第十七話 アメリカ西部防衛宣言
アメリカ合衆国のユニオン砦がアメリカ連合国軍に包囲され、サンタフェが襲撃されそうなところ、アメリカ原住民の大軍が現れます。
そのあまりの数の前にアメリカ連合国側は撤退。
ユニオン砦に交渉役として原住民の中から、馬のたてがみを持つ男が現れます。
馬のたてがみを持つ男が、ユニオン砦に入る。
長く伸ばした縮れた黒髪を後ろに束ねている。
裸の上半身は、鍛え上げられた筋肉の鎧に包まれて、周りに感じさせる力の予感。
そして、その背中には、黒い毛が馬のたてがみの様に生えている。
体格はアメリカ原住民にしてはやや大柄な方か。
アメリカ人達と並んでも遜色ないほどの身長だ。
肩に大きな白い旗を担ぎ、皮のズボンを履き、腰には棒の様な物を下げている。
変わったアメリカ原住民だ。
廻りの目は、敵意と猜疑心に包まれている。
当時のアメリカ人の常識では原住民は狂人、野獣の様な存在。
強制移住法に従い、保留地に移住しない原住民は絶滅させようというのが政策として実現されていた。
そんな原住民たちが大量に現れ、砦を取り囲んでいるのだ。
警戒して当然の状況だった。
だが、そんな廻りの視線に反し、馬のたてがみを持つ男は、何処か楽しそうだ。
ニカっと笑い、手を振って見せる。
そんな様子に怒りを募らせる者もいれば、困惑する者もいる。
そんな中、馬のたてがみを持つ男は、ユニオン砦の幹部の待つ部屋へと案内される。
彼を待つのは、アメリカ合衆国西部方面軍司令官エドワード・キャンビー大佐、その部下ジョン・チヴィントン少佐、そしてアメリカ原住民の言葉も解り知識もあるということで志願兵から開拓者キット・カーソンである。
「さて、話があるというから、砦へと招いたのだが、原住民が大量に現れ、何をする気だ」
キャンビー大佐が代表して口を開くと、馬のたてがみを持つ男は、ニカっと笑う。
何処か、見ている者も楽しくなるような良い笑顔だ。
「私は、馬のたてがみを持つ男。
あなた達が彼らの言葉が解らないので、あなた達の言葉が解る私が、この大地から、生まれた男たちを代表して、話をしに来た」
決して、うまい英語ではないが、とりあえず、会話が出来るのは有難い。
現状、アメリカ連合国一万の兵力を戦わず、威嚇するだけで撤退させるだけの原住民が集まっているのだ。
なるべく敵対せず、出来れば、利用したいところなのだ。
そんな風にキャンビー大佐が考えていると、馬のたてがみを持つ男が尋ねる。
「それで、お前は、この砦の主で良いのか」
「これは失礼した。私はアメリカ合衆国西部方面軍司令官エドワード・キャンビー大佐だ」
「なるほど、この地域の指揮権は、お前にあるということで良いな」
「そうだ。それで、何が言いたい」
キャンビー大佐が尋ねると、馬のたてがみを持つ男は胸を張り、宣言する。
「彼ら、この大地で生まれし者たちは、奴隷解放宣言に感動した。
全ての差別に反対するという、その宣言を信じることにした。
もう、彼ら、大いなる精霊の末裔を虐げることも止めるのだろう。
その約束を守る限り、彼らは、お前たちに加勢し、お前たちがロッキー山脈と呼ぶ、大いなる大地の西側の土地、全てを侵略者から守ることを約束しよう」
馬のたてがみを持つ男の英語は、『我ら』と『彼ら』の区別もつかない程、下手な様だとキャンビー大佐は思った。
だが、言っていることは十分に理解出来る。
ロッキー山脈の西、アメリカ西部をアメリカ合衆国に加勢した原住民たちが守ろうと言うのか。
兵力が足りない現状としては、野蛮人でも利用出来るに越したことはないのだが。
西部には原住民の襲撃を受け、原住民に対して、否定的な感情を持つ者も少なくはないはずだ。
そんな風にキャンビー大佐が考えていると、原住民に否定的な感情を持つ、部下のジョン・チヴィントン少佐が早速噛みついていく。
「原住民の加勢など、不要だ。
そもそも、お前たちは、我々を襲撃し、強盗する狂人、野獣の群れではないか。
我々は、狐にニワトリ小屋の番をさせるつもりはない」
チヴィントン少佐の言葉に馬のたてがみを持つ男は驚いた様な顔をして尋ねる。
「彼らの中に、強盗をした者を見つけたのか?
