森の中ってどうゆうこと?
やっとこ一話目です
そよそよと風が吹いている。
まわりは、木々が生い茂り腰までありそうな草草が、好き勝手に生えている。
聞こえてくるのは、鳥の鳴き声と虫の声だけだ。
獣の唸り声じゃなくてよかったよ。
オレから5・6m先に木々があり、ぐるっと円形に木々に囲まれている状態だ。
足元を見れば土の地面に枯れ葉が敷き詰められている。
どうやら森の中にぽっかりと空いた空間みたいだな。
日差しが丁度いい感じに差し込んできて、いい感じに眠くなってくるぜ。
「ふぁ~あっと」
いかんいかん、寝てる場合じゃないな。
右、左と首を振ってみると、ココアとなのは倒れている。
後ろを振り向いてみれば伊右衛門が倒れていた。
とりあえず起こしてみるか。
し、死んでたりしないよな。
「おい、ココア生きてるか?」
呼びかけながら肩を揺すってみる。
起きないな・・・。
生きてるか確認してみようか。
そう思ってココアの顔に耳を近づけてみた。
「スー、ハー、スー、ハー」
うん、息はしてるな。
どうやら眠ってるだけみたいだな。
安心して何度か揺すってみた。
「おーい、ココアー起きろって。起きないとエッチぃことしちゃうぞぅ」
「う、う~ん・・・もう少し・・眠らせてよ。おばあちゃん・・・。」
「おばあちゃん?」
「ふぇ。・・・あ、あれ?家・・・じゃない?」
「まぁ、家ではないな」
「え!だ、誰!! 近寄らないで!!」
「うおっと! ちょ、ちょっと落ち着けって!なッ」
ものすっげぇ睨まれてんよ、どうするよ。
とりあえずは、落ち着かせる所からか・・・難儀だぜ。
「わかったから。近づかないからさ」
「本当ですか・・・」
「あぁ、近づかないから、落ち着いて話を聞いてくれるかな?」
「わかりました・・・。」
ふぅ、自分で言うのもなんだけど、女性はにがてなんだよな。
体育座りして、両膝を両手でがっちりガードしてんな。
めいっぱい警戒してるな。しかたないけど。
よし、自己紹介から始めてみますか。
「あ~と、オレの顔見覚えないかな?」
じぃぃと見られると何か圧力みたいなのを感じるな。
キャラクリのままの顔立ちだから、めっちゃ綺麗なんだよ。
現実じゃ、こんな美人さんとお近づきになったことがないから、しんどいわ。
「あれ?・・・もしかして、マスラ・・ヲさん、ですか?」
「お、わかってもらえたな、当たりだよ。それとマスラヲでいいからな」
「あ、はい。じゃなくて、なんでマスラヲがここに!ってゆうか、ここどこなの!?」
「ハハ・・。今説明するからって、オレもよくわかってないんだけどな」
「どういうことですか?」
「なんていうかさ。えっと、ボス部屋に転送開始されてたのは覚えてる?」
「はい、なんとなくですけど」
「んで、その後は?」
「急に真っ暗になって・・・それから、咆哮が聞こえてきて・・・・今に至ります」
「なるほどな」
どうやら、ここに至るまではオレと同じみたいだな。
ココアが同じ状況なら、伊右衛門となのはも同じなのかもしれないな。
それにしても、真っ先に気になるのは、何でゲームのPキャラのままなのかってことだな。
ゲームの中に精神とか魂ってもんが入り込んだ?ないし、取り込まれた?
それなら、ゲームのステージにいるはずだしな。
まぁ、今考えてもわからないか。
「あの・・・どうしたんですか?」
「あぁ、悪いね。ちょっと考え込んでた。と、説明だったな」
「ぶっちゃけ言うと、オレにも何でこの状況になってるのかはわからない。オレもココアと同じで咆哮が聞こえてきたら、そのまま意識が落ちたみたいだからな」
「んで、目が覚めてみたら森の中だったわけでな。分かってることは、ここが森の中で現状周りにわ敵性生物はいないっぽいってことかな」
「そうなんですか。・・・じゃあ、帰り方なんかも・・・」
「悪いけど、わからない」
ありゃぁ、ガックリと分かりやすく肩を落としちまったな。
そりゃそうだよな、目が覚めてみたら森の中で、目の前には見知らぬ男。
さらに、帰り方もわからないって、泣きわめかないのがすごいぐらいだぞ。
「まぁ、なんだ・・・とりあえず、伊右衛門となのはを起こそうぜ」
「え?二人も、ここにいるんですか?」
「はえ?あ~、気づいてなかった? 二人とも、そこで寝こけてるぜ」
「え!////」
うわぁ、顔真っ赤だよ。
かわええ・・・っと、いかんいかん。
まずは、二人を起こすとしようかね。
「さて、じゃぁ なのはの方は、ココアに起こしてもらっていいかい? オレは、伊右衛門の方を起こすからさ」
「はい、大丈夫です」
「ん、任せた」
なのはのことは、ココアに任せて伊右衛門を起こすとするか。
それにしても、のどかな森だな。
もっと、じめっとした感じがあってもいいだろうにな。
そんなことを考えながら伊右衛門の所へと向かった。
それにしても、伊右衛門のヤツだらしない寝顔してんな。
横向きになって寝こけている顔の口元は、よだれが垂れて3時間かけた白髭はびっちょりと濡れている。
これじゃ、黄門様じゃなくて、ただのおじいちゃんだぞ。
まぁいいか。適当に、起こそう。
「おいコラ、いつまで寝こけてるんだよ。いい加減起きろよ」
「うっせっ あっちけよ~・・・・。むにゃむ~」
コイツは・・・縁側のじいさんかよ。
「おい、じいさ・・・じゃなかった。伊右衛門起きろって」
あぁもう、声だけじゃダメか。しかたない・・・これはコイツの伊右衛門の為なんだ。
心を鬼にしてケツに・・・・キッーーーク!!
ドゴスッ!!!
「ぐえぇぇ!!」
むお!まさにカエルの潰れたみたいな声上げやがった!超、笑える!!
ぶはははっケツを両手で抑えながら海老反りして固まってるぞ。
「つぅぅッ!・・・・誰だよっ・・・っん、とに何するんだよ!!」
「よッ、伊右衛門起きたか?」
「!?・・・誰だ?・・ん?あれ?何か見たことある顔だけど?」
「察しが悪いな、伊右衛門。オレだよ、マスラヲだ」
「は?え?何でマスラヲが僕の部屋に居るんだよ?・・・わけわからないよ」
「ここは、森の中で伊右衛門の部屋じゃないってことだ」
「???」
「まぁ、落ち着けよ。起きたなら、ココアとなのはも入れて現状分かってることを説明するからさ」
ココアの方を見たら、なのはも目が覚めたみたいで、ココアが手を差し出して立たせた上げているところだった。
説明するにしても、わかっていることの方が少ないからな。
パニックにならずに聞いてもらえるだろうか?
こればっかりは、話してみないとわからないか。
はてさて、どうなることやら。
そんなことを考えながら木々の真ん中にある日差しがよく当たる場所へと集まるのだった。
ゆっくりと続けていくつもりです




