0007 ご令嬢、母と兄とお茶会を楽しむ
ちょっと文章短めにしてみました。
ゴンをおいて、キッチンへ向かったミリアはキースとシルヴィと一緒に今日のお茶会の準備をして、食器も渡して準備万端である。
お茶まで少し時間があるので先に庭へ出て本を読んでいることにした。ちなみにウィルにも声をかけたので今日は3人でお茶会である。
魔道具について気になったミリアは一昨日から読んでいるフェアリの簡単魔道具クッキングの第二巻を持ってきた。妙にハマってしまうシリーズなのだ。
(このタイトル、お料理本にしか見えないよね。内容もお料理するノリで一緒に魔道具の作り方について説明してあるし、簡潔でとてもわかりやすいのだけれど。これお料理も魔道具も作れるようになる最短最強の本!?)
なんだかんだと考えながら読んでいると、ローズとウィルがやってきた。
「ママ、ウィルお兄様、お待ちしてました。色々楽しみに準備したので期待してくださいね?」
ミリアが笑顔で2人を迎えれば、ふたりともとてもごきけのようである。
席に着いた2人はミリアを挟むようにして座るのであった。
席に座ってから、キースが食器やお菓子の準備をしてゆく。
「ミリアちゃん、このお皿のモチーフは薔薇かしら?とても素敵ね。」
「気に入ってもらえて嬉しいです。」
「昨日から新しく作ったのかい?ミリアはすごいね。どれもとても綺麗によくできている。」
2人ともミリアをべた褒めである。
「ふふ、ありがとうございます。せっかくなのでママとお茶がしたくて新しく準備しました。紅茶もウィルお兄様と最近は毎日お茶をしていたので、お菓子にあうように新しいのを取り寄せてもらったんですよ?軽食もシルヴィと一緒に色々試したりしたのです。」
「「ミリア(ちゃん)まじで天使」」
しあわせな笑顔でミリアを愛でるのであった。
ミリアはその笑顔をみながら、
(お兄様って笑った顔がお母様にそっくりなのね)
と、なんだかズレたことを考えているのであった。
お茶会は和やかに進み、準備されたお菓子や軽食も褒められて、お茶もなかなか美味しいもので、満足そうである。
今度ローズの女子会でもこれらの軽食を出したいとのことだった。
領地内の女性たちを屋敷に招いて定期的に情報交換や話を直接聞いているのである。
「そういえばミリアちゃん、昨日の夕食でウィルには伝えたのだけれど来週にはオリバーがこちらに帰ってくる予定よ。お祖父様のところでしっかりしごかれ、、訓練してもらってきて、今は帰途だって昨日連絡があったの。」
「オリバーお兄様も戻って来られるのですね。久しぶりに会えるのでとても楽しみです。」
お祖父様とはローズの父で隠居したモートン侯爵家の前当主ハンネスのことである。
根っからの武人で、王家騎士団の一団を率いていたこともある。今は顧問として領内の若者の育成に力を注いでいる。
モートン侯爵領は現在ローズの弟ダミアンが継いでいる。ダミアンはどちらかと言えば文官よりなので、領内のバランスはうまくとれているようだ。
「オリバーは1ヶ月前にミリアが目を覚ましてすぐに出発したからね。帰ってきたら色々と驚くだろうな。」
ウィルはニヤニヤとそんなことを言っているのであった。
「ニヤついているウィルは放っておいて。そう言えばミリアちゃん、さっきはどんな本を読んでいたの?」
「ママ、これです。」
そう言ってさっき読んでいた本を渡せば、ローズはとても不思議そうな顔をした。
「ミリアちゃんこの本の内容わかるの?この本、ほとんどお料理について書かれているでしょ?」
ローズの認識もこの本は料理本にくくられるらしい。
「そうなのですけれど、魔道具の作り方についても書いてあります。これを見ながら昨日の魔道具は作りました。」
「え、ミリアその本に書いてある方法で魔道具が作れたのか?すごいな、、、魔道具についての記載個所ってたしか魔石適量とか、魔力適量とかなんか初心者にはまったくもって優しくない書き方だったと思うぞ、、、、たしか出だしが、『まずは魔石を用意して魔力を適量込めて粉にしましょう』って始まったような、、、」
「ええ、さすがお兄様、出だしまで覚えているのですね。1巻の始まりはそうです。適量って書いてあるので、色々調整しながらやってみました。なんとか昨日は失敗せずにできて安心しました。ふふ。」
「そうだったのか、、、あれで、、、」
「ミリアちゃんさすがね。」
直接製作をみていたウィルと、魔道具が作れたことしか知らないローズでは反応がとても異なるのであった。
ウィルは魔法や魔道具について学んでいるのでミリアが行ったのがどれだけの高等技術か理解しているのであるが、ローズは魔法は使えるが主に攻撃魔法ばかりで、実は武人なのである。とてつもなく強いが、魔道具に関してはからきし、、、なのであった。
ミリアの魔力コントロールの訓練が生まれたときからずっと行われていた結果、気がつかないうちに魔力量においてもコントロールにおいても、他者と比べてもかなりの技術で使えるようになっているのだが、そこに誰も気がつかないのであった。
(ウィルお兄様もこの本読んだのね、やっぱりわかりやすいものね。)
とミリアは相変わらず変な方向に思考がむいているのであった。
きっとミリアの天然はローズからきているのでしょう。
ウィルは案外苦労性かもしれません。
オリバーもそろそろ出してあげたいです。
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