それは、誰だ?
我らは話し合い、お前たちの法を犯さないことを決めた。
だから、もし、本当に強盗した者がいるなら、その者を引き渡そう。
誰が強盗したのか、その証拠と共に教えて欲しい」
馬のたてがみを持つ男の思いがけない言葉に、チヴィントン少佐は一瞬言葉に詰まる。
チヴィントン少佐にとっては、原住民は悪の集団。狂人、野獣の群れ。
伝道師として、神の救いを齎そうと思ったこともあったが、そんな救いを受け入れなかった悪魔の手先。
まだ、何もしていなかったとしても、いつかは悪となる存在だったのだ。
だから、平八の見た世界線において、シラミの子はシラミになると原住民の子どもまで虐殺した程の男がチヴィントンなのだ。
これに対し、馬のたてがみを持つ男の言葉は、文明人として、真っ当なものであった。
罪を罰せられるのは、罪を犯した者だけである。
これは近代の法の原則だった。
同じ一族だからと、殺すのは野蛮人のやり方と非難していたやり方。
それを、何故か、馬のたてがみを持つ男は、理解しているようなのだ。
驚きながらも、チヴィントン少佐は反論する。
「残念ながら、証拠は出せない。
だが、お前たちの仲間が、強盗で狂人、野獣なのは確かなのだ。
そんな者の加勢など、我らは必要としない」
激高するチヴィントン少佐と違って、馬のたてがみを持つ男は冷静だ。
宥めるように笑い、チヴィントン少佐に話す。
「まあ、確かに、彼らの中には、強盗した者がいるのかもしれん。
信頼出来ないという気持ちも理解出来なくはない。
だが、お前たちも、罪もない彼らを追い回し、殺してきたではないか。
彼らは、狂人でも、野獣でもない。
我らは話し合い、お前たちの過去の罪は全て問わないこととした。
今、お前たちの持つ物も全て尊重しよう。
彼らが、お前たちから、不法に奪うことはしない。
その代わり、奴隷解放宣言に従い、彼らにも権利を認めてくれ。
もう、これ以上、彼らから奪うな。
そうすれば、彼らは、お前たちの力となろう。
もし、強盗をする者がいれば、責任を持って、我らが罰しよう。
信頼出来ないなら、それも仕方がない。
少なくとも、これからの行動を見て、判断して貰いたいのだ」
原住民にアメリカ人と同じ権利を与えるなど、出来るはずがない。
それが、ここにいるアメリカ人共通の想いだった。
原住民は野蛮で、危険な集団というのが、当時のアメリカ人の感覚だったのだ。
だが、馬のたてがみを持つ男の言葉通りならば、少なくとも、原住民たちは、アメリカの法に従い、アメリカ合衆国に加勢すると言っている。
それは、決して悪くないことなのではあるが。
加えて言えば、奴隷解放宣言を守るならば、アメリカ合衆国が、原住民に権利を与えることもあり得ない話ではない。
奴隷にすら権利を与えると言うリンカーン大統領。
そして、その正しさにより、世界から受ける賞賛と国際世論の支持。
それにより、フランスなどの文明国からの加勢を受けることにも成功している。
この国際的支持は、この戦争では失ってはいけないものとなっている。
奴隷に権利を与えるとしたリンカーン大統領ならば、あるいは原住民にも。
そもそも、奴隷解放宣言はリンカーン大統領が言い出したことであるならば、一司令官であるキャンビー大佐が勝手に拒絶して良い事ではないのではないか。
少なくとも、ホワイトハウスにお伺いを立てなければならないことではないだろうか。
キャンビー大佐が考えていると、原住民に詳しい開拓者キット・カーソンが馬のたてがみを持つ男に尋ねる。
「その誓いを守るのは、どの部族だ?
