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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
25/119

25話 俊の苦悩

風と咲は、ライブの報告を兼ねて〝ひまわり〟へ久しぶりに寄った。

俊は、開口一番「おう!ライブどうだった?

悪いな親戚の結婚式と重なっちゃって」そうにこやかに迎えてくれた。

風は、「バッチリ!」そう言って咲とハイタッチしてみせた。

俊は、それを見て深いため息をついた。

「お前らいいな〜」

風は、「なんかあったんですか?」と聞いた。

俊は、「いやな、〝大越純子(おおこしじゅんこ)って知ってるか?そこそこ売れてるロック系のシンガーなんだけどさ!ツアーのオファーがきたんだよ、ギター弾いてくれって こっちは、約3年も現役離れてるし、この店もあるし、無理だって

断ったんだけどな、嫌でギター辞めた訳じゃないしな‥」

咲は、「やればいいじゃないですか!この店くらい

あたしと風で見ますよ!」

俊「咲ちゃん、こう見えてもな、店番してガム売ってるだけじゃないんだよ、新学期だし、運動会もある、先生との打ち合わせや仕入、納品とやる事は

沢山あるんだよ、小学校も中学校もだしな」

風も「諦めないでください!なんとかなりますよ!

ギターまた弾いてください!」

俊「嬉しいこと言ってくれるね、まあ、後戻りはしないさ、俺には俺の人生がある。」

そう言って新しく仕入れたエフェクターの話に切り替えた。


風と咲は一緒に帰りながら、「誰かいないかね〜」と心配していた。


翌日〝ひまわり〟にて


俊「山田〜⁉︎あの金髪の山田か?」

咲は「そうです山田先輩です 山田先輩 中学卒業して大工の見習いやってたんですけど、先月辞めちゃってヒマしてるみたいなんですよ、尺とか寸とか

わからねえって 山田先輩 社会にでてだいぶ変わりましたよ、どうでしょう?」

俊は、「山田か〜まあアイツなら先生に顔も効くしな、だけどアイツキレやすいからな〜」

風は「実はもう呼んでるんです!山田先輩〜」

「ご無沙汰してます!」

坊主頭で黒髪の作業着姿の山田先輩が入ってきた。

俊は、「山田〜元気にしてたか?少し痩せたんじゃないか?」と話かけた。

山田先輩は、言葉使いも、大人になっており、

金髪の山田先輩の面影はなかった。

俊と山田は、20分ほど話し

俊は、「じゃあまず2、3日やってみよう!出来そうだったら、引継ぎだ!3か月くらいだが宜しく頼むよ!」

そう話はまとまった。

風と咲は大喜びした。


結局山田は、引継ぎをして、店を任された。

俊は、3か月間ギタリストに復帰した。


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