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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
102/119

102話 代償

良と桜木美香は日曜日バスを乗り継いで、海浜方面にあるマリンピアと言うショッピングモールにきていた。

良は、バンドサバイバル準優勝の記念にベースを新しくしようとしていた。

マリンピアにある島田楽器でヤマハのBX1という

小型のベースが目的だった。

以前サイフを落としていた良は、サイフを美香に預けていた。

マリンピアに着くとまず、島田楽器に向かった。

島田楽器にお目当てのBX1はあったので、店員さんに試奏をお願いした。

店員さんは、良にベースを渡すとき、     「あれ?君バンドサバイバルでてなかった?キャンディだっけ?」と良に気づいたようである。

良はまんざらでもない様子で、「ええ、まあ」とだけ答えた。

美香は「良先輩、黒より白のほうが、いいですよ!」と勧めたが、良は「やっぱり黒だよ!」と言って聞かなかった。

その時点で美香はすでに、すね始めていた。

良は椅子に座り、ベースを弾き始める。

小さなボディは小柄な良にとってありがたかった。

そんな折、女子高生のバンドをやっているであろう4人組が来店する。

4人は遠巻きに、良に気づく。

「ねえ、あのベース弾いている子、バンドサバイバル出てた子じゃない?」

「そうだよ!カワイイ!」そう言う4人組に良はあっという間に取り囲まれてしまった。

美香もおしのけられていた。

良は、「確かに、キャンディの良だけど、まいったな〜」と調子に乗り、鼻の下を長く長く伸ばした。

良と4人組はキャアキャアと騒いでいる、良の自慢話に花が咲く。

美香は腹が立って仕方なくなり、プイッと何処かへ行ってしまった。

良はそのことに暫く気づかずにいた。

ふと、美香を探すが島田楽器の店内に居ない!

良は4人組に挨拶をし、慌てて美香を探す。

マリンピアを探し回るが、なかなか見つからない。

良は「やばいな〜」と諦めかけると、宝石店に美香がいた。

美香は、支払いするところで、良のサイフをだしていた。

良は「ちょっと待った!」とレジに駆け寄る。

美香は「あんな様子じゃ 私の精神がもたないんで、御守りの指輪を買ってください!」と引きそうにない気配で、機嫌が悪い。

良は、「悪かった!悪かった!わかった買うよ」と

美香に預けたサイフを返してもらい、値段を聞く。

「3万5千円になります」

「3万5千円!」と良は目が飛び出た。

良は美香に「もう少し安いのないの?ベース買えなくなっちゃう」と小声で聞くが「無いです」と一言でかたずけられた。

良は渋々支払いし、美香は早速右手の薬指にはめて

上機嫌である。

「ありがとうございます 良さん!」と腕を組んできた。

楽器店に戻りベースの支払いをしようとするが、案の定一万円たらない。

仕方なく美香から借りた。

良は〝オケラ〟になり、そのあとのラーメン代も帰りのバス賃も美香に出して貰った。



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