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02 押し付けられたレッテル

冒険者。それは誰もが憧れる職業。

力、知恵、スキル、全てを1つに集約させ、

仲間たちとダンジョンを攻略し、富と名声を手に入れ、さらなる高みへと登り詰める。



しかしその道のりは険しく、勝ちあがるためには切り捨てられる者も出てくる。


―――――――――――――――――

12歳。それは子供を卒業する歳であり、その証拠として生まれつき宿していたスキルが芽生える歳でもある。


毎年、春になると王都から司祭がそれぞれの村にやってきて、12歳の子供たちに祝福を与え、そしてスキルを発芽させる。「聖抜の日」と言われている。


スキルには様々な種類がある。

剣を始めとした刃物全般の経験を早く習得できる<剣聖(ソードマスター)>、一瞬だけ感覚を何倍も鋭敏にできる<見切り(フラッシュタイム)>といった戦闘向きのスキル。


魔力の回復を早める<瞑想(マスエナジー)>、他人に直接魔力を渡すことができる<魔力譲渡(マナチャージ)>のような魔法使い向けのスキル。


はたまたリルナの<迷宮地図>のようなサポーター向けのスキルまで多種多様である。


これらのスキルはダンジョンを攻略する上で必要不可欠であり、いくらあっても足りない。

その上スキルの有無は成長に大きく関わっている。


戦闘向きスキルを持つ者は前線に立つ戦闘職に。

魔法使い向きのスキルを持つ者は後衛の魔法使いや回復師に。

サポーター向きのスキルを持つ者は中・後衛のバトルサポーターや、最前線でのパーティーサポーターになりやすい。


しかし、たまに何の役にも立たないスキルが生まれてくることがある。

これと言って特に必要不可欠というわけでも無く、他のスキルに比べて生産性も劣りやすい。


いわゆる外れスキルというやつがあるのだ。




12歳の私は、とあるSランクパーティーのリーダーを務めていた父に憧れて、冒険者になって父と一緒に戦う事を夢見ていた。


だが聖抜の日、私と同年代の子達が次々と戦闘向きのスキルを発芽させる中、私はそれを引いてしまった。




「カーリー、あなたのスキルは………<共感(シンパシー)>?」




周囲にどよめきが走った。何しろ聞いたことも無いスキルだったからだ。

そして簡単にスキルの説明をしてくれる。


司祭の血を引く者は特別な儀式を行う事で、彼らだけが見える光の板を通じて対象のスキルを完全に把握できるとのことらしい。



「『触れた物の心を読むことができる』………で合っているのでしょうか。すみません、何しろこのようなスキルは私も初めてですので…」



周囲のどよめきが嘲笑へと変わる。

やれ使えないだの、やれ本でも読んでろだの。


そしてしまいには

「外れスキル保有者、『無能』の誕生だ」

とまで言われた。


いくらスキルが人生を左右するといっても、スキル1つでここまで言われなければならない理由は今も昔もわからない。


どれ程強いスキルを持とうと、使いこなせなければ意味はない。逆にスキルが無くても心技体でカバーできる。

そう言ってくれる人は誰もいなかった。





私の故郷ではここ十数年外れスキルが出なかったらしく、この噂は瞬く間に広まった。


更に、唯一私の味方でいてくれた両親も、父さんがダンジョン攻略中に起こった事故で他界した後、母さんも徐々に生気を失い倒れてしまった。


私のスキルに関することでずいぶん迫害を受けていたらしく、そのストレスも大きな原因となっていただろう。




そして独りになった私はすぐに故郷を離れ、現在のこの村、レシェル村で冒険者になった。


期待と不安でいっぱいだった最初も、やがてすぐに絶望へと変わった。

初見の相手が開口一番「無能」。悪い噂はすぐに広まるもので、とうとう別の村にまで広がっていったらしい。


人間性を疑えるほど純粋さを失っていなかった私は、そのうち本当に自分を「無能」だと思い込むようになった。


それでも私は足掻いた。

スキルの特性を理解し、戦闘の不向きさを考慮してパーティーサポーターになろうと必死で努力した。



その努力が実り、「無能」と嗤われることも無くなり、用意される依頼の報酬も良くなってきた頃。

ついに見つけた私の新しい居場所。それが「錆の邂逅」だった。

―――――――――――――――――

読んで下さりありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです!


始まって間もない作品ですが、読者の皆様と一緒に盛り上げていきたいです!


受験生という事もあり非常に忙しいですが、なるべく毎日投稿できるよう頑張ります!



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