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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
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2話 入学式

(ふう)は入学式の校門にいた。

(りょう)と待ち合わせをして2人で初登校した。

今日は(さき)は一緒ではなかった。

桜が満開な校門で風は、新鮮な気持ちで、

もう子供ではない そう言い聞かせていた。

と校門を入ると 金髪のパーマをかけた先輩を

中心に5、6人たむろしていた。

風は、余りにも小学生の周りの友達との違いに

びっくりした。

体格も皆大きく、恐れを抱いた。

金髪の男が風の方をじっと見ている。

風は目をそらそうとしたが、

なんだか悔しい感情が湧いてきて

目を逸らさなかった。

ほんの5秒程だったが、金髪の男は、

あきらかに、怒った様相でこちらに向かってきた。

背はデカく太っている。

2、3歩歩き出したところで、周りの同輩にとめられた。

あきらかに、その男の怒りは収まっていない。

風は不安を抱えたまま入学式に臨むことになった。

良が「風なんかヤバいんじゃない さっきの金髪

目つけられたって感じ」と言って風の周りで戯けて(おど)て見せた。

クラス発表があり、風はA組 良はC組だった。

風は咲のことが気にかかり、確認すると同じA組だった。

入学式が始まり、風の母親 横山美枝子(みえこ)も出席していた。

となりには、咲の母親 上杉和美(かずみ)

座っていた。

風の家は、工場を営んでおり

風の母も咲の母も工場の事務をして、共に働いていた。

式も無事終わり、クラスも解散になった。

咲が風に近づいてきて「一緒に帰る?手繋いで」と笑いながらからかってきた。

咲は、成長が早く風よりも背が高くなっていた。

風は咲の制服のせいか、大人びて感じ

今まで通り接することができなかった。

そんな、からかいながらも、風の側を離れず

校門へ向かった。

無事ではなかった。

校門に先程の金髪の男以下5人の先輩が待ち構えていた。

「おい、一年坊威勢いいじゃねえか?」

とあっという間に取り囲まれてしまった。

肩を抱かれ、昇降口の裏手につれていかれた。

咲は、声も出せずに立ちすくんでいたが、

すぐに、先生を呼ばなきゃ と思い職員室に向かった。

金髪の男は、裏手に入るやいなや、

風を背負い投げした!

ドスン 「痛てっ」たじろいでいる風に

金髪の男は、すかさず腰の辺りに蹴りを入れると 

風の体を立たせ、壁に押し付けた。

「一年坊名前は?!舐めんなよ おい 金持ってんだろ?だせや」そう脅すが、風は、足をバタつかせ

抵抗していた。

「離せ!」そう風は口に出して、屈しない姿勢を

見せた。

そうすると、どこからか、

「先輩?その辺にしときましょうや、まだ1日目だし」

と先日〝ひまわり〟にいた。背の高いキツネ目の男が木刀を持って現れた。

金髪の男は、

「山倉ちゃん〜」と優しい声を出し振り向き、風を離した。

金髪の男は、「まあ、山倉ちゃんがそう言うなら

この辺にしとくか?なあ、山倉ちゃん お兄さんに今度俺も〝スパイダー〟の集会に参加していいか、聞いといてよ?」 

キツネ目の男は、「いいっすよ、兄貴に言っときますよ、先輩、なんかセンコウ来るみたいっすよ

コイツと一緒にいた女が職員室で騒いでましたよ」

金髪の男達は、「なんだよ チクリやがって おい

一年坊 顔は覚えたからな、明日から気をつけろよ」そう言うと男達は去っていった。

キツネ目の男は、木刀を置き、

風に、「お前さあ、小学生とは違うんだよ 先輩の扱いに気をつけろよ あの人金髪の山田先輩はすぐ

キレるから」

風は、「ありがとうございます 助かりました

あの〜名前は?」と恐る恐る聞いた

キツネ目の男は、

「俺は山倉 (げん)兄貴が〝族〟だから多少融通きくんだよ、」そう言うと風の砂埃(すなぼこり)を落としてやった。

そんな時、咲と良が2人の先生を連れて現れた。 

体格のいいジャージの先生が

「山倉 またお前か!?」と言って羽交締めにした。

玄は、「違うって!俺は助けたの!おい一年坊なんとか言えよ!」

風は慌てて違うことを説明したが、全く話がつたわらず、

玄、と風は職員室に連れて行かれた。


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