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0022 ご令嬢、王都へ出発する

お久しぶりです。やっと少しおちついたので投稿!

伯爵領の冬は王都へ向かう準備で慌ただしくすぎていった。

季節は雪解け、もう直ぐ春になる。


伯爵家の者たちは、王都出発準備の最終確認をすすめていた。

最初はミリアとリヒトとローズだけが王都へ向かう予定だったが、ウィルとオリバーの熱意にみちた説得(ミリアを他家の子息から守る壁としての任務)に折れたため、家族総出での王都出発となった。最低限の社交しかしてこなかったフェルデンツ家にとっては初めてのことである。


さて、そんなこんなで準備を進めている間にミリアはこの冬の間に大量に集まったスノースライムを粉末にしたもので実験をしていた。

ラボの自分の部屋も冬の間にかなりカスタマイズされている。


今研究しているのは魔物の素材から作る糸に関してどうも、使う魔石の質によって糸の出来上がりに差がでてくることなのである。

最初は魔力量の差なのかとも思っていろいろ実験したのだが、そもそも弱小な魔物から取れる魔石にはあまり魔力を加えることができないようなのだ。これはこれで面白い発見だと思いこの件についてはルイにも連絡したところ、王都で魔物と魔石の研究を専門にしている研究者を紹介してもらえることになった。

ある程度の基礎研究がされているのであればその情報を元に考えた方がミリアとしても他の研究に手が回るのである。


一旦の解決策としてミリアは複数の魔物の魔石の粉を混ぜることで糸の出来上がりを安定させようとしているのだ。そのための割合を探っているところである。


ラボでゴソゴソと作業をしていたら、部屋に置いている3Dプリンターのマルに呼ばれた。


「ミリア、ヨバレテル」

「ありがとうマル。」

マルはゴンと繋がっているので、ゴンと通信できるのだ。

しかし何故だかカタコトを好んで話す。


そしてルシフェルの部屋には3Dプリンターのカクがおいてある。念願の専用である。


とりあえずやっていたことから手を離して部屋に戻る。


「お嬢はん、ウィルさんが呼んでたで。」

「ありがとうゴン。助かったわ。」


テルくんを渡しているものの、ウィルはどうもミリアの部屋に呼びにくるのがいいらしい。


部屋のドアを開けてウィルを迎え入れる。

「ウィルお兄様、どうぞ。」

「ありがとうミリア」


満面の笑みでウィルが部屋へ入ってきた。

お茶の用意もあるようだ。


「ミリア、体調は大丈夫?王都まで結構な長旅になるだろうけれど。」

「ありがとうございますお兄様。馬車も改良したので少しは乗り心地が改善していると思うのです。」

「うん、ミリアの改良したんだからきっとすごいんだろうな。明日とても楽しみにしているよ。」

「ふふふ、そうしてください。そういえばお兄様、この辺りの魔物で一番とれるのってなんですか?」

「うーん、個体数でいえばやっぱりスライムじゃないかな。あいつらは分裂も多いしね。そのほかにはゴブリンとかオークとかコボルトなんかも討伐しなければすぐに増えると思うよ。」


そんな話をしながらウィルとお茶をしてすごした。

その晩ベッドでミリアは自分が少し緊張していることに気がついた。


(寝れない、、、)


まだ早い時間であるし、少しおきあがってみると、ルシフェルに声をかけられた。

「眠れないのか?」

「そうなの。なんだか緊張してるみたいで」

「ふむ、王都というのはどういうところなのだ」

「人が多くて、多分陰謀うずまく場所?」

「くくく、なんだ、人が多いところにいくのに緊張しているのか。お主でも緊張することがあるのだな。」

「多分、そうゆうことなんだと思う。」


ミリアの声は少し元気がない。


「仕方がないな、では我がいいものを見せてやろう。」

そういうとルシフェルが猫の姿から人の姿に戻った。


「ミリアは飛べるのか?」

「飛んだことはないけれど、飛べると思う。」

そもそも飛行魔法を使おうと思っていたら、空には魔物が多いからそれなら魔物と契約して本当は空飛ぶ騎獣と契約するつもりが、調べているうちに脱線してルシフェルを呼び出したのである。

そしてルシフェルがいれば空も怖くないだろうと思っていたが、研究にどっぷりハマっていたミリアはすっかり飛行魔法のことを忘れていたのであった。


「では行くとするか。」


そういうと、ルシフェルがしゅっと指を向けた窓がコトリと開いた。

そしてミリアの手を引いてそのままルシフェルとミリアは窓から外へ飛んでいく。


「うわあ、すごい、、、」

「くくく、初めて空を飛ぶにしてはかなり落ち着いているようで安心した。」

最初はゆっくりと上昇していた2人だが、ミリアが慣れてきたので少しスピードを上げて今は上昇している。そしてある程度の高度まできたところで少しホバリングして留まっているのだ。


「飛ぶのにも慣れてきたようだし、では目的地まで行くぞ。ここからは少し飛ばすからな。しっかり掴まれ。行くぞ」

そういうとルシフェルはミリアを抱き抱えて猛スピードで飛び出した。


最初はそのスピードに驚いていたミリアであるが、全然風が強くないことに気がつくと、なんだか飛行機に乗っているような気持ちになってきて、周りを見渡す余裕もでてきた。

空はまだ夜の始まりの色である。


しばらく飛んでいるとルシフェルが速度を落として降下した。

ミリアを地面に下ろしてくれる。


「どうだ、こちらではまだ海をみたことはなかっただろう?」

「とても、綺麗、、、」


雲一つない空から出てきたばかりの二つの月明かりに照らされる海は、光が反射してとても綺麗に見えた。


ゆったりと揺れる波を見つめながらミリアは心が落ち着くのを感じた。

「気に入ったようだな。」

「ええ、とても。ありがとうルシフェル。」


そうしてぼんやりしていると少し眠たくなってきた。

「大丈夫だ、そのまま眠るといい。」


そうルシフェルの声が聞こえたあと、ルシフェルの腕のなかで毛布に包まれて眠った。


翌朝スッキリして目が覚めると部屋のベッドに寝ていた。

ルシフェルは猫の姿で窓ぎわのお気に入りの場所で寝ているようだ。


(スッキリ眠れたし、今日からの長旅もなんとかなりそうね。)


その後最終確認をしていざ王都へ出発である。

「「「お気をつけて、いってらっしゃいませ」」」


使用人たちに見送られてフェルデンツ一家を乗せた馬車はゆっくりと王都へ向けて出発したのであった。



「ルシフェルはん、くすぐっったいですって。」

「ほらほら、これでどうだー」

「2人ともなにやってんの?」

猫姿のルシフェルがゴンを前足で撫でているなんとも奇妙なやりとりを目の当たりにしたミリアであった。

=======

小説を読んでいただきありがとうございます!

新米作者ですが、続きが気になる、面白いなど

気に入っていただけたら下の☆☆☆☆☆から評価、

コメント、ブクマなどなどよろしくお願いします!


豆腐メンタルなので、絹ごしのごとく優しくあつかっていただけると嬉しいです。

明日の更新モチベーションです。

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