりだから‥」

風は「多分、疑う、事故だけど」そう返す。

非常事態は男女の結びつきを深くするというが、

今がまさにそうだった。

菜々「何にもないのに、疑われるのは癪にさわるは、ねえ‥キスして」

風は「えっ本気でいってるの?」

菜々は「本気よ」と言って目を瞑る。

風は菜々の頬にキスをした。

菜々は「ふざけないで!本気のキスよ」

そう言って再び目をとじた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