プロローグ
「うわあああああくるなああああああああ」
「こっちにきたぞおおおおお」
「撤退、撤退だああああ」
どこもかしこも屈強な装備のプレイヤーから悲鳴があがっているここは第七惑星、工業市街地フィールド。いつもにまして激しい銃声と爆発音の中、プレイヤーたちは大混戦の泥沼となっていた。
ここは2xxx年、自由度の高いとあるVRMMO世界の第七惑星と呼ばれる惑星。1900年代初頭の地球を模して作られている。
本来ならばオイル臭いこのフィールドでは建物の地の利を使ってプレイヤー間で戦っているはずであるが、突如現れた無数の攻撃型ロボットによって誰彼関係なくプレイヤーが蹂躙されているような状況だ。建物に隠れていたプレイヤーたちも関係なく攻撃を受けている。一言で言えばカオスである。
特にルールなどないこの惑星フィールドで、いるはずのないハイスペックロボたちはあるプレイヤーによって『試運転』の名のもとここにつれてこられたわけだが、元凶たるプレイヤーはのほほんとお茶を飲みながらその状況をフィールドの地下工房に設置されたモニターでロボットに搭載されたカメラごしに観察している。
「うーむ、ロボちゃんたちのスペックはなかなか。いいデータがとれるわ。」
椅子に座り、長い黒髪を無造作に束ねたスタイルの彼女はこのゲームのランカーのうち、そのトップファイブに入る悪名高い変人のメカニカル生産職のプレイヤー。
「リンは相変わらず容赦ない」
話かけてきたのは同じくトップファイブランカーの魔法使い。マシュ。色素の薄い茶髪にうさ耳つきの見た目は可愛らしい少年である。
「依頼だったしね、いいのよ。マシュもきたことだしそろそろミサイルでも打ち込んで」
「いやそれは過剰戦力もいいとこだろ。」
「デー、、、ちゃっちゃと依頼を片付けるためよ」
「データがとりたいって本音が丸聞こえだよまったく」
と言ってミサイルの準備とロボットたちを撤収させようとコマンドを操作していると、急に頭痛が。意識しかないハズの世界でなんだか身体も怠い。立ち上がろうとしたが、うまく力が入らずに倒れこんでしまう。
(あれ、なんだろ、朦朧としてきた、、、、)
「大丈夫か!リン!リン!」
遠くでマシュが名前を呼ぶ声が聞こえる。
そこでリンの意識はぷつりと切れた。
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