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第三部までの人物紹介

歴史物や登場人物が多い小説を読んでいると、誰が誰だかわからなくなったりする場合があるので、

三部までの人物紹介を載せておきます。


順番は登場順です。


読んでいて、わからなくなったことがあったら、ご覧ください。

平八

 一応、本編の主人公。50歳

このまま狂言回しで終わるか、話を動かす真の主人公になるかは展開次第。

三河の水飲み百姓の八男に生まれ、江戸に口減らしで出され、その日暮らしの生活をしていたのだが、ある夜、150年後の世界を夢で見て、英雄の卵たちに伝えることを選んだ老人。

今のところ、歴史を変えたいという強い動機は持っていない。

これは、彼が何の組織にも属さない老人であり、守りたいものも、これから手に入れたいものもないことに起因する。

 ただ、その醒めた気持ちは、夢の中で見た誰かの影響も否定できない。

しかし、夢で見たことが現実になれば、これから苦労する人が大勢いることは理解しており、まあ、いつ死んでもおかしくない自分だから、困ることになる人たちに大変なことが起きると伝えてやらないと悪いなという程度の気持ちで伝えることを決意しただけである。

 本来は、読み書きすら満足に出来ないはずだが、夢で得た知識によって、今までの彼を知っていれば驚くほどの知識と思考を見せるが、本人に人格が変貌している自覚はない。

 本人は夢で見た知識のほとんどを既に、佐久間象山、勝麟太郎(海舟)、坂本龍馬、吉田寅次郎(松陰)、江川英龍らに伝えたので、自分の役割は終わったと思っている。

 それなのに、あちこち呼ばれ、連れまわされることに困惑しながらも、英雄たちに頼りにされることを少し嬉しく感じ始めている。

 現在は、長崎で川路聖謨にプチャーチン対策の確認をした後、ペリー対策の為に江戸行きの船に乗せられている。


勝麟太郎

 後の世で勝海舟と呼ばれる人物だが、この物語では、既に海舟を名乗るかは、怪しくなってきている。

もし、彼が海舟と名乗ることがあるのならば、彼が海舟会最後の一人になった時かもしれない。

海舟会の一人。31歳。平八が最初に、見た150年先の夢のことを教えに行った人物。

 お調子者で喧嘩っ早く、意地っ張りで、野暮を嫌うチャキチャキの江戸っ子らしい気質を持ちながら、冷徹な計算を出来る頭脳を持つ。船酔いと犬が弱点。

江戸では、火消しの元締め、新門辰五郎などとは父小吉こきちの頃からの付き合いでかなり顔が広い。

直新陰流免許皆伝の腕前だが人を斬った記録はない。もっとも、父である小吉は、喧嘩で右に出る者なしと言われる男だったので、それなりの腕前はあったと思われる。

 本来の歴史であるならば、貧乏旗本から始めて軍艦奉行にまで昇り詰めるが、最終的には江戸無血開城を実現し、平八の夢の通りなら日本の分裂を決定的にする大日本帝国と正統日本皇国の休戦を実現することになる同時代において毀誉褒貶の激しい人物。

 平八の夢が現実になるかは半信半疑と言ったところだが、平八には好感を持っており、海舟会で日本の未来の為に働けることを楽しんでいる。

 現在は、長崎に滞在し、川路聖謨とプチャーチンの会談に陪席するつもりでいる。

本来の歴史なら、亡くなるのは1899年、77歳、三部の時点から45年後である。


佐久間象山

 自称地球で一番の天才。松代藩出身。42歳。この時代の日本で最も科学を究めた一人。儒教と西洋科学の双方を究めたのは、この時代では本当に彼一人かもしれない。海舟会の先導役。

海舟会の実施する策のほとんどは、彼から出ている。

 性格は非常に傲慢。誰かに何かを習う時だけは礼を尽くすが、学び終え、自分よりもダメなところを見つけると、たとえ、かつての師であろうと平気で糾弾する。自分が一番でないと気の済まない性格で、儒学者には西洋科学の話、蘭学者には儒教の話をしてやり込めたという話もある。

 天才児のまま、大きくなった男。この時代の髭面は、かなりの変わり者の証拠。

 幕臣江川英龍に西洋砲術を無理矢理教わりに行ったことがあるが、かなり嫌われている。

 本来の歴史でも、平八の夢でも、吉田寅次郎の黒船密航の罪に連座して松代藩に蟄居させられ、1864年、3部終了時から丁度10年後に京で暗殺されて死んでいる。

 平八の夢を本気で信じている訳ではないが、その夢を材料として、夢が当たらない場合も計算に入れて、計画を策定。平八自身に対しては、思わない角度からの提案をしてくれるので、手放せない助手程度に考えている。

