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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
60/119

60話 バラード

12月 初め


サギはリビングにあるピアノにむかっていた。

頭の中にあるのは、歳上の恵子の事が殆どだった。

恵子とした〝キス〟の感触がサギの心をより切ないものにしていた。

ピン ピン ピンと簡単な旋律を奏でるそこへ

和音を重ねる。

8小節ばかりのその〝旋律〟が今のサギに出来る

精一杯の恵子への想いだった。


土曜日 工場にて


「バラード⁈」良は声がひっくり返りそうになった。

サギは「そう、バラード!ぼくらには、レベッカの

〝メイ ビー トゥモロー〟しかバラードのレパートリーがないだろ?オリジナルのバラードがあってもいいんじゃないかって!」

玄は、「俺もサギに賛成だ アルフィーの    〝恋人達のペイブメント〟のようなバラードは必要だと思うぞ」

咲は「あたしはね、前から必要と思って詞は書いてるのよ!だけど風がつくれないから!」

皆 風の方を見る 〝書いてくれ〟いや〝書け!〟

と言うような視線だ。

サギが助け舟をだす。

サギ「こんなイントロあるんだけど‥」

と先日作ったメロディをピアノの音色で奏でる


皆 息を呑む


玄「いいメロディだな なんか()みるよ」

咲も「うん!なんかいい!サギ続きは?」

サギは「残念ながら、ここまでなんだよ!アマリリス 作曲は苦手でね」

咲は、「ちょっと風!」

風は確かにメロディが降ってくる感覚があった。

風は、先日の音大生 〝内野〟の家に一度行き

レクチャーを受けていた。早くも成果を試される時である。

風は新しいギター〝チェリー〟を抱えサギの側により キー、メロディを確認する。

頭の中に続きのメロディが降ってくる。

風は、「皆んな、ちょっと休憩してて!」

そう言ってメロディを追いかける。

サビに先日内野から教わった〝クリシェ〟という

手法とメロディが重なる。

風は、ギターケースから、譜面と鉛筆を出し

殴り書きでコード譜を書く!

それを、工場の事務所のコピー機でコピーを取り

風は「皆んな書けた!サギと共作だね!」

そう言ってコピーした譜面をくばる。

咲には、メロディラインを風が歌いながら教える。

とりあえず1コーラスだけだったが、

皆で試してみる。


それぞれアプローチを試行錯誤する。

咲はラララで仮歌をつける。

玄と良はリズム隊の打ち合わせをする 


いつもより リハが延長になったが形をなしてきた。

風は「咲 詞をたのむよ 曲が先だけど」

咲「タイトルは決まったわ stay with meよ!」

良が内容はと聞くと?

「バラードよ!」と自信満々に答えた。

『バラードだよもともと』と4人に突っ込まれた。

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