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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
61/119

61話 誤提出

月曜日 昼休み


風のもとに、咲が自信満々にやって来た

「風!書けたよバラード!私はね締め切りは守る女よ!」

そう言って一枚の折り畳んだ紙をだした。

風は、どれどれっと具合で開く 

風「ん?これ数学の宿題じゃない?」

咲は、「え?そんな訳ないよだって間違いなく‥

ヤバ!歌詞数学の宿題に提出しちゃった!」

風は、「え!じゃあ今頃職員室!」


職員室 数学担任 米沢先生


「ん?なんじゃこりゃ?」


stay weth me


肩に手を置く君 愛してるって囁いて

深く 深く 感じて


普通というルールや 責任というカバンを

いつも いつも 携えて


好きと言うだけじゃダメって

空に独り話かけて

また寂しくなって


自分らしくていいよね

あなたに答えもとめて

帰ってくる〝yes〟が嬉しくて


小雪も桜も花火も落葉も

あなたが私の側にいてくれるから


太陽も三日月もあの風もあの花も

あなたと一緒に感じていたいから


stay weth me


良がニヤけながら咲のもとへやってくる。

「数学の米沢先生から預かったぞ おれもいい詞だと思う!」

そう言う良から歌詞を奪い返すと

ハナマルがついていて〝95点 いい詩だと思います スペルを勉強しましょう!〟

と書いてあった。

咲は真っ赤になって恥ずかしがった。

唄ならまだしも、書き立ての詞を先生によまれる 

なんて!


咲は、「ああ!もういや!」と逃げていってしまった。


土曜日 工場にて


stay with meはほどなく完成した。

風のギターソロも〝チェリー〟が泣きのメロディを

奏でてくれる。

皆 満足だった。

サギも自分の考えたイントロが曲として

完成したことに喜びを覚えた。

stay with meを〝数学の宿題〟と呼ぶのは禁句だった。



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