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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
80/119

80話 水色

〝ラリアット〟が始まる

玄が刻むビートに〝イエローキャブ〟のメンバーか乗る。

ノッポは振り向き、うん、うん、と玄を見て頷く。

玄がフィルを入れるタイミングを少し間違えたが

他のメンバーがフォローして玄に教えてくれる。

ノッポが歌い出す。

ノッポものっている。

シャウトにキレがある。

〝ラリアット〟〝ラリアット〟とサビで繰り返す。

玄ものってきた。

エンディングに近づくと、ギターの〝オッさん〟と

ベースの〝へんてこ〟が玄の側により、体を使って

教えてくれる。

玄も〝ここですか?〟と探りながら、なんとかエンディングが決まった。

全員で〝かきまわし〟になり、

ジャン!決まった、なんとか決まった。


三田に呼び込まれ「山倉くん凄いね!加入しちゃえば?」とインタビューされたが、

「いえ、僕にはキャンディがありますから!」

とクソ真面目に答える。

ノッポは「ホントにありがとう!」と言い

また、メンバー全員で玄を拝んだ。

相川は笑いながら「じゃ!次はキャンディです!」

とキャンディを呼び込む。

咲は登場するなり、「返してください!」と

ノッポとコミカルな動きをする。

スタジオに笑いが起きる。

三田が「次のキャンディの〝ひじりひ〟ってどう言う意味ですか?」と聞かれると咲は

「聖火を〝ひじりひ〟って読みました。ヒントくれたのは、美香ちゃんって子で、オリンピックの応援歌を意識しました」

相川は「ごめんなさい 私、〝ひじき〟の親戚か何かだと思いました」と挟むと

三田は「ひじきじゃなく〝ひじりひ〟お願いします」

とメンバーをステージへ促す。

玄はさっきまでと大違いである。

リラックスして、自信に満ち溢れている。    〝ホーム〟であるからである。

〝聖火〟が始まる。

歌が始まるとバスドラムとギターだけになる。

徐々にベース、キーボードと加わってくる


サビの全員の〝ye-e〟が後押しする。

エンディングはビートルズの〝Hey.Jude〟をイメージした終わり方だ。


演奏が終わり三田が審査員に振ると

審査員は「いいね!山倉くん自分のバンドが安心するでしょ!」と聞かれると

「いえ、明日から〝イエローキャブ〟行きます!」

と冗談を言うとキャンディのメンバーはバタンと 

倒れてしまった。

玄は「冗談だよ!自分のバンドが一番!」

三田は「山倉くんが残留したところで、締まりましたが、キャンディは今週残れるんでしょうか?」

相川は「はい!では最後に〝ya ya〟お願いします!

登場した〝ya ya〟に皆息をのむ。

衣装を新調し、水色のレース地の露出の高いものになっている。

〝ya ya〟も気合いが入っていた。

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