 現在は、江戸に滞在し、色々準備中。


坂本龍馬

 土佐藩の郷士の出。18歳。実家は商売もやっているので、かなり裕福な家庭で育つ。

剣術修行の為に自費で1年間の江戸遊学を申し出、江戸に着いたばかりの時に黒船騒ぎがあり、平八らに誘われて海舟会に入る。

 剣術修行で江戸に来ただけあって、剣の腕はなかなかのものがあるが、剣術修行の後は象山書院に入り浸り、平八や佐久間象山、勝、吉田寅次郎などから話を聞いている。

 平八の夢が本当かどうかは知らないが、面白いと思っていて、ブニン島まで行けて、異人に会えるだけでなく、水戸藩の連中とも仲良くなり、藤田東湖から水戸学、ジョン万次郎からはアメリカの話を聞けることを楽しんでいる。

 土佐の郷士で虐げられた環境で育った為に身分制度は嫌いだが、根っから陽気に出来ているので恨みに思うということはない。

 本来の歴史だと、何の組織にも属さず薩摩と長州を結び付けた薩長同盟の立役者、大政奉還の影の立役者等とされ、司馬史観によれば、幕末最大の英雄の一人とされている。

 しかし、平八の夢の中では、日本は分裂してしまう為、組織に属さない龍馬は逆にスケープゴートにされ易く、正統日本皇国側からは薩長同盟なんて余計なことをしたから幕府は倒れたと批判され、大日本帝国側からは大政奉還なんて余計なことをしたから日本は分裂したのだと批判されている。

 どちらの未来でも、16年後に暗殺されている。

 現在は、江戸に戻って、ジョン万次郎のいる江川英龍の江戸屋敷と象山書院に入り浸っており、一年の剣術留学期間を何とか伸ばして貰って、ついでに象山の策である遣米使節団にジョン万次郎と一緒に行きたいと考え始めている。


近藤勇

 江戸牛込(東京都新宿区)に所在する天然理心流剣術道場・試衛場を継ぐ為、近藤家に養子入りし、剣術修行中の青年。20歳。

 平八の話に興味はあるが、家を継ぐ為の剣術修行が手一杯で、海舟会の活動には、あまり参加出来ていない。

 本来の歴史なら、10年後に京都での治安維持活動の為に試衛館の仲間たちと共に京に上り、会津藩預かりとなって、新撰組の名を下賜されることとなる。その後、5年間の治安維持活動が認められ、幕臣となるが鳥羽伏見の戦いで幕府軍が敗北すると、幕府軍艦で江戸に戻るが、新政府軍との戦いで再度敗れ、新政府軍に捕らわれ35歳で処刑されている。

 しかし、平八の夢によると、鳥羽伏見の戦い前後で睦人親王を確保して、徳川慶喜に面会させ、旧幕府軍に戦う名目を与え、徳川家を救う立役者になったと言われている。

 現在は、試衛館で剣術修行中。


土方歳三

 多摩の豪農の生まれ。18歳。武人に憧れ、試衛館などに通い剣術修行もするが、奉公先でも問題を起こし、行商しながら生活しているところ、平八らと出会う。

 実は合理主義者で便利なものは便利と柔軟に受け入れる資質がある。俳諧を嗜む風流人の面もあるが、俳句は直接的であまりうまくはない。色男で女性にモテる。

 平八の話を信じている訳ではないが、海舟会の活動で出来る経験を楽しんでいる。

 本来の歴史であれば、近藤勇と共に京に上り、新撰組の副長となり、鬼の副長と恐れられた人物。1869年35歳の時に函館で戦死したとされている。(ロシアに逃亡したという説もある)

 現在は、平八の護衛を兼ねて、平八と同じ船で江戸に向かっている。


吉田寅次郎(松陰)

 長州藩の軍学者。24歳。脱藩の罪で今のところ士籍剥奪中だが、10年間他国遊学手形が長州藩より出され、9年後には長州藩に軍学師範として迎え入れられることが決まっている。そのため、この時代の侍として珍しく、日本全国何処へでも自由に移動することが出来る。

 虐待に近い厳しい教育を幼少の時に受け八歳の時から長州藩で山鹿流兵法師範として活動してきたことから、非常に生真面目。公私の区別を厳格に行い、滅私奉公は当たり前としている。ただし、教育者として優れた面を持ち、生徒と共に学び、生徒の優れた面を伸ばす教育を行っていた為、彼を慕うものは多く、友人も多い。アヘン戦争を知ってからは、日本を守る為にどうすれば良いかを誰よりも真剣に考え、佐久間象山に弟子入りしていた。

