表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
118/119

118話 不自由

風の母、横山美枝子(よこやまみえこ)の手術は

無事終了したが、この後の経過は、予断の許されない状況であった。

頭に包帯を巻かれた、美枝子はタンカにのり、家族の前を通過した。

風も意識はないとわかってはいたが「母さん」と声をかけた。

美枝子は集中治療室に運ばれ、医師から説明のために父、和彦は呼ばれた。

妹の雲はただ泣いている。

暫くして、和彦がでてきて、皆に説明する。

「一命は取り留めたが、ここ数日はまだ安心できないらしい、仮に意識が戻ってもなんらかの障害がでるであろう、と言われた。」

和彦は、入院の準備のために、一旦病院を出る事になった。

風、雲、咲、咲の母は病院にのこり、備えた。

病院の待合室で、咲の母 上杉和美(うえすぎかずみ)は、「昨日、不整脈が出たって、言ってたのよ、なんで無理にでも病院に連れてかなかったんだろう」と後悔を口にした。

父、和彦が戻ってきて、咲と咲の母には、一旦家に戻っていただいた。

待合室で、和彦は風に「何度も言うようだが、明後日のライブは必ず行けよ」と念を押した。

だが、風は、こんな状態の母の元を離れる訳にはいかない、そう決心していた。


翌日も意識は、戻らなかった。


ライブ当日


東京のライブハウス〝エッジマン〟では、ライブの用意が行われていた。

昨日急遽、目黒のスタジオで、キャンディのメンバーに〝オッさん〟さんを交えリハを行ったが、

散々な結果であった。

2.3曲ならともかく、10数曲である。

オッさんは、楽屋でも、ウォークマンで必死に聞いていたが、流石に困っていた。

咲は、飲み物を買おうと、〝エッジマン〟の地下から上がる階段を登ると、逆光の中に人影があった。

眩しい逆光の光を遮り見ると、

風が立っていた。

咲は「風!来てくれたんだ!」と風に抱きつく。

風は「病院でさ、うたた寝してたら、夢に母さんが出て来て、俺を起こして、〝ライブでしょ!おにぎり作ったから〟って」

風は涙ぐみながら、咲と一緒に、〝エッジマン〟の階段を降りて皆のもとへ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