原住民は、多数の部族と更に多数のバンドがあり、互いに対立しているはずではないか。
それなのに、一体、何処の部族が誓うと言うのだ。
君たちは、一体、何処の部族の者なのだ」
カーソンに対し、馬のたてがみを持つ男が胸を張って応える。
「私は、流れ者、タイヨー族の者だ。
だが、安心しろ。
アメリカ西部を守り、お前たちの法を守ると誓うのは、大いなる精霊の末裔である全ての部族、バンドの者だ。
我らは、数は少ないが、この偉大な大地を走り回り、全ての部族の誓いを取り付けたのだ」
聞いたことのないタイヨー族という部族名にカーソンは首を捻る。
そんな部族など噂ですら、聞いたこともない。
だが、馬のたてがみを持つ男の言葉の通りなら、その部族が原住民を繋げたというのだろうか。
いや、それでも納得のいかないことがあった。
「信じられない。
一体、どうやって、誓いを取り付けたというのだ」
原住民の部族は多岐にわたり、それぞれが対立関係にある。
そんな部族をどうやってまとめたと言うのか。
それに、全ての部族をまとめたとしても、この数はあり得ない。
アメリカ中の原住民を集めれば、数だけは揃えられるかもしれないが、ここにいるのは見た限り戦士ばかり。
しかも、南軍、アメリカ連合国が恐れる程の武装をしている様なのだ。
一体、誰がどうやって。
アメリカ分裂策として、原住民に外国勢力が武器を与えているという噂は存在する。
だから、原住民強制移住法を定めたとも聞いたことがある。
しかし、それにしても、数が多過ぎるではないか。
そう考えて、思わずカーソンは尋ねる。
「そして、この数はおかしいではないか。
こんな大勢の原住民の戦士が、アメリカにいるはずがない。
一体、何処から現れたのだ」
それに対し、馬のたてがみを持つ男は平然と応える。
「それは、お前たち、白人が知らなかっただけだ。
彼らは、この大地の子。
数もお前たちの思うよりも多い。
そして、彼らは迫害する白人の脅威の前に、協力することを決めたのだ。
そう言う意味では、お前たちの過酷な迫害が、彼らの誓いを可能にしたと言えるのかもしれないな」
馬のたてがみを持つ男は再び楽しそうに笑い、続ける。
「彼らが望むのは、とりあえず二つだ。
奴隷解放宣言に従い、お前たち白人と同じ権利を認めて欲しいというのが前提ではあるが。
とりあえず、まず、彼らを敵として、攻撃するな。
強制移住法など廃案にしろ。
その他に、認めて欲しいことも多いが、彼らを攻撃しないことが、まずは要求の第一段階だ。
そして、もう一つ、我らへの補給をして欲しい。
我らは、お前たちの為と共に戦うのだ。
補給して当然ではないか。
だから、ここにある補給物資も、我らに提供して貰いたいのだ」
確かに、援軍ならば、攻撃しないことも、補給することも当然のこと。
更に、実際、今、原住民に攻撃して戦闘になれば、南軍に利益を与えるだけだろう。
しかし、原住民に補給まで与えるのか。
補給物資は、アメリカ合衆国国民の税から用意されたもの。
補給物資の差配は、司令官の権限の範囲内ではあるはずだが、原住民嫌いの部下から横領であると告発される恐れもある。
ならば、いっそのこと、全てワシントンに丸投げしてしまおうか。
そんなことを考えながら、キャンビー大佐は、馬のたてがみを持つ男に確認する。
「攻撃しないことは約束しよう。
だが、補給に関しては、私の権限では決められない。
ワシントンの返事が来るまで待っては貰えないだろうか」
「強制移住法の廃止は君たちに出来ないことは理解している。
だから、出来ないことは要求しない。
だが、軍の司令官であるならば、補給物資の差配を決める権限は当然あるはずだろう。
何故、補給物資を与えることが出来ないのだ?」
馬のたてがみを持つ男は不思議そうな顔をして尋ねる。
原住民がアメリカ合衆国の軍の権限を理解していることにキャンビー大佐は驚きながら応える。
「本当なのだ。
原住民との関係については、私では勝手に決められないのだ」
狼狽えるキャンビー大佐を横目に見ながら、一つの疑念に辿り着いたカーソンが尋ねる。
「一つ、確認したいことがある。
もし、補給がされなかった場合、君たちはどうするつもりだ?」
カーソンの言葉に馬のたてがみを持つ男は無邪気とも言える笑顔を浮かべて応える。
「我らは大人数。
どうしても、補給は必要だ。
だが、我らは、お前ら白人の法を犯さないと決めた。
ならば、先程、対立した南部の白人と交渉するしかないだろう」
無邪気とも思える顔で平然と寝返る可能性を述べた馬のたてがみを持つ男にカーソンは戦慄を覚える。
その言葉を聞いて、チヴィントン少佐が再び激高する。
「この野蛮人め!
