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第2話

大変遅くなってしまって申し訳ありません(土下座)

月1更新とかシャレになってない(白目)

にも関わらず前話より短いです(土下座)


「ああ、よく寝た。」


昨日までの不眠症はなんだったのかと思うくらいに深い眠りだった。こんな清々しい朝を迎えられるなんて、姉さんには感謝しても仕切れないな。


「さて、自分の部屋に戻って学校の準備でもしますか。」


体感ではあるが、まだ朝食までは時間がありそうだ。そう思った俺は姉さんを起こさないようにそっとベッドを抜け出そうと試みるが、


「ピクリともしないんだけど…」


こんな細い腕のどこにそんな力があるのか全くわからないが、俺の目の前に姉さんの顔がある状態でがっちりとホールドされている。よほどいい夢を見ているのか知らないが、ご満悦な表情を浮かべている。


これだけしっかりと抱きしめられてしまっている以上、姉さんを起こして、手を解いてもらう他ないだろう。ごめんよ、姉さん。


「姉さん、起きて」


目の前の姉さんに変化はない。同じように数回やってみるが効果は見られない。仕方ないので別の手段を取ることにする。


「姉さん、朝だよ」


そう言いながら、辛うじて動く腕を動かし太ももをペチペチする。叩く場所はここしか可動域内で叩ける場所がないから仕方ない。決して俺が太ももが好きなわけではない。起きた時に姉さんに怒られたら甘んじて受け入れる所存ではあるが。


何度かペチペチすると、姉さんの瞼がピクピクし始めた。覚醒間近のようだ。徐々に瞼が開いて、焦点の定まらない瞳でこちらを見ている。


「おはよう、姉さん」


俺を見つめている瞳の焦点が徐々に合ってくる。そして焦点が定まった途端、顔が真っ赤になった。小さな声で「えっ?」と何度も繰り返しながら、手足を少しバタつかせている。どうやら、いつもと違う寝起きに混乱してしまっているようだ。申し訳ないので、早々に自分の部屋へ退散するとしよう。


「昨日の夜はありがとう。姉さんのおかげでぐっすり眠れたよ。お礼と言ってはなんだけど姉さんが俺にしてほしいことがあったら言ってね。何でも聞くからね。」


正直、今回の添い寝と釣り合うほどのことが俺にできるとは思わないけど、姉さんが俺に頼るほど困ったことがあるなら全力で力になりたいと思う。何回なら聞くという風に回数に制限を設けなかったことをタテに複数回にわたって頼みごとをしてくれれば尚のこといいのにとさえ思う。いつも姉さんに頼ってばかりの俺だが、弟は成長して頼りになるところもあるというところを見せてやりたい。


姉さんの部屋を出ると、母さんが俺ら姉弟を呼ぶのが聞こえる。多分朝食ができたのだろう。早く食べて学校へ向かうとしよう。




--------------------------------------



「おはよっす、康太!」


学校に着くやいなや巧に捕まった。昨日までの俺だったらこいつの元気さが羨ましかっただろうが、今の俺は違う。不眠症から解放されて平常時より爽やかな目覚めを迎えた今日は、巧に匹敵するほどの元気を有している。あくまで精神的に、であるが。


「おはよう、巧。いつも通り元気で何よりだな。」


「おう!それだけが取り柄といっても過言じゃないぜ!」


「流石に過言だろ…。」


そんなたわいもない話を続けていると、急に巧が俺の顔を覗き込んでくる。ぶつかりそうになるから、と一言物申してやろうかと思っていると巧が


「康太、お前さ。妙にシャキッとしてないか?昨日まではあんなに眠そうな顔してたのによ。」


「ああ、今日はぐっすりと眠れたんだ。そのおかげで眠気も倦怠感もない。」


「マジかよ、よかったな!なんかいい方法見つかったのか?」


「ま、まあな。」


「そっか、そんな良い方法見つけたんなら不眠症とは完全におさらばだな!」


「あ、ああ。そう、だな。」


そうか。熟睡できたという事実に浮かれすぎて考えもしなかったが、風邪なんかと違って不眠症は慢性的なものなのか。今夜からまたしっかりと睡眠が取れるようになれば良いがもしもの場合はまた姉さんに…。


そんな不安に蓋をして、俺は教室に向かった。




—Side 静奈—


時は来たり。ついにこの思いを晴らす時が。今までずっと我慢してきたが流石に限界である。


「絵里、お昼ご飯食べに行きましょう。色々話したいことがあるから個室行くわよ。」


我が校には、リラクゼーションルーム、通称個室という生徒も教師も使える防音室がある。一応、名目上は重要な会議や静かに勉強をしたい人に向けて解放されているのだが、主に談話室として用いられている。


「でも個室って予約が必要ではありませんでしたか?」


絵里の言う通りではあるのだが、ぬかりはない。


「朝一番に予約しておいたから大丈夫よ。」


「なるほど、逃げ道はないと言うことですか…。」


遠い目をする絵里。昼食に誘っただけでなんでこんな反応されなければならないのかしら。解せないわね。




個室に着くと、朝管理人さんから借りていた鍵を取り出し扉を開ける。防音というのは素晴らしい。周りの目を気にせずに好きなだけ話すことができる。正直、お昼を食べるのは二の次である。いかに私の弟が素晴らしいかを吐き出さなくては、自分がコントロールできなくなって、康太に何をしでかしてしまってもおかしくはない状態なのよ!


「早速だけど絵里、聞いて欲しいことがあるのよ!」


「どうせ康太くんのことですよね。」


どうしてわかったのだろうか。私が四六時中康太のことについて話しているならまだしも、そうではないはず。だって気をつけているもの。


「どうしてわかったのかという顔をしていますね。」


エスパー?


「エスパーではありません。」


いや、その返しが物語っているのでは?私の親友であり、弟の友達の巧くん?の姉である絵里がまさか超能力者だったなんて、世の中わからないものね。


「単純に静奈がわかりやすいだけです。超能力者とかバカなことを考えないでください。」


「そんなにわかりやすいの、私。」


「康太くんといる時は、頼れる姉然としてキリッとしてますけど、私と二人でいる時はその限りではありません。可愛い康太くんを思い出してでれっとしたことも一度や二度ではないですね。」


驚愕の事実。私、結構ちゃんとしてると思ってたのに。これから気をつけようしら。でも、今まで気をつけてこれってことは、私の整然とした態度を崩すくらい康太の魔性がすごいってことよね。やっぱりすごいわ、私の弟。


「話が脱線しましたが、あなたが康太くんの話をすると分かったのは単に経験則です。今まで同じように五回、個室を借りましたがそのどれもウンザリするほど康太くんの話を聞かされました。今回も同じと考えるのが普通でしょう。」


そういって溜息を吐く絵里。


「ごめんね、絵里。そんなに嫌だったなんて知らずに喋ってしまって。」


「頻度もあまり高くないので嫌という程ではないです。ただ、少し加減をしてもらえると助かるかなとは思います。」


「海よりも深く反省しております。」


謝罪の意を込めて頭を下げる。


「別にそこまでは求めてないのですが。」


絵里の言葉で顔を上げると、絵里と目が合う。そしてどちらからともなく笑った。


そして、私は意気揚々と康太の話を始めたのだが、徐々に熱が入って行ってしまい、舌の根も乾かぬうちにと絵里に怒られました。結構怖かったわ。


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