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ドミナントフレンズ  作者: 霞 芯
10/119

10話 良の決断

2学期もはじまり、学校には、すっかり

〝スケバン〟になった咲が登場した。

クラスメイトは、皆 咲を恐れて敬遠した。

そんな中、良だけは、変わらず積極的に

咲に話しかけた。

その短いスカートいくらしたの?とか

髪の色似合ってるね とかである。

咲は、いくらか良にだけは、反応した。 

調子に乗って良が

「バージンもう捨てたの?」と質問すると

咲は、「鼻に鉛筆さしてやろうか?」

そう言い放って席を立ってしまった。


良「風!バンドやろう!」

良は、廊下で風を見つけると風に飛びつきながら

大声でいった。

風は「良、俺ギターかったばっかりだし、突然どうしたんだよ」

風は、〝バンド〟と言う言葉に嬉しさしかわかなかった。

つずけて、「だいたい、ドラム、は?」とまで話すと良は嬉しそうに オレ オレと自分のことを

指差している

「じゃあ、ベースは?」と風が聞くと

良は、「ベース 咲!ボーカルも咲!」

風は、「ええ!咲?まあ確かにアイツ唄ウマイけど、やるかな〜?ツッパリ街道まっしぐらだし、

だいたい楽器どうすんだよ?」

そこまではなすと、良がカバンから銀行の通帳を

だした。

鼻の穴を大きくして、最終ページをみせると

残高は、20万ほどあった!

良は、「おれ、お年玉一回も使ったことないんだよ」そう言って胸を叩いた。

「俺が用意する 咲を更生させないと!

名付けて〝バンド更生プロジェクト〟どう?」と

良は誇らしげにそう言った。

風は「スッゲーなっ お前ケチな訳だよ いや

ケチじゃないか?」そう言って風はすぐに同意した。


「バンド〜 あたしが?」風と良が咲を誘うと

珍しくまともに口を聞いてくれた。

「あたし、ベース?」と嬉しそうだった。

咲は、「いいけど楽器どうするの?」と聞くと

先程のくだりがリプレイされた。

ただ、〝バンド更生プロジェクト〟は内緒だった。

3人は次の日曜日 お茶の水へ行く約束をした。

こんな嬉しそうな咲は、〝相合傘事件〟以来久しぶりだった。



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