そんなことをして、ここを生きて出られると思うなよ!」
激高するチヴィントン少佐を見ながら、馬のたてがみを持つ男は腰の棒に手を伸ばす。
一触即発、今にも殺し合いが始まりそうな空気。
いや、すぐにでも、馬のたてがみを持つ男がチヴィントン少佐に殺されてしまうように、アメリカ人達には思われた。
だが、馬のたてがみを持つ男は、そんな空気を全く恐れる様子もない。
愚かにも力の差を理解していないのだろう、
まるで自分の方が強者であるような馬のたてがみを持つ男の振る舞いに、アメリカ人達は呆れ、毒気を抜かれる。
そんな様子を見ながら、馬のたてがみを持つ男は、面倒臭そうに返事をする。
「補給もしないというなら、お前たちは、奴隷解放宣言を守る気がないと言うことだろう?
私は、最初から、奴隷解放宣言を守る気がある限り、加勢すると言っているではないか。
お前たちが、奴隷解放宣言を守らないなら、奴隷人権宣言をした南部の白人と交渉するのも一興。
奴隷であろうと、生活を保障するというなら、約束を守らない、お前たち、アメリカ合衆国の白人より、まともな扱いをしてくれる可能性は十分にありそうだからな」
これだけの原住民が一気にアメリカ連合国に寝返るのならば、アメリカ西部は一気にアメリカ連合国のものになってしまうだろう。
その時に、原住民が敵として西部の住民に襲い掛かるなら、その被害は想像を絶するものが考えられる。
キャンビー大佐の中に拒否の答えは存在しなかった。
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馬のたてがみを持つ男が、ユニオン砦から出てくると、多くの原住民が彼の廻りに集まる。
「全て予定通りだ。
補給の許可は貰った。
すぐに、補給物資の受け取りに行ってくれ。
まあ、いつまで仲良くやれるかは、わからないがな」
馬のたてがみを持つ男の大声に、原住民の部隊が一斉に向かい始める。
実際のところ、原住民たちの補給物資は十分に揃っている。
サンフランシスコからの補給路も確保されているのだ。
だから、今回の交渉の本当の目的はアメリカ合衆国軍の補給物資を、合法的に奪うことなのだが、そんなことを欠片も気づかれず、成功したことに馬のたてがみを持つ男を楽しそうに笑う。
そんな様子を眺める馬のたてがみを持つ男に、一人の男が日本語で話しかける。
「坂本さん、これでロッキー山脈西部独立計画ん第一歩は成功ちゅう事でよろしかとやろうか」
声を掛けられた馬のたてがみを持つ男こと、坂本龍馬はニカっと笑い応える。
「おう、宮部センセやか。
まあ、アメリカ合衆国のリンカーンが奴隷解放宣言を守ってくれたら、独立までもせいでもええかもしれんが」
龍馬に声を掛けた宮部 鼎蔵は首を捻り応える。
「いや、これまでん白人のやりようば見よると、まず無理やろう。
原住民ば滅ぼそごたるとが本音ん様やけん」
宮部は元々は吉田寅次郎の友人。
寅次郎より年上であるのに、対等な友人として過ごした人物でもある。
彼は寅次郎の誘いで国防軍へと参加し、そこから、龍馬の誘いでアメリカに渡っていた。
実際、この計画の為に、国防軍で軍事知識を学んだ後、アメリカに渡った者は多い。
