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0030.5 花売りの少女(閑話)

寒くなりましたね、、久しぶりの更新です。

本編にはあんまり関係ないのですが、「花売りの少女」説明回です。

読み飛ばしてもたぶん問題ないです。

ルイはあの一方的な電話をミリアに切られたあと届いた大量の計画書と一緒に入っていた手紙を読んでいる。そこにはあのVRMMOで噂レベルでしか確認されなかったはずのクエストの導入ストーリーが書かれたいた。



===

昔あるところに、特別な花売りの少女がおりました。

子どものいかなった宿屋の夫婦に拾われて、大切に育てられました。


少女は遊びに行くと言ってでかければ、帰って来るときにはたいてい不思議に輝く花を持っていました。それを宿に泊まりにくる旅人や商人に時々売っていました。


そして14歳になったある日、少女はいつものように特別な花畑に向かうとそこで知らない老人に声をかけられました。聞くと、老人は魔法使いだというのです。そしてその花売りの少女のことを探していたと。


老人は少女に優しく尋ねます。

一緒に魔法の国へ帰るか、それとも今の暮らしのままここで過ごすのか。

少女は悩みました。

すると老人はもし一緒に帰るならば、この花にそう願うのだと言って可憐な白い花を少女に渡して、どこかへ消えてしまいました。

少女は一晩中考えてこのままここに残ることにしました。

宿屋の夫婦のことが大好きだったからです。

彼女は日常に戻り、また宿屋を手伝ったり花を売ったりして過ごしました。

もらった花はいつの間にか消えていました。


今日も宿屋に旅人がやってきました。彼らはみな口々に王子様の話をします。

自分の妃にする娘を探すために国中を回っているのだと。そしてそのてもうすぐ隣町にまでくるだろうと。王子は金髪でとてもキラキラと輝いているとか。


少女は王子を一目みたくなりました。

いつもの摘んできた花に願います。どうか王子様がこの町にもきてくれますように。

すると数日後本当に王子様がこの町にやってくることになりました。


きっと王子さまのことを見れるだろうと思った途端、今度は王子さまと話したくなりました。

この宿に泊まってくれれば少しくらいは話しができるかもしれません。

少女はまた花に願います。王子様がこの宿屋に泊まってくれますように。

すると、この町へやってきた王子はなぜかどの宿にも泊まることができず、少女のいる宿屋に泊まることになりました。


初めて王子さまにあった日、少女は王子様がキラキラと輝いているように見えて驚いてしまいました。そんな少女にも王子様はニコニコと話しかけてくれました。

少女はとても嬉しくなってその夜なかなか眠ることができません。

もっとお話ししたい。そうだ、王子様と一緒に王宮へ帰ることができないかしら。

少女は今日王子様が普段住んでいるのは王都にある王宮だと聞いていました。

大きな建物でたくさんの人が働いているし、住んでいると言っていたので、きっと少女が住む部屋くらいあるだろうと思ったのです。

少女は花に願います。どうか、王子様と一緒に王宮に行けますように。


翌日早くに宿屋の夫婦が慌てて少女の部屋へやってきます。何かと聞けば、王子様が少女を王宮へ連れて帰るというのです。宿屋の夫婦は、とても喜んで送り出してくれました。

王都へは初めてのったキラキラした馬車で数日かかります。その間ずっと王子様といろいろなお話をしてすごしました。王都までの道、馬車が止まるたびに少女は忘れずに花を摘みにいきました。


王都につく前日、王子さまは明日は王宮についたら少女を王様と王妃様に会わせてくれると言います。これはその前の日に少女が眠る前に花に願ったからでした。

嬉しくなった少女は今日も眠る前に花に願います。王子様のお妃になれますようにと。


そして翌日王宮へ着いた少女は王様と王妃様に会って大変喜ばれ、王子様と結婚して末永く暮らしましたとさ。


===


そしてクエストはここから始まるのである。

古の魔女に今なお乗っ取られた国を取り返してほしいと。


読み終えたルイは少し驚いたと同時に納得していた。ミリアはこの話を知っている元プレイヤーの誰かが花売りの少女を演じているのだろうと思っているのだ。


クエストはこの古の魔女の使う魔法を封印することで、若い少女の姿をしていた魔女は老いてチリとなって消えるが、失敗するとそのまま魔女が王国を荒地に変えてしまい、その後行くえがわからなくなるというもの。しかも失敗すると後処理のクエストも発生すると手紙には書かれていた。


もし花売りの少女を演じている何者かが、()()を叶える術をもっているのであれば、それが悪意あってこの王国を乗っ取ろうとする野心家なのか見極めなければならない。しかもすでにあのバカ王子にとりいって王宮で暮らしているくらいだ。たいていの事ならどうにでもできるのだろう。


ミリアの作戦はこの現在の状況に沿った形でパーティーを開きそこに彼女がいて当然の状況で彼女を呼び出すこと。まだこの花売りの少女の目的が分からないうちは敵か味方かすらもわからない。たしかにクエストのストーリーでは最後に王国を乗っ取っているものの、それがなぜそうなってしまったのか何一つ語られていないのだから。それに乗っ取られた王国は別に不幸であったわけではない。少なくともクエストが始まるまで国に暮らす人々は変わらず平和に暮らしていたのだから。


ルイは結局ミリアの案を進めるために準備に奔走し、時々届くミリアからの新しい魔導具を試しつつも、あっと言う間にパーティーの当日となった。


と言うことで、やっと次回花売りの少女が登場するかと思います。

ここまで長かった。

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