表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
43/119

44話 条件

9月13日 土曜日 工場にて

キャンディのメンバーは、ようやくアレンジが固まってきた〝ジャブジャブ博士〟をラジカセで録音しようとしていた。

玄が窓口となり、MCプロダクションの上川に翌日聴かせる事になっていた。

玄のカウントで風のギターリフと玄のリズムからはじまり8小節後にリズムインする

咲も伸び伸びと歌う

サギと良の合いの手絶妙なハーモニーも絡む

間奏も、風のギターに華がある。

最後のサビにはいり、

イントロのリフで終わる


カセットのポーズボタンを良が押す。

皆で聴き直してみる。

風が「ここちょっと間違えたやり直そう!」

と言ったが、玄が「大抵 テイクワン 1番最初の演奏がいいものさ!そのために練習するんだ

試しにやってみるか?」

風がやってみたいというので、

テイク2に入った。


聴き直してみたが玄のいうとおりだ、集中力がきれたのか、さっきより皆ミスが目立つ。

結局テイクワンのテープを持ってMCプロダクションに行くことになった。


翌日 東急東横線 中目黒駅


キャンディのメンバーは、教えられたとおり

MCプロダクションの入ったビルを目指す。

プロダクションの事務所にいくなど人生で

初経験だ。

いくらか迷ったがなんとかたどりついた。

2階3階が事務所となっている。

2階の受付にいくと、いかにも芸能関係者と思える派手な女性が3階の応接室に案内してくれた。

良もサギもガチガチに緊張し、いつもの冗談もでない。

応接室に通されると中で上川英二(かみかわえいじ)が、迎えてくれた。

上川は、社長というには、まだ若く40前半である。

頭は、パーマをかけてカラフルなメガネをかけている。

陽気なキャラで親しみやすい。

上川は、「みんなおめでとう」と大会の結果を労ってくれた。

それから、自分とMCプロダクションの熱い思いを

かたりだした。

「やっぱりさー面白くないとね!プロだから完成度は当たり前だけど、世の中ひっくり返るくらいの

面白いことやりたいんだ!」

咲が「アタシ達どこが、いいですか?」と聞くと

指を、左右にふった。

「咲ちゃん、そのセリフは間違っているよ!

アタシ達ここが凄いんです!が正解だな」

ギクっとするメンバーに上川はフォローをいれる。

「まあ、それくらい自分達の〝ウリ〟を把握してないとなってことさ!」

玄は、〝ジャブジャブ博士〟のテープを渡し聴いてもらった。

上川は、厳しい表情になったり、笑ったりしている。

テープが終わると「いいじゃない!メロディいいよ

歌詞も面白い、アレンジも初めてにしては上出来だ」

キャンディの皆んなは、誉められ ホットした。

「よし!この曲デモテープ レコーディングしよう!」

『レコーディング⁈』5人はビックリした。

上川は、「ただし、条件がある。もう一曲リクエストしたい!できれば咲ちゃんの女性的な魅力を感じられる歌詞のものを」

玄、良、サギは、風と咲を見た。

咲が「わかりました 作ります!」と答えた。

風は、臆している。なぜなら〝ジャブジャブ博士〟以降2曲目をつくろうとしたが、いっこうに

メロディが降ってこなかったからだ。

結局 咲に押し切られる形になり、上川に一ヶ月の

期間をもらった。


帰り道、咲、良、サギはレコーディングと大はしゃぎだ。

玄は、風のプレッシャーを理解していた

「頼むな風」と風の肩を、優しく揉んだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