48話 焼肉弁当
10月11日午後 鷺沼不動産
風達キャンディは、土曜日の授業を終え レコーディングのために集合していた。
鷺沼大介 サギの父がまた送ってくれるのである
機材が多いから仕方ないのだが、サギ以外の メンバーは、申し訳なく思っていた。
玄が「いつもすみません」と挨拶すると
大介は、「ハハハ!私は〝キャンディ〟の
後援会会長だからな!」と笑いとばした。
さあ、出発しようか?と言う時に、自転車で
「待って〜」と桜木美香が赤いデカイリュックを背負ってやってきた。
良は「どうした美香ちゃん⁈」
と息切れ切れの美香に近寄る
美香は、「良先輩 東京に泊まるっていうのに、
一世一代の勝負と言う時にろくな準備しないから
用意してきたの!」とゼェゼェハーハー話した。
良は、「こんなに沢山何持ってきたんだ?」
美香は、「寝巻きでしょ、ティッシュ、マフラー、正露丸、ビオフェルミン、それから寝袋!」
良は、「寝袋⁈何に使うんだ⁈」と驚いた。
「だって〝鬼〟プロデューサーなんでしょ良先輩だけ居残り特訓だって考えられるじゃないですか?
それからこれ!」
そう言って美香はポケットから〝四角い電池〟 9ボルト電池を数個だした。
それを見た風は、「あっ忘れてた、美香ちゃん助かるよ」と言った。
9ボルト電池とは、ギターのエフェクターや チューナーに使うのだが以外と手に入らないのである。
鷺沼大介は「美香ちゃんは、〝山内一豊の妻〟になれるな!」と笑った。
良は照れながらバカでかいリュックを背負った。
玄に「お前 山登るのか?」と突っ込まれた。
目黒 某所 雑居ビル地下 リハーサルスタジオ
キャンディのメンバーは2時間程かかり、スタジオについた。
スタジオに機材を運び込むと、〝番長さん〟は
早々と自分のギターをセッティングして待ち構えていた。
「ようこそ!」と言ってスンゴイ速弾きで、出迎えた。
キャンディのメンバーは、『宜しくお願いします』
といい各自セッティングした。
セッティングが終わると番長さんは、
「じゃあやるか?そんなには、曲をいじらない!
まず俺が手をつけたいのがテンポだな!」
そう言って、〝ジャブジャブ博士〟 〝太陽のラジオ〟ともに、速くや遅くするのを
何パターンか録音し、皆でディスカッションした。
結局、ジャブジャブ博士はいくらかテンポを落とし、逆に太陽のラジオはテンポを上げた。
玄はクリックを聞き正確な新しいテンポを刻む!
番長さんから、「咲、ため過ぎだ ドラムよく聴いて」「風、良 走ってるぞ」など容赦なく声が飛ぶ!
また太陽のラジオで「玄、隠れるように、ハットで
16入れてみてくれるか?」
「風!付点8分のデュレイつけてみよう、 〝フレンズ〟も16分音符が隠れてるから、あの
疾走感がでるんだ!」
と専門的なアドバイスも入れてきた。
短い休憩を挟んだだけで4時間ぶっ通しだった。
良と咲が陰で、「やっぱり〝鬼〟だ!」と噂した。
そんな時「皆んなお疲れ様!焼き肉弁当買ってきたぞ!食べよう」と上川社長がやってきた
皆「助かった〜〝仏〟だ〜」と
こぼした。
番長はガハハと笑っている。
焼き肉弁当は高いのかもしれないが皆がっついて食べた。
腹一杯になり今日は、終わりかな?
と思っているところに、
「さあ!もう一本!」と番長がスタジオに入って言った。
良は、サギに「こんな時の花は?」と聞くと
「鬼に似合う花なんてないよ〜」
とヘロヘロだった。
夜遅くまで特訓は続き全員ビジネスホテルのベッドへ倒れ込むように寝入った。




