0029 ご令嬢、屋敷にひきこもる
久しぶりの投稿です。
ミリアは伯爵領の屋敷に戻ってからほんとんどを読書してすごしていた。引きこもり生活である。
さて、今日はイザベラ商会が訪ねてくることになっている。
本当は王都にいる間にまた新しいレシピなどの販売打ち合わせを行う予定であったが、ミリアたちが急遽予定を変更したので、こちらに寄ってもらうこととなったのだ。
「ミリアお嬢様、旦那様がお呼びです。イザベラ商会がいらっしゃいました。応接室の方へいらしてください。」
キースから小型改良型魔道具テルくん改から音声メッセージが届いた。
相変わらずの、、、素晴らしいネーミングセンスである。もちろんミリアの命名だ。
応接室へ向かうとすでにマルクとリヒトはいくらか商談を終えたあとのようであった。
簡単にマルクと挨拶を済ませたミリアはそのままリヒトの隣の席に座ると、キースが飲み物の用意を持ってきた。
「ミリアが来てさっそくだけれど、王都の噂について教えてもらえないか」
リヒトがミリアをよんだのは王子についての王都からの噂をマルクから聞くためであったのである。
「そうですね、ご存知の通り、クリストフ王子殿下は、あの夜会の翌朝すぐにミリア様を追いかけて馬車を走らせたそうです。まあ追いつけるわけもなく途中で王都へと折り返しました。その途中で美しい平民の花売りの少女を助けて、王子殿下自ら宮殿へ連れ帰ったそうです。その後はその少女につきっきりだとか。」
「その花売りの少女についての素性は?」
「それがごく普通の少女なんです。両親も健在、小さな宿屋を営んでいるようです。花売りをやっているのは、娘が特殊な花を見つけるのが得意なようで、それを時折売っているとか。ただその娘があまりにも王子殿下の好みの容姿らしく、、、」
「なるほど。そこまで調べてもらって助かったよマルク、ありがとう。」
「いえいえ、この程度のことであれば。」
その後いくらか話を聞いて、自室へと戻ったミリアは考え込む。
(どうにもその花売りの少女がわざとらしいと言うか、話ができすぎている。
が、娘の出自に突出した点はないとすると、、、こうゆうときは直接会いに行くのが一番ね。
王都に行くことになるなら、ルイに連絡しておこうかな)
なにやらミリアの悪巧みが始まるようです、、、、、




