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0027 ご令嬢、王子に気に入られる

踊っていた人びとや話ていた人びとが急に静かになった。王族が登場したようだ。

階段になっているところからホールよりも少し高いステージのような場所に椅子がある。そこにみんなが注目している。

ミリアのいるところからは少し離れているが、目薬のお陰でなかなかよく見える。

爵位の高い家から順番に挨拶をしているようだ。

(王座になってるのね)


爵位の低いものたちは少しでも目に留まろうと、挨拶の順番ではないのにステージの周りに集まっているものたちもいる。

そして今日のパーティーにやたらと子供が多いと思っていたら、王子と王女がいるようで、子供たちを王族に覚えてもらうためらしい。


色々と観察していると、ウィリアムに声をかけられた。

「そろそろ僕たちも挨拶にいかなきゃいけないよ。」

「わかりましたわ。」


先にルイはエルメリたちと挨拶に向かったので、ルイのとんでもなく外面のいい貼りつけた笑顔で挨拶している様子を遠目にみていたミリアは少し笑いそうになりながらもウィルと一緒に家族のもとへとむかった。


「いいかいミリア、真剣に挨拶するように。」

「はい、お父様、真顔でいればいいのですね。」

周りでローズもウィルもオリバーも大きくそれに頷いている。

(真面目に挨拶だなんて、どうしたのかしら。)

リヒトが妙なことをミリアに言うが、大人しくそれに従うことにする。


王族との挨拶の順番が回ってきた。

リヒトが王国の繁栄を願うような内容の定形の挨拶をしている。

(なんだ意外とあっさりと終わるのね)


そしてすぐに順番を次の貴族と変わった。

挨拶が終わるとリヒトはオリバーとウィルに

「プランCだ」

「「了解」」

そう言ってローズとまた大人たちの方へ戻っていった。


「ミリア、絶対に僕たちのどちらかと離れるんじゃないぞ。」

「どうしたのですか、お兄様?」

ウィルが珍しくとても真剣な声音で言うので、ミリアも驚いている。

「王子がどうもミリアのことを気に入ったみいだ。」

オリバーがそう説明する。


どうもあの短い時間でミリアが王子に気に入られたということらしい。

王子は気に入った相手がいた場合側近に合図を送るようになっているらしく、その合図をリヒトが読み取ったらしいのだ。


「このあと、王子の派閥の連中とかが色々よってきたり、もしかすると王子も降りてくるかもしれないから絶対に気をつけるんだぞ。」


ウィルはいたって真剣である。

(なるほど、王子は面食いなのね)

自分の顔だけはいいのは鏡をみて知っているので、わからなくはないと、ひとごとのように思うミリア。


「ではお兄様たちが守ってくださいね。」

そう言ってミリアが兄たちに笑顔を向けると周りにいた給仕の女性ですら赤面する始末。


「ミリア、そうやって君は無自覚に人を。」

その様子をみて呆れたような声をかけてきたのはいつのまにかそばにいたルイである。


「あら、ルイまでそんなこと言うのね。明日は氷でも降りそうね。」

「御所望とあらば今からでも降らせるよ全く。」

「仕方ない、今日はミリアを守ることが優先、君とは休戦だ。」


そういってルイとウィルは納得している。

オリバーはといえばすでにルイがきたときに一緒に引き連れていた御令嬢たちに囲まれてしまっている。


(オリバーお兄様、頑張って)

心のなかでそうエールを送るミリアであった。


そしてパーティーもそろそろ終盤、まもなく帰れるとなったころに。

「やあかわい子ちゃん、探したよ。」

王子がやってきた。


「ごきげんよう王子」

ウィルがすかさず挨拶すれば、

「ウィリアム、クリストフ王子はお前ではなくお前の妹に声をかけられたのだ。」

そう偉そうに言ってくるのは側近然としているリッチモンド公爵家の次男アルトである。


(ふうん、なるほどなるほど。)

