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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
12/119

12話 女の闘い

翌週 土曜日

風は、親父に工場で練習させてもらう許可を得て

いた。

条件は、工場が終わる17時以降にする事と

近所からクレームがきたら、音量を下げる事だった。

3人は、風の家で配達のトラックを待っていた。

13時頃トラックが到着した。

配達員さんが、次々と楽器を運び込む。

3人は、ワクワクしかなかった。

工場で働く大介さんが、電源やら、セッティングを手伝ってくれた。

良が「ところで、マイクってどうするんだ?」

その質問に大介さんが

「社長のカラオケさ使えばいいべ」

とあっさり回答をだしてくれた。

「マイクスタンドが必要だべさ、作っといてやるから」と金属加工工場の強みを見せてくれた。

咲は、ピカピカのピンクのベースを手にとり

「わ〜綺麗〜」と少女の微笑みを振り撒いた。

咲は、一緒に買ってもらったストラップを付け

ポーズを決めた。

風と良は、拍手を送った。

それぞれのセッティングを済ませ。

3人は、会議を開いた。

バンド名と選曲である。

咲が「バンド名 キャンディキャンディがいい!」

といいだした。

少女向けアニメのタイトルであった。

「キャンディキャンディ⁈」と2人の猛反発を受けた。

咲はいっこうに聞かない。

「キャンディキャンディじゃないなら、脱退する」

とまでいいだした。

脱退もなにも、結成していないのだから、可笑しな話である。

風は、「じぁ キャンディは?」

と妥協案をだした。

良は、「キャンディ⁉︎いいじゃん!キャンディにしようよ」とキャンディキャンディから逃れるために

必死だった。

咲は渋々「キャンディ」で納得した。

次に、選曲である。

これは、スポンサーでもある良がゆずらなかった。

良は、「アルフィーのメリーアンにしよう!」

2人は、言葉の強さにすぐ同意した。

風は、「譜面は、俺が用意するよ!良にばかり負担はかけられない。」

それも、すぐに決まった。

一旦集まればもともと3人組である決まるのも早い。

そこへ、有村由美 風の彼女が訪ねてきた。

由美は、風と咲が一緒にいるのが心配だった。

ましてや、根っからの洋楽好きである。

招かれざる客は承知の上での訪問であった。

咲の顔が一瞬で少女から〝ツッパリ〟に変わった。

由美は、「ごめんなさい あたし音楽好きだから見てみたくて‥」

風は「ほら、由美ちゃん音楽好きだし、マネージャーっていうかさ‥」

それを遮る(さえぎ)ように、咲が

「あたし達 プロでも、なんでもないんだから

マネージャーなんていらないと思う、それに今日楽器きたばかりだし!」

と敵意むきだしで突っかかった。

由美も負けてなかった。

「私がいれば、雑用できるし、それに横山君の彼女だし、」

〝彼女〟由美は、伝家の宝刀を抜いた。

その言葉に、咲の顔は見る見る〝ツッパリ〟咲に変わっていった。女の闘いである。

風はおどおどするばかりで、だらしなかった。

そこをまとめたのが 良であった。

「まあまあ、由美ちゃんの気持ちもわかるけど

俺たち音も出してないからさ!全然弾けないし

1曲弾けるようになったら、由美ちゃん招待するで

どうかな?」

風も、良の意見に賛同しこの場を治めたかった。

咲も「まあ、それならいいけど」

由美も「うん、弾けるようになったら聴かせて」

となんとか治った。

良にしてみればやっと帰ってきた3人組である

ものの数日で壊れるのは、耐えられなかった。 

風は由美を、送っていき、

17時を待って3人は、〝音〟いや今は〝騒音〟をだした。


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