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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
49/119

49話 ローディ

〝キャンディ〟のメンバーはホテルのモーニングを

食べていた。

トースト、スクランブルエッグ、サラダ、コーヒーなどである。

朝9時に、MCプロダクションのスタッフ

後藤正(ごとうただし)さんが迎えに来てくれることになっていた。

咲は、生オレンジジュースが気に入って二度お代わりしていた。

朝9時にホテルの前で待っていると1台のハイエースが停まった。

「おはよう!」と降りて来たのは、赤いモヒカン頭のガリガリのパンクファッションの男だった。

「俺は〝ただし〟だ!まあ、お前らより歳上だから

〝ただ(にい)〟とでも呼んでくれよ!」

そう言いながら、風達の機材を手際よく積んでいく。

風は「宜しくお願いします ただニイ‥」

正は「それでいい フランクに行こうぜ!」

そう言って、けっして綺麗とは言えないハイエースに乗り込むよう促した。


目黒のビジネスホテルから世田谷区にある    レコーディングスタジオへ移動した。

車の中で「業界は、挨拶は午後であろうと〝おはようございます〟だぞ!」と教わる。

玄が「ただニイは、ローディですか?」と聞くと

「そうだよ!今日はキャンディ専属ローディ」と答えた。

ローディとは、主に楽器のセッティングやメンテナンスを行う専門職である。

ハイエースで、世田谷の狭い道も楽々運転するが

ハイエースには、ぶつけた跡がいくつもあった。

「さあ、着いたぞ」

住宅街の袋小路に車を停めた。

風は「ただの住宅のように見えますが?」と言うと

ただニイは「脇に階段あるだろ あそこから地下に降りるんだスタジオ〝ビハインド〟だ このスタジオには、いつも泣かせられるよ エレベーターないから!」

そう言って楽器を持って階段を降りて行った。

風達も、ギター、ベースを持ってついていく。

階段の下の白の大きな扉を開けると、

中は、朱色を基調にしたリビングがあった。

リビングには、扉が二つあり、ひとつはコンソールルーム、主にミキサーがある部屋、もう一つは

スタジオに続く扉だった。

ただニイは、「おはようございます!」と楽器を運び込む。

風達も恐る恐るただニイに続く。

スタジオは、広かった。

奥にドラムセットがセッティングされている。

ギターアンプも、マーシャルとフェンダーの   ツインリバーブが用意されている。

風が楽器を運び終え、ギターの弦を張替えている。

と、それを見た〝ただニイ〟は「貸してみな!」

と言って、あっという間に張替えてしまった。

風が「凄いですね!」

と言うと「当たり前だろ!これで飯食ってんだから」と腕を90度に曲げたが、ガリガリ過ぎてさまに

なっていなかった。

サギは、ただニイの指示でキーボードをコンソールルームのテーブルの中央にセッティングしていた。

すると 番長さんと上川さんが揃って到着した。

「皆んなおはよう!ガハハ!」と今日も番長さんは、相変わらずである。

上川さんにレコーディングエンジニアの須田(すだ)さんを紹介された。

セッティングは着々と進み

ジャブジャブ博士のテイクワンが始まる

風のつけているベッドホンから


〝テイクワン〟と言う音が聞こえた。



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