36話 ランジェリー
風は、咲を追いかけた。
ロビーの真ん中で、咲に追いつく。
風は、「咲 違うよ!なんか勘違いしてないか⁉︎」
咲「違うってなによ!楽しそうにイチャイチャしてたじゃない!」
周りにいた人達が注目する。
「とにかく、抑えてくれ誤解だから!」
「もう!帰る!」咲の怒りは頂点にたっした。
天の救いか?たまたま良が通りかかる!
「どうした?咲 風?」
咲と風の喧嘩の仲裁は、良のお箱だった。
仲裁世界一である。
「酷いんだよ!風!‥」と不満を良に話だした。
良は「それは風が悪い!浮気者だ!」と咲に
同調する。
良は「咲!罰を与えよう!何がいい?」
咲は暫く考え「往復ビンタ!の刑」
良は「うん!それがいい!」
風は「そりゃないよ!」と抵抗するが良が羽交締めにし、角の方へ引き連れた。
咲は「覚悟しな!歯くいしばれ!」
そう言って羽交締めになってる両頬に、往復ビンタを食らわせた。
風は「いってえ!」と言って、頬を抑えた。
顔を上げると右の頬が赤くなっている。
2人はそれを見て笑った。
まるで小学生である。
いや、3人揃えばいつでも、タイムスリップできるのだった。
笑いながら、楽屋へ戻る時 良は、風の腰の辺りを
〝ポン〟と叩いた。
楽屋の雰囲気は最高だった。
「キャンディさんスタンバイお願いします!」
と呼び出しが掛かる!
いつもの掛け声をかけ、袖でスタンバイする。
舞台を照らす照明、スモークの匂い。
前のバンドが終わり、セッティングに入る。
風のトリックのデュレイのアルペジオから始まる
ビートが始まる
と同時に歓声が起こる!
照明が明るく点灯する。
サギがメロディをいれる。
今夜も月が見てるわ
咲の唄が始まる 切ない甘いトーンからはいる
サビに近づくにつれ、パワフルにはち切れんばかりになる。
今日は、いつもより、女を出している。
会場は酔う
キャンディの音の波に。
2曲目のフレンズも盛り上がり、〝やった!〟と言う感触を5人とも持っていた。
セッティングをバラし引き上げた。
次は、菜々、美々率いる女性ハードロックバンド
〝ya ya〟であった。
ギターの菜々は、風にすれ違い座間に、ウィンクをした。
〝ya ya〟の衣装は、黒のランジェリーを模した
派手なものになっていた。
引き上げるキャンディの背中から
空気を引き裂く凄まじい菜々のギターの早弾きが
聞こえる!
ボーカルの美々がそれに被せるように、ハイトーンのシャウトをいれる!
会場が一気に飲み込まれた。
曲はオリジナルであるメンバー全員凄いテクニックだ。
〝ya ya〟は中野サンプラザは私達の物よ と言わんばかりにステージをかけまわる。
足をとめ、キャンディの5人は唖然とした。
玄がぼつり「やられた‥かもな」そう言って
楽屋へ引き上げた。




