75話 婿養子
金曜日の夜 キャンディのメンバーはそれぞれ
自宅で夜ふかしし、23時30分からの放送を待っていた。
玄とホステスの香は店を早く上がらせてもらい
テレビの前で待っていた。
バンドサバイバルが始まった。
香は良が入場する際ころびそうになったシーンを
腹をかかえて笑った。
キャンディの演奏になる。
香は玄が映るたびに真剣に見入っていた。
「玄ちゃん全国的にファンができちゃうんだろうな?アタシいない方がいいね」と言った。
玄は何かの冗談かと思い軽く流していた。
玄は香に「次の聖火って曲もいい曲なんだよ!また勝つから一緒に見よう」と香に
話かけるが下を向いてしまっている。
泣いているのであろうか?
香は、涙声で話す
「あのね、玄ちゃんアタシ京都の実家に帰るの
明後日には、引っ越し屋さんが荷物取りに来るの
話てなかったと思うけど、アタシの実家、 京都の老舗の旅館なの アタシ当時好きな人がいたんだけどね、無理矢理お見合い結婚させられそうに
なって飛び出して千葉に来たの その好きだった人がね、玄ちゃんにそっくりなの!
だからね、こうやって玄ちゃんと会うの楽しかった
だけどね、アタシいつまでもいたら玄ちゃんの邪魔になっちゃうし、潮時かなって、実家戻って
お婿さんもらおうかな?って」
玄は「待ってくれ!おれ香好きだし!必ず守るから俺が!ドラムで成功してみせる!無理ならドラムの先生でも、それでも無理なら鉄筋工でもやるから!」
香は玄に抱きついて「ありがとう、その言葉聞けただけで2年間千葉にいた意味があったわ」
そう言って泣きながら二人は一晩中抱き合った。
登る朝日に照らされ 香のアパートの前で二人は別れた。
「玄ちゃん!一番のファンはわたしだからね!」
と離れていく玄に大声て叫んだ
玄は振り向き、拳を高々と挙げた
それから走って去った。
香は、玄の忘れられない人になった。




