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プロローグ ~4人の始まり 後~

とりあえずプロローグ終了

 ゲートを通りステーションに着き伊右衛門にどんなクエストなのか聞いてみた。


「なあ、伊右衛門このクエってどんなのなんだ?」


「普通のクエと変わりないぞ。」


 なのはもこのクエの経験者なのか話に加わってきた。


「そうだね~、普通にゲートを通ってスタート地点に着いたら転送ポートで

 ステージに行くだけだよ~」


「そうそう、んでもって敵を倒しながらマップ1、マップ2をクリアしてボスステージに行くわけだ。」


「なるほど、なら難しいことはないな。」


「ただ、ボスステージに行く転送ポートを使うのに敵からドロップするアイテムがいるんですよ。」


 続いて、ココアンが追加情報を教えてくれた。


「そうなんだ、そのアイテムって敵を倒したら確定ドロップなのか?」


「いや、7割ってとこじゃないか。」


「そうだね~、確定じゃないのがめんどくさいけどね~。」


「でも、敵が固くないしそんなに攻撃も痛くないからガンガンいけますよ。」


「おk、とりま敵をスルーはしない方向で行くんだな。」


「そうゆうことだ。」


「まぁ~、そんなところだね~」


「それじゃ、行きましょうか。」


「だな、みんなブーストの準備はいいか?」


 ブーストっていうのは、獲得経験値、お金、レアドロップ倍率なんかを2倍・3倍にするアイテムのことだ。

 まぁ、その他のゲームと同じように、このゲームもかなりドロップ率が悪いんだよ。

 現時点の最大レア度★14武器防具なんかはブーストしてなければ100回ボスを倒して1回出るか出ない

かってところだ。

 ブーストしても出やすくなってるかは、わからないんだけどな。

 実感としては、多少出やすくなってる感はあるけどな。


「いいぜ。」


「おkですよ。」


「準備よし、だよ~。」


「よし、転送ポートへGO」


 伊右衛門が先頭でゲートへ向かっていく。

 その後に続くのは、ココア、なのは最後にオレ、マスラヲだ。

 ゲートを通って転送ポートに着き伊右衛門が4人揃っていることを確認し、転送ポートを起動する。


【転送ポートが起動されました】

【転送開始まで、あと30秒】


 転送開始の秒読みが開始された。

 クエで何度もやってることだけど、この時は何かすごくドキドキしたんだ。

 なんだろ?

 あの変な奴に絡まれたからか?

 それとも、4人で行くからか?

 わからないな。

 でも、悪くない、それどころか楽しみだ。

 よし、いっちょかましてやるかな。

 

 転送された先には、砂漠が広がって傍には石造りの朽ちた家らしきオブジェクトが

点在している。

 他には、枯れた木その根元に割れたツボや瓶なんかがある。

 オブジェクトは、家や建物は壊せないがツボや木なんかわ壊せるんだ。

 

「着いたな、早速いこうか」


「先頭は誰が行きます?」


 ココアンが聞いてくる。

 

「あたしは、F・Bsだから先頭はきつい~。」


「ごめんなさい、私も無理かな。W・Suだから。」


「僕もきついぞ。S・Hの紙装甲だからな。」


「そうだと思ってP・Hにクラス変えといたよw」


「お、さすがマスラヲw そこにシビれないけど期待はしてるw」 

 

「ありがとね~w」


「ありがとうございます。マスラヲさん^^」


「おうw」


「あ、それとマスラヲでいいよ。さんはいらないw」


「えwうん・・・ ありがとう^^」


「あれあれ~、いい感じ?いい感じなの?w」


「うっせw これからは、なのはって呼ぶからなw」


「は~い^^」


「んじゃ、そろそろ行こうぜ。」


「了解」


 まずは、マップ1・2をサクッとクリアしますかね。

 オレを先頭に動き出す。

 砂漠地帯をマップの出口に向かって進んで行く。

 マップ1・2に出る敵はコラボ用の敵ではなく、普段から出てくる敵ばかりだ。

 プレイヤーの足の長さくらいの大きさのヤドカリに似たコルレッジ、蜘蛛の様な足を10本持つモードル、

伊勢海老を機械化した感じのイービルスプリット、でかいタワーシールドを持ち背丈がプレイヤーの3倍はあるガルシオン。

 そんな有象無象の雑魚敵を蹴散らしながら、マップ1・2を踏破していく。

 戦闘は、ジャンプ、回避、ロックオン、技や魔法を使っていくアクション重視だから、話してる余裕ないんだよな。

 チャットログがシステムチャットだけなのがちょっと寂しいけどな。

 そうこうしてる間に、来ましたボスステージに行く為の転送ポートがあるマップである。

 