龍馬が、ユニオン砦で話したタイヨー族の仲間とは彼らのことである。
国防軍に参加し、語学に堪能な者の多くは海軍に参加して行ったが、中には語学が得意でも船が苦手な勝の様な者も一定数存在した。
海軍の船が揃う前に、陸軍として活動することを望む者も存在した。
宮部は、そんな男の一人であった。
龍馬に誘われ、アメリカ大陸に渡った宮部たちは、アメリカ全土に散り、原住民たちと交流を結んでいた。
彼らが進めたのは、原住民同士の交易の促進。
協力関係の構築。
食糧・武器の提供と軍事教練。
ちなみに、国防軍の教官であるグラント中佐は、平八の夢では大統領となり、原住民の弾圧に手を貸した男でもある。
そのグラント中佐に学んだ知識でアメリカ原住民を教えるのだ。
なかなか皮肉な話である。
そして、日本人とアメリカ原住民との交流は、白人が引いた国境に関係なく行われた。
その結果、今や、ここユニオン砦前にはアメリカだけでなく、カナダやメキシコに住む原住民も全て、ここに集まっていたのである。
「まあ、白人が原住民を虐げるのを止めてくれるだけでもええがよがな。
それだけで、わしらに友好的な地域が太平洋側に誕生してくれるがやき」
確かに、ロッキー山脈の西に、原住民多数の地域がアメリカ合衆国の州として誕生し、原住民たちが日本に友好的なら、日本とアメリカが対立する危険は一層下がることだろう。
「ばってん、そら無理やろう。これから、原住民と白人とん戦になる」
「そうならんとええがよがな」
龍馬がそう言うと宮部が溢す。
「ばってん、日ノ本ん為とは言え、ここまで、やる必要がほんなこつあるんやろうか。
確かに、アメリカが3つに分かれ、原住民の国とジョン・ブルック中佐んアメリカ連合国が、日ノ本ん味方になるなら、日ノ本は安泰なんかもしれん。
地球中んコロニーで反乱が起くれば、欧米列強は日ノ本ば侵略する余裕ば無うすかもしれまっせん。
ばってん、そん為に、一体、どぎゃんしこん血が流れっとか。
ほんなこつ日ノ本ん為に、ここまやったっちゃ良かとやろうか」
宮部の言葉に龍馬が応える。
「わしらが何もせんと、アメリカ原住民は虐げられ、コロニーの人々も白人に苦しめられるだけやろう。
そこから解放される為の戦いと犠牲は仕方ないのじゃないか」
「苦しめられた原住民たちん解放ん為ん犠牲はうちもしょんなかて思う。
ばってん、日ノ本ん安全ん為に、流るる血ん量が多過ぎるとは思わんね」
「いや、象山センセは、多分、日ノ本のことだけを考えちゅー訳じゃない思うよ。
あのセンセにとって、もはや天下国家とは、日ノ本一国のみの安全にあらず。
地球全体をより良うする為に、白人だけが、他の者を虐げる世をひっくり返そうとしちゅーのじゃないかと、わしは思うんやよ」
その言葉通り、龍馬のアメリカ西部防衛宣言で、世界は更に大きく動いていくことになるのである。
さて、馬のたてがみを持つ男の正体をどれ位の方が気が付かれましたでしょうか。
結構、解りやすくしたつもりだったんですが。
物語は、この防衛宣言が世界に与える影響から始めます。
次回「第十八話 アメリカ西部防衛宣言の余波」をお楽しみに。
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