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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
83/119

83話 ギターとゲームセンター

翌週 火曜日 関内


ya yaはリハーサルスタジオに入っていた。

曲は〝エイリアン〟と言う詞で、内容に関しては

ピンクレディの〝UFO〟のオマージュになっていた。

演奏が終わり美々は、「茶番よ!時間またちょうだい!」とリハーサルスタジオを出て行ってしまった。

ベースの幸は「悪くないと思うんだけどな〜まあまあで」と言うが、

菜々は「デジャブ?」琴美「デジャブだわ、先週とまったくいっしょじゃない?」

そう言って楽器隊だけでリハを続けた。


美々は真っ直ぐ家には帰らなかった。

桜木町まで、電車で移動し目的ないままフラフラしていた。

すると、東横線の改札から長髪の〝ギブソン〟と書かれたレスポールらしきハードケースとやたらデカいバッグを持った青年とすれ違う。

美々はなんとなく気になって後をつけてみた。

時間は22時を回っている。

青年は馬車道通りの角にある、ゲームセンターに入った。

バレないよう美々は様子を伺うと、100円玉を沢山両替している。

美々は特にタイプという訳ではないのだが、

何か引っかかるものがあった。

青年はギブソンのギターなどお構いなしに立てかけ

バッグも無雑作に置き、ゲームに興じている。

どう見てもプロには見えなかった。

歳も19、20くらいであろう。

結局、青年は閉店12時までゲームをやっていた。

美々がそばを通るとバッグに足が引っかかってしまい、中から、大量の譜面がでてきた。

それは、手書きのような物もあったし、

コピーされたテキストのようなものもあった。

美々は「ごめんなさい!」

と言って散らばった譜面を集める。

青年は「あっ、大丈夫」と言って譜面を適当にいれた。

青年はギターケースとバッグを抱えて伊勢佐木長者町の方へ消えて行った。


美々は家に帰ると家族が心配していたが

大丈夫と言って菜々の部屋へ入った。

リハーサルの後に起きた出来事を菜々に話す。

菜々は、「普通のバンドマンなんじゃない?」と

ありきたりの事として扱ったが

美々は「なんか違うのよ雰囲気が思いつめてるって言うか?深刻っていうか?

菜々!次は〝ミステリアス・ボウイ〟でいくわ!

ビートルズの〝ダーリン〟みたいな曲書いといて!私は詞を書くために、明日も桜木町いくわ!

よろしく!」といって、出て行った。

菜々は「簡単に書いといてって言わないで!」

と言い返した。

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