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燃えないゴミ(千鶴)

作者: 狼花

 「お母さん。サランラップの芯切ろうとしたらハサミ壊れた」

家の掃除をしていると折れたハサミを持った桃花が現れた。

「なんで、サランラップの芯を切る必要があるのよ」

いつもいつも予想できない行動をとる悲しい子。


 「サランラップの芯って厚紙でできてるんでしょ、だからハサミで切れるかなと思って」

「好奇心でやったの?」

「気になちゃって」

ニッコリと笑う桃花。


「で、壊したと」

「うん、壊れちゃった」

と、見事に刃の折れたハサミを見せられる。

・・・  仕事増やしてくれてありがとう ・・・


 「物を大事にしない子は来月の小遣い無し」

「え、そんな」

「当たり前でしょ」

壊れたハサミをテープで巻き不燃ごみの袋に入れる。

ものは大事に使いなさいと昔も言ったことがあるのだけど


 「ね、お母さんおこづかいなしって嘘だよね。」

「どうかしらね。でも物を大事にしない子にあげるお金はないわよ」

「悪いとは思ってるんだよ」

落ち込んだような顔をする桃花。

「次は大事に使いなさいよ」

「はーい」

・・・ 全く、後先考えないんだから ・・・


 「ねぇ、お母さん燃えないゴミって最後はどうなるの?」

「最後って?」

「え、ほら燃やせるゴミは最後は焼却炉ってとこで燃やすんでしょでもこの燃やせないものはどうなるのかなって」

桃花から何気なく聞かれる。

・・・ できることならハサミで芯を切る前にも質問してほしかったわね ・・・


  と。過ぎたことは気にしても仕方がないので桃花の質問に答える 

「ゴミ処理センターという所で鉄やアルミ、銅線やらに分別して最終的に残ったものは埋め立てになるのよ。つまり自治体が決めた土地にゴミを埋めてしまうの」

「へー、分別したものはどうなるの」

「再利用できる資源になってまたどこかで使われるのよ」

「あのハサミも?」

「そうよ」

「ものは巡り巡って誰かの手に渡っていくんだね」

うまく話をまとめた桃花。


 「そうね。次はあんたと違って物を大事にする人の元に届くといいけど」

「もう、わかったって」

今日はこの辺にしておこう。あんまり言うとまたしつこいって言われるから


   ・・・  でも、本当にわかったのかしら?  ・・・







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