77話 地上番長
咲は全く動くことが出来なくなった。
風は「咲!大丈夫だから、怖くないよ降りよう!」
と声をかけるが「だめ!無理!」と座り込んでしまっている。
そこへ玄と良が下へ荷物を下ろし戻ってきた。
サギはタクシーを探しているそうだ。
玄が風と咲の荷物を持って先に降りる。
高さは確かにビルの4階ぐらいはある。
風は「咲!〝ya ya〟に負けていいのか?いかなきゃ!」と言うと咲は「負けたくないけど 高いの無理!」と言って効果ない。
そこで良が「咲!電車ごっこやろう!昔3人でよくやったろう?風が運転手 咲がお客さん 俺が車掌」
そう言って咲の後ろに回り込み肩に手を掛けた。
咲は「何馬鹿なこといってんのよ!」と言い返すが
良は風を促し咲をサンドウィッチした。
良は「出発進行!」といいシュッポシュッポいいだした。
咲は恥ずかしくて可笑しくて笑ってしまった。
なんとか動きだした。
「風!ゆっくり!ゆっくり!」
咲は注文をつける。
「わかってるって」と風はゆっくり降りる。
咲は「止めて ちゃんとおりるから!」
良は楽しんでいるのか?咲をからかう。
なんとか地上までたどりつた。とたん咲は
「サギはタクシー見つけたの?楽器の忘れ物はない
?」と急に威張り出した。
風は「地上番長だな!いやスケ番か?」
良と顔を見合わせ苦笑いした。
暫くしてサギが1台のタクシーを連れ戻ってきた。
もう1台は無線で呼んでくれるとの事だった。
先に風 玄 サギが乗った。
セッティングに手間がかかる順である。
六本木の〝毎朝テレビ〟お願いしますと伝え、風はなんとか間に合うよう祈った。
毎朝テレビに着くと上川とただニイは痺れを切らせ待っていた。
上川は「どうしたんだ?何かあったのか⁈」
ただニイはトランクから楽器を即座に降ろしている。
玄は「事故渋滞にはまってしまって!すいません!
まだ間に合いますか?」
上川は、「間一髪だリハを頼んで最後にしてもらった!さあ急いで!」
サギは支払いをし、上川に咲達の支払いのお金を渡そうとすると上川は「早く行って!」とサギを
スタジオに向かわせた。
風はギターとエフェクターを抱えて小走りにスタジオに向かうと階段で菜々に会った。
菜々は「どうしたのよ!曲書けなかったの?」
と凄く心配そうな顔をした。
風は「渋滞!」とだけ言ってスタジオに向かった。
菜々は「逃げたんじゃないなら、いいんだけどね」
と言ったあと、「何よ!心配かけといて!」
と小声で独り言を言った。




