4人集まれば文殊の知恵?
ゆっくりと~
伊右衛門を起こして、ココア、なのはと日差しの当たる場所で、集まったオレ達は、
現状確認のため、話し合うことにした。
とりあえず、ココアが起きてから、軽く話したことを二人にも話すことにした。
わかっていることは、まず
・転送開始時に、真っ暗になり咆哮が聞こえてきたこと
・意識を失いたおれていたこと
・なぜか、ゲームのPキャラの姿をしていること
・なぜか、目覚めてみたら森の中だったこと
・周りには、敵性生物の気配はないこと
これじゃ、何にもわかってないのと変わらないな。
少ない情報の中でも、わかったことは、オレ達皆、同じ現象に会って、ここにいるってこだ。
「なんてか、現状は、把握したが、なんでこうなったかは、わからんな」
「そうだな。だけど、一人じゃなかったのは、救いだな。」
「うん~」
「そうですね。」
そう言ってはいても、顔色はすぐれないよな。
どうしよう・・・みんな、黙ってしまったよ。
なんとかせねば。
「あ~っと、みんな、持ち物とかどうだ? なんか使えそうなものとかない?」
「そうだな、ちょっと待ってくれ。」
伊右衛門がポケットやなんやらを、ごそごそし始めた。
それを見て、オレも何かないかと服を探ってみる。すると、おかしな物が一瞬、視界に映った。
なんだ?今のは?
そう思って、もう一度探ってみると、今度は、ハッキリと映った。
それは、ゲームをしている時に、よく見ていたシステムUIだった。
おいおい、マジか・・・。
何度か、試してみた。
どうも、意識すれば見えるようみなるみたいだな。
視界に映っているのは、右下にHP、MPバー左下に、ログウィンドウ下側には、
システムアイコンやスキルパネル左上に、ミニマップだ。
試しに、映っているシステムアイコンを指で触れてみた。
触れた感触はなかったが、反応はありシステムメニューが表示された。
アイテムや武器防具装備はあるが、その他のフレンドリストやチーム、パーティーなどあったはずの欄が消えている・・・。
まぁ、当然なのだが・・・ログアウトも消えている・・・。
はぁ~、やっぱないよな。あれば、帰れるかもとか、思ったんだけどな。
ショックだけど・・・・いや、かなりショックだけど、今はできることをしよう。
アイテムアイコンに触れて、アイテム欄を表示させる。
クエ出発前に、準備したアイテムや装備していた武器防具、アクセは、無くなってなさそうだ。
だけど、ステージに入って敵からドロップしたアイテムは、消えているみたいだな。
あとは、装備だな。装備アイコンを押してと、どうかな。
視界には、装備欄が出た。
ん~、装備は、装備済みなってるけど、なんで、武器が出てないんだ?
これも、意識すれば出るのか?
試してみるか。
すると、おおお、出ましたよ!武器が! おっしおっし、いけるんじゃない。
装備していたのは、アナスタシアと言う名のソードだ。
アイテム詳細は、古の巧みにより作らし聖女のための剣と書いてあるが、男性でも装備できるあたり謎だ。
まぁ、とにかく装備も意識することで使えるようだな。
おっと、忘れてた。皆にも教えないと。
そう思い顔を上げてみると、3人ともギョッとした顔をしてこっちを見ていた。
なんだ?あ、武器がいきなり出たからか!
「な、なにそれ~!どうやってだしたの~」
「えっと、意・・・「どうすればいいんですか!。」
「だから、今・・・「サッさと吐け!ハリィ、ハリー、ハリーアーップ!」
「あああもう! 少し黙れ!今から教えるからよ!」
「ったく、お前らは、待て!のできないイヌコロかよ」
「仕方ないだろ。探ってもアイテム一つ出てこないんだから。」
「そうだよ~。どうしよう~?って思ってたら、いきなり武器とかだしてるしさ~」
「気落ちしてたところに、いきなりでしたからね。それは、食いつきますよ。」
わからんでもないが、焦りすぎだっての。
これ以上、喚かれる前に教えるとするか。
「じゃ、教えるぞ。まず、意識すこと、そうだな。ゲームのシステムUIが目の前に映ってるとイメージしてみろよ」
なぜか、みんな目を瞑ってやってやがるぞ。
「あ~、目はつぶらなくていいぞ」
「・・・・~」
「・・・・(なぜか、顔真っ赤)。」
「そういうことは、早く言ってくれ・・・。」
「わ、わるいな・・・」
早速、試してみて、UIが表示されたのか、みんな驚いているみたいだな。
「アイコンを指で触ってみろよ。反応があるはずだからさ」
3人とも難しい顔をして、忙しなく指を動かしている。
色々弄ってもらって、オレじゃ気づかなかったこととか、わかるといいな。
しばらくすると、3人とも武器を出してきた。
