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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
21/119

21話 ノルマ

あれから、〝キャンディ〟のメンバー

風、咲、良、サギ、玄はリハーサルを重ねていた。

玄の加入が大きかった。

玄は、全てのパートに精通しており、アドバイスが

的確だった。

玄は、千葉のキャバレーで叩いていた。

中学生が、お金をもらってプレイするなどあり得ない事だった。

いくら、亡き父のツテとは言え、ピンチヒッターであろうと、実力がなければ無理である。

そんな玄は、3月で卒業であった。

 

2月 工場にて


『ライブハウスでライブ〜⁉︎』

風、咲、良、サギは声を揃えた。

玄は「そう ライブやろうぜ!そろそろ

本八幡にルートフォーティーンってライブハウスがあってさ、知り合いの高校生バンドがライブやるんだよ 対バンに、どうかな?って誘われたんだよ」

4人は、「やったー やろう」

そう口々に盛り上がった。

風は、「でも、まだレパートリー4曲しかないけど

大丈夫ですかね?」と玄に聞いた。

玄は「まだ一ヶ月先だから、どうにかなるだろう

でも、イメージは統一したほうがいいな

咲を中心に、〝レベッカ〟って見本があるし」

そこに、良がまったをかけた。

「でも、最初メリーアンからはじまったから、

アルフィーや、ビートルズも混ぜたい」

咲が「ところで〝衣装〟どうする?」

と女子特有の意見を言ったが他の4人にスルーされた。

サギは「確かに、メリーアンには、思い入れがあるが玄先輩の意見もガーベラ的だし」

良が「だから!意味わかんないよ」

風は、「うん、でも、一ヶ月でレベッカの曲揃えられるかな?」

そう、バンドの方向性を話しあった。

皆 生き生きしていた。

玄は、「持ち時間は、30分だ7曲ってところか?それから、チケットのノルマがある 1枚2000円で

30枚だ 売れなかったら自腹だな 1人6枚だ」

それを聞いて、風、良 サギは生唾をのんだ。

咲は、「ところで〝衣装〟どうする?」

他の4人に『衣装はまだいい!』

と突っ込まれた。


翌週の土曜日


〝キャンディ〟の面々は、チケットの売り上げ状況を話した。

風は、「1枚しか売れなかった」

としょげている。

玄は、「俺は3枚だ」

咲は、「あたしは6枚完売!」

良は、「すまん0枚だ」

風は、「以外と売れないもんだな やっぱり中学生に2000円はキツイ」

そう4人がうなだれていると

サギが「僕、30枚売れた」

『30枚⁉︎』4人がビックリした。

サギは、「いや、パパの会社でライブやるって話したら、飛ぶように売れてアマリリスだよ!」

『意味わかんねーよ!』

4人が突っ込んだ。


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