表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/94

53.新しい居場所(9)



「さすがアマリリス様というか……」


「アマリリスって、働き者よね」


「……あぁ」


「侍女と一緒に楽々と仕事をこなすのよ?驚きだわ」


「確かに…牢でも当たり前のように自分の事を自分でしていましたから」


「リノヴェルタ侯爵家でのアマリリスの扱いは酷いものだった………その所為だろう」


「「……」」



あの日の事を思い出すと苛立ちが抑えられなくなる。



「……今はユリがアマリリスを守れるわ」


「ああ……」


「わたくし達もね」


「ありがとう、姉上」


「ウフフ、ユリが恋をしてから素直で嬉しいわ」


「……」


「皆、まだアマリリスを悪女とか悪魔とか言うけれど、わたくし達から見るアマリリスとは全然印象が違うわよね………むしろ真逆だわ」


「皆さんは誤解しています。アマリリス様は変わったのだということを伝えたいのに……」



二人の言葉に小さく頷いた。


社交界を派手に騒がせていたからか、今でも様々な噂が飛び交っている。

そしてリノヴェルタ侯爵家を追い出された時は、アマリリスの不幸を喜ぶ声で溢れていた。

令嬢達からは嫉妬や羨望の声が上がっていた。


マクロネ公爵を恐れてか、ジゼルの目を気にしてか、大声でアマリリスを馬鹿にするものは居なくなった。


だが、未だにアマリリスの噂は根強く残っている。


そして社交界から消えたアマリリスは、本当に結婚するのか疑われているそうだ。



「そうだわ!わたくし良い事思い付いちゃった」


「姉上……余計なことは」


「余計なことじゃないわよ、失礼ね!今度の王家主催のパーティーはアマリリスが変わったと知らしめる良い機会でしょう?それにアマリリスとユリの仲を見せつけて……ウフフ」


「「………」」



二人は怪しく笑っているジゼルからそっと視線を外した。



「今日はスペンサーが帰ってくるのよ!良い方法があるか相談してみましょう」



そんな時、ジゼルは突然ハッとしてから此方に向き直る。



「ちょっと待って、スペンサーが帰ってくるって事は……エルマーお兄様が帰ってくるわ!」


「……!!」


「エルマー様って、スペンサー殿下の近衛騎士であるエルマー様ですよね!?」


「スペンサーとの公務でミッドナイト王国へ行っていたの。手紙で今日、帰ってくるって言っていたから……マクロネ邸に直帰するんじゃないかしら?」


「………まずいな」


「え!?何がまずいんですか?」


「お兄様は……今のアマリリスを知らないのよ。それに良い意味でも悪い意味でも厳格過ぎるというか……頭が固いから」


「……確かに」


「スペンサーが手紙を見せてくれてれば良いんだけど……」


「で、でも今のアマリリス様なら全然…!」


「そうね。でも今日はアマリリスが邸で働く人達とランチしているのなら………間違いなく鉢合わせるわよね?」


「何か嫌な予感がする」


「わたくしもよ。何もなければいいけど」





そんな話をしている頃………。





アマリリスはララカやフラン達と共に、中庭でお弁当を食べていた。







「ぶぇっくしーーん!!」






「アマリリス様……?」


「失礼……誰かがわたくしの噂でもしているのかしら」


「きっとユリシーズ様達が美味しいって、お弁当を食べて下さっているんじゃないですか?」


「そうだと嬉しいけど……もう少し時間があったら綺麗に盛り付けできたのに。惜しい事をしたわ」


「十分ですよ!でもアマリリス様はどこから料理の知識を?僕達ですら知らない事を知っていますから不思議で……」


「ですよね、俺も気になってました。このタマゴヤキなんて聞いたことない料理だけど、めちゃくちゃ美味しいですよ」


「………それは、えっと」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