パーティー会場にいる間、ウィルとルイに誰がどこの貴族なのか教えてもらっていたのだ。

なんだか不穏な空気を感じ取ったのでとりあえず挨拶だけかえしておこうと思い、ミリアが王子に挨拶する。

「失礼いたしました。ミリアです。」


「ミリア嬢、単刀直入に言うよ。僕の婚約者にしてあげよう。」


(なんだこのお馬鹿さん)

と微笑ましい気持ちでミリアは王子のことを見ている。


「王子そんなこ「王子はロリコンなのですか?」

ウィルが何か口を挟もうとした瞬間に真顔のルイが後から被せてきた。


(王子13歳なのに、、、ああ、だめだお腹いたい)

ミリアは腹筋が崩壊しそうになるのを我慢しながら涙目で震えていると、なんだかざわざわと周りでし始めた。


「ああ、ミリアがこんなに怯えてしまっている。大丈夫かい?」

ルイがわざとらしく声をかけてくる。

「い、いえ、少しあの、、」


震え声で笑いそうなのがバレないようになんとかミリアが返答する。

「今日デビュタントを迎えた幼い妹では、先ほどの申し出に怯えてしまっているので失礼させていただく。」


そう言うと、アルトやそのほかの側近たちがガヤガヤ言っているのを無視して、

ウィルとルイがガードするようにミリアを出口の方で待つ家族の元へと連れていくのであった。


「ウィル兄様、ありがとうございました。でも先ほどのあの態度で大丈夫なのですか。」

「問題ないよ。どうせあちらも非公式だからね、その場のこととして、なかったことにするのが一番だよ。」


「ミリア、俺にも感謝があっていいと思うのだけれど。」

「ええ、おかげで足が震えたわ。ありがとうルイ。」

「どういたしまして」


ルイのおかげで怯えたか弱い女の子を演出することができたので、なんとか切り抜けられた。

ルイには感謝である。


そして馬車に乗って家族たちと先ほどの出来事を話した。

「ルイの機転には感謝だね。ルイの言ったことの意味するところがわからないけれど、切り抜けられてよかった。それにしても動きが早かったね。これは今晩にでも出発したほうがいいかもしれない。」


「ええ、私もそう思うわ。念のため帰ったら出発できるように準備は頼んであったけれど。まさか本当に婚約者にしようと言ってくるなんて。」


リヒトとローズはもしものために、最悪、王子がミリアと婚約を望んだ場合はすぐに出発できるように準備しておいたらしい。

(どこまで一体想定されていたのか、とても気になる。)


クリストフ王子はどうも気に入った相手全員に婚約者にするようなことをすぐに言っているらしい。

王子がそれでいいのかと思うのであるが、この国では一夫多妻が許されているので、それでいいらしい。

ただ、王族との婚約に関しては、古いしきたりがあるらしく、直接婚約したいことを告げなければ、親同士の約束などは使えないらしい。そういう意味でもパーティでは女の子たちがわきゃわきゃとしていたようだ。


婚約させないようにするためには、ミリアに王子を会わせなければいいので、家族の回答がずばり、王都から離れることにしたのである。


(私ってすごく家族に守られているのね。)

あたたかい気持ちになったミリアが笑顔になると、


「「「「ミリア(ちゃん)、まじ天使」」」」

といつものようになるのであった。


アルト「王子、だから言ったではないですか。公式に婚約する方向で準備した方がいいと。」

クリストフ「そうだね、仕方ない。明日準備して持っていくよ。ああ、僕のミリアたん待ってて。」

側近たち((((転職しようかな。。。))))


=======

小説を読んでいただきありがとうございます!

新米作者ですが、続きが気になる、面白いなど

気に入っていただけたら下の☆☆☆☆☆から評価、

コメント、ブクマなどなどよろしくお願いします!

豆腐メンタルなので、優しくあつかってください。

よろしくおねがいします!

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