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11 ライセンス登録

パーティーとは、冒険者達が組んだ複数人のグループの呼称であり、冒険者ギルドに正式に名前を登録することができる。

また登録せずにその日限りの臨時パーティー等も認められている。


また冒険者と同じくパーティーにもランクが存在し、DからSまでダンジョンの踏破、浄化(掃討)数で評価、格別けされる。


なお冒険者の場合と異なり、パーティーに「色」が付与されることは無い。そのため「色」に憧れた冒険者達が、自分達のパーティーの名前に色を入れることが多く、「錆の邂逅」も元を辿ればここに行きつく。











バルガ村。

冒険者ギルドが設立されている村の中では、2番目に王都から離れている。

そのため集まる依頼や冒険者も比較的難易度が低いものが多く、探険家(シーカー)というより便利屋(フィクサー)と呼んだ方がしっくりくる気がする。


難易度と報酬もマチマチで、農耕の手伝いと言ったものから隣町までの護衛、はたまた近くのゴブリンの巣の殲滅など、凡そ銅貨30から銀貨2くらいが限度である。


(銅貨10000=銀貨100=金貨1。1日の食費は1人あたり銅貨60程度。王都から離れた場所では物価が安く40枚で済む所があったり、逆に王都近郊では銅貨では済まないということもある。)




リーゼ村ほど寂れているという程でも無く、レシェル村ほど活気があるわけでは無いが、人の出入りが多い。



近場にあるダンジョン兼鉱脈の「バルガ鉱山」が大きな理由である。

ダンジョンを攻略しながら副産物として銅・鉄・銀などの換金できる鉱石の他、生産系の魔法使い達に高値で取引されている魔力の塊である魔結晶も低確率ながら採掘できる。


その上ダンジョンのランク自体は低いので、ローリスクハイリターンな初心者の稼ぎ場として有名なのだ。




なお天然資源はダンジョンの拡張と同時に謎の力によって再生成されるので、枯渇することは基本的に無い。ただし金やダイヤ、クロムといったレアメタルと呼ばれる貴金属は生成されず限りがあるので、場所によってはレアメタルの採掘が禁止されている所もある。




そんな中で、人混みを避けるように歩く少女と幼女がいた。




「そう言えばナルダ様の事を人前で何て呼べばいいのでしょうか。この辺りはまだ名が通る以上、そのままナルダ様と呼ぶ訳にも行きませんし…」


「んー? おぬしが決めたものならなんでもよいぞー?」


「そうですね…… じゃぁ、1文字とってナル様なんてどうでしょう?」


「ナル……? なる………… ナル………!!! よし、決まり!!」





私達が話しているのはナルダ様の呼び方についてである。

正しくはナルダ様の肉体の呼び方か。


前回説明した通り、肉体と知能は6歳児相当だが知識は今まで通りのため、多少の魔法の行使が可能である。なので2人でパーティーを組んで冒険者稼業を営むという流れになった。


本当は現場にナルダ様を連れて行きたくないのだが、魂のリンクによりナルダ様の死は私の死と文字通り直結しているので、放っておく訳には行かない。

それに


「やだやだ!!!! 我だって行きたいーーーー!!!!!」


と駄々をこねるので仕方なくというのも理由の1つである。


閑話休題、パーティーの登録にはギルドに正式に登録されたメンバーでなければならず、ナルダ様の場合先にライセンスの取得が必要となる。

そして当然名前を記入する必要があるというわけだ。






「ナル様」は即決され、今後この呼び名で通すことになった。


そしてギルドに到着する。

比較的というかかなり大きめの建物の為、迷う事はまずない。


中はやはり賑わっており、クエストの仲間集めをしている者や、クエストクリアを祝って昼間からエールを飲んでいる者たちもいる。


私が入るやいなや、数人の冒険者達が私に目を付けた。

私のあだ名と髪色はリーゼ村を中心としてここら一帯では悪い意味で有名であり、クエストを出し渋られたことさえある。




「(おい、「無能」が来やがったぞ)」

「(パーティーも追放されて、こっちにお流れってか? あー面白ぇ、愉快愉快!!)」

「(おまけにガキまで連れてきてやがる、とうとう頭イっちゃったか?)」


「「「ハハハハハハハハッ!!!!!」」」



ああ、うっとおしい。

早く済ませてこんなところ出て行きたいのに。



早足で空いている受付まで行って、挨拶する。



「今日はどういったご用件で?」



何百回何千回と繰り返してきたであろうフレーズを放つ受付さん。

私相手でも営業スマイルを絶やさないのはプロの成せる技であろう。



「ナルd……連れの冒険者登録をお願いしたいんですけど……」



ナルダ様を抱え、持ち上げる。

テーブルよりも小さい為向こう側からでは見えないからだ。



「……………そちらの方でよろしいでしょうか?」

「………お、お願いします…………」


若干、いやかなり引いている受付さん。

そりゃぁ、普通いくら若くてもスキルが目覚める12歳が限度であったため、6歳児を死地に立たせる鬼畜はまずいないだろう。


もしかしたら条件に「満12歳以上」と書かれるかもしれない。




初手の印象最悪で仕事を採れるかはさておき、もう1つ問題がある。


冒険者の登録、つまり正式な資格を持つには、最低限の肉体的・魔法的・知識的評価点の総合が水準を満たしている必要がある。

当然ながら冒険者は命にかかわる仕事なので、実力の無い者に易々と資格を与えて死なれるわけには行かない。


肉体的、つまり体力面では身体テストで評価。

魔法的、つまり魔法面では魔法の実践で評価。

知識的、つまり知識面では総合的な筆記試験で評価。


知識はともかく、体力と魔力は年相応なのだ。

正直資格を取れるかどうかが心配だった。



だが、それは余計な心配だったらしい。


「最大100点評価で体力は13点、魔法系統は56点、知識量は……100点!?


総合300点中169点…………合計120点を越えているので、ご、合格です………」


至極当然の反応。そりゃそうか。中身数百歳のご老人だし。

ドン引き受付さん。本日二度目である。

なお私は30代-30代-50代でギリギリ合格した。

「ナル様」と聞いて「ニャル(ニャルラトホテプ)様」を思い浮かべた人は私だけではないはず。

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