伊右衛門は、カタナ、絵にかいたような、これぞ日本刀ってな感じの武器だ。
ココアは、ダブルマシンガンで、銃全体に和風の龍がデザインされていて、左右の銃で色が違う。
右は金で、左が銀になっている。
なのはの武器は、ロッド、長杖でなのはの身長が150cmぐらいだけど、それよりも5cmぐらい大きい。
上部は、青い水晶玉が付いていて、その周りを金の茨が覆っている。
「どうだ? 意識して映し出すと、いろいろと弄れるみたいなんだけど」
「そうだな。ゲームのUIをいじるのとかわりはないな。」
「うん~。でも、いろいろ機能が消えてるね~」
「それよりも、問題なのは、ログアウトボタンが消えてしまっています。」
3人とも、あからさまにガクッときてしまったいるな。
気持ちはわかるが、凹んでいてもしかたがない。
なにかしら、動かないとな。
「ないものは、ないで今のとこは、置いておこう。それよりも、今からどうするか?だ。」
伊右衛門の言うとうりだな。
たしかに、ここで話し合っていても、これ以上はどうにもならないだろうしな。
今はいいが、夜になったら、夜行性の生物がエサを求めて動き出すだろうし、そうなると安全な寝床や食料、飲み水なんかを確保しないと
いけないからな。
なによりも、飲み水確保が重要だろう。
回復アイテムなんかは、各自持ってるだろうけど、水や食料なんかはゲーム内にはアイテムとしなかったからな。
それに、空腹システムなんかなかったし。
このままじゃ、3日と持たないぞ。
「だな。とりあえず、この森から脱出してみないか?」
「ミニマップは、機能してるみただし。ゲームのままの機能なら、オートマッピングのはずだからな。」
「でも、大丈夫なんでしょうか。危険な敵とか出てきたら・・・。」
ココアの不安もわかるが、ここに留まり続けても危険なのは、変わらないだろう。
現実の遭難ならば現場に留まるのも正解なんだろうが、どう考えても現実とは思えない、そうなると、救助なんてされるわけがない。
ならば、脱出のために動いた方がいいだろう。
だが、動くとなると敵性生物と出会うかもしれない。
戦うとなっても、武器はあるが、現実じゃ戦闘経験なんてないオレたちなんて殺されるだけだ。
だけどだ、今オレたちは、TO2の武器を装備している。
ということは、TO2のスキルも使えるんじゃないのか?
TO2技スキルは、武器ごとにあり、ソードには、ソードのスキル、Wマシンガンには、Wマシンガンのスキルがある。
1つの武器につき6種づつあり、武器パネルを開き左端に武器装備スロットがあって、その右に武器スキルスロットが並んでいる。
スキルスロットのスキルは、カスタムすることが可能で、人によっては、すべて同じスキルにすることも可能だ。
オレは、3,4種に絞ってつかっている、なにしろ、全く使わない死にスキルもあるからだ。
オレは、背中に背負っていたソード、アナスタシアを右手で抜き構えてみた。
伊右衛門たちが、なんだ?というような、いぶかしげな顔でこちらを見てきた。
まぁ、ちょっと黙って見とけと、左手で合図をし、意識を武器スキルに持っていく。
使うのは、敵に急接近して攻撃するのに重宝するスキル、敵に突撃し串刺しにし、さらに、横なぎの斬撃を繰り出すアクセルエッジだ。
5mほど離れた木を仮想敵としてロックし、アクセルエッジを出すと意識してみる。
すると、体が自然と動き出した。
爆発的な力で足が地を蹴り、体を前へと打ち出す、両手はソードを突き出し、仮想敵へと突っ込んでいく。
そのまま、勢いを殺さずに仮想敵である木にアナスタシアがあたり、当たった部分が砕け散る。
そして、残った木の上部がオレの方へと倒れて来た。それを、追撃の横なぎの一撃で斬って捨てる。
スキルを出してから、ここまで時間にして10秒もかかってないんじゃないか。
それにしても、すごい威力だ。
振り向いて、皆の顔を確認してみると、なんていうのか例えば、赤ん坊が初めて見るものに向ける顔していた。
驚きすぎると、こんな顔になるのなと、少し笑ってしまった。
「うおおおおっ!。すっげぇ!!。まるでTO2みたいじゃないかよ!!。」
「にゃ~!!すっご~い!!あたしにもできるかな~!」
「・・・・・・すごいっ。!」
伊右衛門は、うおおおおっと雄たけびを上げつづけている。
おいおい、いままでのクールなお前はどこにいった?
なのはは、にゃ~とか、すっご~いと言いながら飛び跳ねている。
ココアは、座りながら両手を前で合わせて組み、すごいっ、すごいっと小声で言いながら、こちらをポケ~っとみている。
そして、なぜか顔が赤い、なぜ?
そんな三者三様な反応を見ながら思う。
これは、少しは、希望が見えたかな?っと。
続けるよ~