 黒船来航時を佐久間象山と見に行った際に、西洋文明に衝撃を受け、アメリカ偵察を決意したところ、平八らと出会う。

 平八の夢の話に最も衝撃を受けており、日本が分裂し、異国に支配されるなどという未来は何としてでも避けたいと思っている。

 非常な情熱家ではあるが、やや観念論的で思い込みが激しい。

 本来の歴史では、ペリー再来の際に密航を試みて断られると奉行所に自首。師の佐久間象山を巻き添えに、国元蟄居とされるが、そこで松下村塾を始める。1858年、幕府が朝廷の許可を得ずに日米修好通商条約を結ぶと激怒し、倒幕へと傾くことになる。その結果、1959年、30歳の時、安政の大獄の巻き添えで処刑されることとなる。

 だが、ここで彼が灯した倒幕の火が彼の弟子の手により長州藩へと燃え広がり、幕府を追い詰めることとなる。

 現在は長崎に滞在。勝麟太郎と共に川路聖謨とプチャーチンの会談に陪席するつもりでいる。


桂小五郎

 長州藩出身。20歳。吉田寅次郎を生涯の師と仰ぎ尊敬している。

1852年に剣術修行の為に江戸に私費で留学し、神道無念流の剣客斎藤弥九郎の率いる練兵館に入塾し、僅か1年で免許皆伝を得て塾頭となっているところ、吉田寅次郎に呼ばれ、海舟会に参加することとなる。

 平八の夢は信じていないが、真面目な吉田先生が信じ込んでいるようなので心配して、象山書院に顔を出している。

 海舟会の活動は、小笠原諸島派遣を経て、認めざるを得なくなってきている。

 本来の歴史であれば、吉田寅次郎亡き後、長州藩内の権力闘争に勝って、幕府と対立。最終的には大日本帝国の重鎮となる。


斎藤弥九郎

 江戸三大道場の一つ練兵館創立者。55歳。剣術だけでなく、儒学、兵学、砲術など学問と文芸双方に励んでいる。江川英龍とは友人。

 吉田寅次郎に呼ばれ海舟会に参加。

 平八の夢の真偽はともかくとして、平八の見たという夢と海舟会の立てた策は伝える価値があると判断して、江川英龍に平八と海舟会の建白書を紹介した。


江川英龍

 800年にわたり伊豆・韮山を統治してきた江川家の37代目当主。伊豆韮山代官。53歳。

日本近海に頻繁にやってくる外国船に危機意識を持つようになり、川路聖謨らの紹介で、高野長英、渡辺崋山らの参加する尚歯会の人物と交流を持つようになった。その結果、蘭学、西洋砲術などを学んでいる。

 1849年には下田で測量をしていたイギリス軍艦マリナー号を退去させている。

 本来の歴史であれば、ペリー来航直後から、品川台場(現在フジテレビのある埋立地)の建設を命じられ、反射炉の建設許可、ジョン万次郎の保護、ロシア船の対応など、様々な仕事を任された結果、今から1年後、1855年正月頃に亡くなっている。

 平八の夢を信じている訳ではなく、佐久間象山自身も嫌いなので、海舟会の建白書も気に入った訳ではないが老中阿部正弘に一刻も早く伝えるべきだと判断し、本来の歴史とは異なる方向に進み始めている。

 本来の歴史とは異なり、お台場建設はしておらず、小笠原諸島に派遣されて、住民に日本帰属を認めさせた上で、江戸に戻り、ペリー再来に備えて準備中。


ヤン・ドンケル・クルティウス

 オランダの外交官。40歳。長崎には1年前についたばかりのところ、幕末の激動に巻き込まれる。

 本来の歴史においては、最新の蒸気船スンビン号を寄贈し、長崎海軍伝習所の後の海軍大臣ともなる人物

(カッテンディーケ)らを招聘するなど、幕府の信頼を得て、一番最初に日本と通商条約を結ぶことに成功している。これから7年後、日本を離れ、日本研究の本を残している。

 なお、こちらの世界線では、海舟会の面談により、樺太情報、アメリカ情報をアジア全域に広めるよう指示を出している。これは、日本側の歓心を買う為なのだが、同時に海舟会から、オランダの紹介でヨーロッパに派遣団を送るアテンドを頼まれて、頭を抱えている。

 これは、幕府の人間がヨーロッパに行けば、オランダが力を失っていることが幕府に知られてしまうことを恐れてのことではあるが、かと言って、断れば、アメリカやロシアが接近する可能性もあることを匂わされている為である。

本当は、この後、阿部正弘、島津斉彬、徳川斉昭、井伊直弼、大久保忠寛、藤田東湖、中浜ジョン万次郎、松前崇広、プチャーチン、川路聖謨の人物紹介を入れるつもりだったのですが、思ったより大変だったので、徐々に更新して行くことにします。


もし、読みたい人物紹介があったら教えてください。


この次は水曜日更新予定。


いよいよ、これまでの準備が生かされる第4部となります。


面白かった、続きが読みたいと思われましたら、評価、ブックマーク等の応援をよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新規登場人物の登場頻度が適切なためか今のところ「この人誰だっけ?」という状況に陥っておりません。ですので人物紹介に頼らずともすべて把握できております
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