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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
42/119

43話 サギと結婚式

8月31日


サギは、ジャブジャブ博士のキーボードアレンジで悩んでいた。

もともとクラッシックのピアノ出身であるから、

譜面あっての世界、ゼロからアレンジすることは、

苦手だった。

そんな事もあってサギは稲毛の〝多川屋〟に譜面の

立ち読みに来ていた。

参考になればとの思いだった。

立ち読みしていると「あれ〜サギくん?」

と大会で一緒だったバンド〝ブレス〟のボーカル

恵子 〝村上恵子(むらかみけいこ)〟が

声を掛けた。

恵子は、「ヤッター!縁があったね サギくん

あたしついてる!問題一気に解決!」とサギの腕にしがみついた。

サギは「けっ恵子さんどうしったって言うんですか?」とまんざらでもない。

話を聞くと来週の日曜日 友達の結婚式だと言う

それが、今週になって急に1曲歌ってくれと頼まれたと言うのだ。曲は、竹内まりやの〝本気でオンリーユー〟にしようと決めたのだったが、

ピアノがいない!でにわか仕込みの弾き語りをしようと譜面を買いに来たところだった。

そこにサギがいたと言う訳だ。

サギは、二つ返事で承諾した。

恵子は、〝本気でオンリーユー〟のピアノ譜を買い

コピー機でコピーしてサギに渡した。

「じゃあサギくん、9月7日 日曜日の1時にサギくんの家に車で迎えにいくね、練習お願いね!」

サギは「任せてください!インパチェスです」

恵子は、「うふっ」と笑って別れた。


9月7日 サギの家


恵子は、13時頃 チェイサーに乗ってサギの家に到着し、サギの両親にお借りします と軽く挨拶をした。

サギは父 鷺沼大介が急遽用意した礼服を着ていた。

二人は歳さえ近ければ恋人同士に見える程親密だった。


結婚式会場にて


結婚式も中盤に差し掛かり、サギのエスコートで

恵子は、マイクの前まできた。

祝辞を述べ、サギの方へ合図をし、

ぶっつけ本番で〝本気でオンリーユー〟を披露した。

会場は、恵子の歌声、サギのピアノに酔った。

新婦も恵子に嬉しくて抱きついた。

無事結婚式はお開きとなった。


夕方 恵子の車


恵子は、「いいな〜アタシも結婚したくなっちゃった!」ハンドルを握りながらそう呟いた。

サギは思い切って「あの〜恵子さんは、彼氏いないんですか?」と聞いた。

恵子は、「彼氏〜いないよ!いるように見える?

う〜ん サギくんだから言うけど、私 不倫してるの‥会社の課長と、勿論 奥さんも子供もいるひとよ、バンドも解散なっちゃったし、なんか虚しくてね、あ〜あサギくんがあと五つも年上だったら彼氏にしちゃうのに‥」

そう言って徐々に涙ぐみ話した。

サギは、思いっきり勇気をだして

「恵子さん僕と付き合ってください!歳なんて関係ないです!不倫は良くないです!」

恵子は、一瞬サギの方を向き嬉しそうな顔をしたが

すぐ前を向き

「アタシ22よっサギくんの7つも上なのよ!

O Lが中学生と付き合ったら誘拐っていわれちゃうわ!」

そう言って前を向いて運転に集中した。

二人とも沈黙した。

サギの家に着き 車を停めた。

サギが「ありがとうございます」と言って降りようとすると、

恵子がサギを抱きしめキスをした。

サギは目を見開いた。

恵子は、「告白ありがとう 早く大人になって」

そう言って下を向いてしまった。

サギは、「待っててください!」

そう言って車を降りた。

サギは走って行くチェイサーのテールランプを惜しむように見ていた。

サギのファーストキスであった。

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