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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
64/119

64話 クルクルグー

1月25日 毎朝テレビ 前


キャンディは例のごとく鷺沼大介(さぎぬまだいすけ)の送りで毎朝テレビまでやって来た。

大介はキャンディの移動の為に、キャラバンタイプの新車を購入していた。

大介は、「俺の息子がテレビ出演なんて!死んだ爺さんに報告しないとな!」と上機嫌であった。

そんな、テレビ局前に女子高生らしき、ファンの人だかりがあった。

そんな横を通りながら良とサギは「誰かアイドルでも来るのか?」と噂していると、

一台のベンツが停まる。

中から〝チェッカーズ〟のようなアイドルっぽい

風情の4人が出てくる。

「キャー!ヨッチー!」と黄色声が掛かる。

そのヨッチーが「今日は皆んなありがと!    バンドサバイバル絶対優勝するよ!

クルクル〜?」と皆に聞くと

『グー!』と50人くらいからレスポンスがある。

玄は、「バッチリ嫌いなタイプ」とボソッと言って

先を急いだ。

他の4人も後に続いた。

受付に着いて バンドサバイバルの出演者ですと

説明すると、楽屋までの地図をくれた。

毎朝テレビは増築に増築を重ねまるで〝迷路〟のように、なっていた。

通路に迷いながらも、なんとか楽屋に到着した。

楽屋はさほど広くはなかったが5人には充分な広さだった。

机の上には、〝キャンディ様〟と書かれた

幕の内弁当が五つ用意されていた。

良は「すっげえな!弁当あるよ!」

と中身を除きこむ。

サギは、「幕の内弁当なんてアグロステンマだね」

良は「エビフライが入ってると言ってます」と

通訳した。

収録のリハが始まる前にADさんが来た。

「キャンディの皆んなお疲れ様!お弁当たべてね

まあ、君達は、脇役かな?クルクルグーってバンド

優勝候補だから失礼のないようにね!あっちは

〝ソッチーレコード〟の大型新人バンドだからさ!

宜しく!」

そう言ってそそくさと出ていった。

玄は「なんだアイツ!胸くそ悪い この番組

デキレースってことか?」

風「芸能界の事はよくわからないけど、そう言う事

あるのかな〜」

そんな事を話していると、

MCプロダクションの上川とただニイが楽屋を

おとずれた。

早速 デキレースの質問を上川にぶつけると

上川は「いや〜なんとも言えないね、そう言う事

あるかも知れないし、まあ うちは〝弱小プロダクション〟だから、なんとか出場枠確保したって

ところだから、脇役も仕方ないかもね 

でも、キャンディならひっくり返す力があると

僕は信じているよ!」

上川は、例え中学生であろうと真摯に向き合っていた。

皆んなそんな上川が好きだった。

ただニイは、「収録中トラブルあっても安心しろ

俺がついてる!」と言ってくれた。

風達は、上川やただニイがたのもしかった。

そんな中 咲は自販機にジュースを買いに楽屋をでた。

自販機でジュースを買っていると、

〝クルクルグー〟のヨッチーが話しかけてきた。

「ねえ、君 出演バンドの子、可愛いね

電話番号教えてよ?」と手帳片手に近寄ってくる。

咲は「別にアンタ関係ないでしょ!」

とその場を離れようとするが、しつこい。

「俺 誰だか知ってんの?優勝候補で将来が約束されたバンドマンだよ?」

咲はしつこかったので、思わず手がでそうになった。

すると

黒のレザーのジャケット、黒の革パンツ サングラスの長髪の男性がヨッチーの手帳を取り上げて

なにやら書いた。

「これ 俺の電話番号 この子はおれの〝オンナ〟

同棲してるから、用があったらここかけて!

まあ、俺の〝オンナ〟に手だすんなら、それなりに覚悟してな!」

とヨッチーを突き飛ばした。

ヨッチーは納得しない様子でその場を去った。

咲は、サングラスの男に

「ありがとうございます あやうく 引っ叩くとこでした」

それを聞いたサングラスの男は

「あんたも出場者?俺は〝タブー〟ってバンドで

ボーカルとギターやってる 宮森 丈(みやもりじょう)俺と同棲したくなったらいつでも言って」

そんなことを言ってサングラスを外すと、

瞳がエメラルドグリーンだった。

宮森はギターを背負っていて、背中越しに

手を振ってその場を離れた。




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