表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
19/119

19話 フレンズ

風、咲 風の母美枝子 咲の母和美は、車で風の家まで戻った。

家では、風の父 横山和彦と 咲の父 上杉(まこと)が待っていた。

上杉真は、咲を見るなり「咲〜どうしてそんな事したんだ!」と感情を抑えては、いるものの溢れでていた。

風の父は、「まあまあ上杉さん、さっき怒らないって約束したじゃないですか」と宥めた(なだめた)

上杉真は、銀行員であった。

仕事の責任感も手伝い万引きなど到底ゆるせるものではなかった。

風の父は、昨年 咲がバンドを脱退したことも知っていて、風の彼女の事などから、おおよその察しをつけており、言葉で説明はしなかったが、上杉真に叱らないでやってくれとお願いしてあった。

咲の母 和美は、「咲、どうしてなの?お小遣いあげてるじゃない 教えて?」

今度は、風の母 美枝子が、待ってと言う仕草をし 制した。

咲は、まだ涙が完全に止まった訳ではなかった。

咲は、大人4人の〝裁判官〟の前にいるようで

いたたまれなかった。

ふら〜っと工場の方へ歩きだした。

風が後を追う。

追いかけようとした上杉夫妻を横山夫妻がとめた。

工場にある〝キャンディ〟のためのスペースまでいくと咲は座りこんで、また大泣きを始めた。

風は、しゃがんで咲の目線にあわせたが、

〝どうして?〟とは聞かなかった。

只 一緒にいた。

やや暫くして、涙声で咲は話始めた。

「昨日ね、ベストテンでレベッカってバンドの

〝フレンズ〟って曲聴いたの そしたらね

涙出てきちゃって、風と私いつから壊れちゃったんだろう?って今の自分が情けなくて、バンドやってだ時は輝いてたのに、また歌いたいなって

〝フレンズ〟歌いたいなって、

でね、風と仲直りしたかったんだけど

なんか持ってかなきゃって‥

あたしなりに、あたし〝汚れ(けがれ)ちゃったから‥‥」

風はその言葉を聞いて思わず咲の手を取り

「咲、またバンドやろう!〝フレンズ〟って曲やろう歌ってくれ!一か月くれみんなでコピーするから!」

そう言う風も泣いていた。

2人は暫く涙にくれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