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0009 ご令嬢、次兄を尊敬する

つまるところ、タイトルに集約されます。

みんなでリビングへ移動してきた。

キースがさっそくお茶の準備をしている。


「オリバーあらためておかえりなさい。それで、帰ってきてそうそう申し訳ないのだけど、まずは帰り遭遇した魔物について教えてくれるかしら。」

まず切り出したのはローズであった。領内の安全のために、魔物の情報から対策をとるようだ。


「はい、母上、もちろんです。まず連絡したとおり、ビッグウルフが20匹程度の群れででてきました。街道沿いには通常でないような数だと思います。」

「それが報告にあったBランク程度の魔物かしら?たしかにそれだけの数だとBランク相当ね。」

「そうです。それでビッグウルフの群れをなんとか討伐して、念のため周辺の森林の調査を行いました。すると少し奥へ入ったところにトロールの集落ができていました。こちらもBランク相当かと思います。多分そこを追われたビッグウルフの群れが街道へでていたのかと。それ以外に脅威となり得る魔物はその周辺にいなかったので、トロールも数は多かったですが、氷魔法を使えたのでこちらも殲滅してきました。」


「お祖父様に鍛えてもらうためでもあったけれど、戦える人員をつけていてよかったわ。オリバーが無事でなによりよ。しかしトロールの集落ねえ、ちょっと調査に行った方がいいかもしれないわね。そもそもそんなところに集落ができるほどトロールが集まるなんて、念のため確認はした方がよさそうね。あとで地図で場所を確認しましょう。悪いけれど、私はダリオンたちと調査隊の編成の話をしたいので一度席を外すわね。」


「お母様、その前にこの手紙だけ確認してください。お祖父様はおれの誕生日パーティにいらっしゃるそうです。」

「まあ!本当に?それなら安心かもしれないわね。ふふふ。」

「お義父さんがこっちへ来るなら少し安心だね。」

「ええ。よかったわ。一応調査隊は送るつもりだけれど、殲滅自体はお祖父様の方にまかせておけばいいから。まあこちらからも人員は出してついでに鍛えてもらえばいいわ。」

少し緊張感のあったリビングの空気が祖父がこちらの領へくることがわかって弛緩した。


両親が手紙を確認している間、ミリアはオリバーに尋ねた。

「オリバーお兄さまも魔物と戦ったのですか?」

「そうだよ。それなりにお祖父様に稽古をつけてもらっているからね。」

「オリバーは昔からお祖父様に直接教えてもらっているから、とても強いんだよ。」

「そうなのですね!オリバーお兄さま強いんですね!かっこいいです。」

「か、かっこいい、、、そうか、かっこいい、、、」


ミリアがオリバーを褒めるとオリバーは嬉しそうにかっこいい、、と何度も呟いていた。

外からみるとかなり危ない。

そんなオリバーにウィルはまたもやニヤニヤしているのであった。


そうこうしていると両親は手紙を読み終わったようだ。


「うん、お祖父様がいらっしゃるから大丈夫ね。多分もう向かっているんじゃないかしら。タイミング的にも明日調査隊を送れば合流できそうね。ひとまず安心できたわ。一度調査隊の編成だけ確認して明日出立できるように調整してくるわね。オリバー、また夕食のときに話をきかせてね。」

「はい、母上、のちほど。」


「ローズすまないが、頼んだよ。」

「ええ、もちろんよあなた。ミリアもウィルもまた夕食のときにね。」

そう言ってローズは調査隊編成のために出て行った。


「オリバー、そう言えばお腹はすいてないかい?少し軽食でも食べながら話を聞かせておくれ。」

リヒトがそう言ったので、みんなで少しつまみながらワイワイと話はじめた。


「これ、なんの料理だ?うまい。」

「それはサンドイッチで、ミリアが考えたんだよ。オリバーも気に入ったみたいだね。」

「お兄様に気に入っていただけて嬉しいです。」


そうミリアがにっこり笑って言えばオリバーは出されていた軽食に対して食べるスピードを上げるのであった。

「おいそれ、僕のでしょう。」

「兄貴は俺がいない間いつも食べていたんだろう?ちょっとぐらいわけろ。」


ウィルの前にあったサンドイッチにも手をのばすオリバーに、

(この歳の男の子ってよく食べ始めるのよね。かわいい。)

完全に年下の男の子を見る目になって微笑ましい気持ちになるのであった。


「オリバーそう言えば少しまた大きくなったみたいだね?明日仕立て屋を呼んであるから採寸して新しい服を作ってもらわないとな。とりあえず今度の誕生日パーティーに間に合うように。」

「わかりました。」

オリバーの少し嫌そうな返事であった。


「それで、お兄様、お祖父様のところではどんな訓練をしていたのですか?」

「だいたい1日中外で実践だよ。実践にまさる訓練はないからね。」

「それも魔物とですか?」

「そうだな、召喚して魔物と戦うこともあったし、森に狩りにいくこともあったし、お祖父様やモートン侯爵家の兵士と組み手や模擬戦をすることもあったり色々な経験をしたよ。」

「なかなかハードな訓練だったみたいだね。」

オリバーがしていた訓練の内容を聞いてウィルは少しひいた様子で話をきいているようであった。


「それくらいやってもお祖父様には全然敵わなかったけれどな」

「お義父さんの強さは別格だからねえ。」

「お祖父様はそんなにお強いのですね。」

「ミリアはまだ直接お会いしたことがないからな。お祖父様はとても大きくて強い方だよ。」

尊敬の念を込めてハンネスの説明をするオリバーの表情はとても年相応の少年の表情なのであった。


(オリバー兄様がデレた。オリバー兄様って堅そうな表情をしているけれど実は結構やんちゃだし、少年の頑固さみたいなところがあって可愛いのよね。)


そんなことを考えながらミリアはニコニコとオリバーの話を聞いているのであった。


オリバーの愛称はノリーです。

ウィルの本名?はウィリアムです。

そう言えばきちんとみんな自己紹介していなかったですね。


ちなみにローズの剣の腕はリヒトよりも強いです。

おっとりしているので普段はそんなことおくびにもだしませんが。

そしてオリバーの尊敬するお祖父様はどんだけ強いんだって話ですね。

=======

小説を読んでいただきありがとうございます!

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豆腐メンタルなので、絹ごしのごとく優しくあつかっていただけると嬉しいです。


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