「到着~」


「雑魚は、問題なくいけましたね」


「まあな。ここまでで床ペロしてたらボスは、かなりキツかったろうぜ。」


「だね~、ボスも通常攻撃はそんなに痛くないんだけど、HPが3割切ったとこで

 入る暴走状態がね~;;」


「ん?そんなにキツイのか?」


「うん、暴走状態になると攻撃力が2倍になって特殊攻撃をするようになるんですよ。」


「そうそう~、でね、その特殊攻撃がいったいのなんの~HP蒸発するよ~」


「マジかw てか、魔法職だからじゃなくて?」


「近接職でもくらったら蒸発です^^;」


「うぇぇ、それはしんどいなぁ」


「特殊攻撃は、ボスが頭を上に向けたらくると思っていいぞ。」


 なるほど。予備動作は、分かりやすいんだな。

 蒸発って言っても一撃なのか、多段攻撃なのかで生き残れるかが変わってくるんじゃないか?

 一撃ってのは、文字道理に一発でHPを0にするような攻撃だ。

 対して、多段攻撃ってのは、一発はそんなに痛くはないが一撃ヒットするとその後、連続して2・3・4回と

回避も防御もできずにヒットしてしまいHPを0される攻撃のことだ。

 う~ん、これは聞いておいた方がいいな。


「その特殊攻撃は、一撃なのか、それとも多段?」


「フッ。」


「フフッ~」


「ふふふっ。」


「???」


「両方あるんだぜ。」


「マジでか・・・」


「しかも~、予備動作が同じとかね~」


「さらに、特殊の出始めがランダムで早かったり遅かったりで一定じゃないんですよ。」


「なにそれ・・・・鬼畜仕様なの・・・」


「あぁ、だから皆、遠距離職なのか・・・」


「そうゆことだな。」


「知ってて黙ってたなぁ!! クッソ、ハマッちまったよ」


「ごめんね。テヘペロ^^」


「にゃはは~」


 クッソw 2人してウインクアクションしやがって!!w

 

「可愛く言っても許さんぞww」


「まあ、そうゆうことで前衛は、任せたぜ。」


「はいはい、がんばりますよ・・・」


「後ろから、バンバン撃ちますから、火力には期待してくださいね。」


「回復、蘇生、バフは、任せて~」


「・・・・。」


「おい、伊右衛門・・・キミは、何をがんばるんだね?」


「・・・・・サポート?・・・かな。w」


「はぁ~、まぁいいか そんじゃ、気合入れていきますかね!」


「おう。行ってみようか。」


「がんばるよ~」


「最大火力でブッパです。」

 

 よっしゃ!気合入ったな。


【転送ポートが起動されました】

【転送開始まで、あと30秒】


 伊右衛門が転送ポートを起動した。

 その時、このステージに降り立つ前の転送ポートで感じた感覚がまたやってきた。

 なんだろな、この感じ?

 TO2を始めたばかりの頃のワクワク感に似てるな。


【転送開始まで、あと20秒】


 ふと部屋の中を見回してみる。

 別段変わったところはない。

 いつもの部屋だ。

 暗くてディスプレイとパソコンの明かりだけだ。


【転送開始まで、あと10秒】


 カウントは、進んで行く。


 5

 

 4


 3


 2 


 1 


【転送開始】


 そのシステムメッセージを見た瞬間に、視界は黒に塗りつぶされた。

 なんだこれ?真っ暗じゃねぇか!!

 が、画面はどこ?パソコンは?

 てか、部屋にいるのかオレ?


「どうなってんだよ・・・」


 わけがわからないぞ。

 その時、何かが聞こえてきた。


グルルゥゥゥゥゥ・・・・


 なんだ?

 唸り声?


ググルルルアアアアアァァァァァ!!!!!

  

 な、なんだこれは!!

 クッソ耳が!・・・いってぇ・・・

 つぅぅっ・・・唸り声じゃなくて、咆哮だな、これは・・・!!


ググルルルアアアアアァァァァァ!!!!!


 あ、頭と腹に響くぞ・・・!!

 

ググルルルアアアアアァァァァァ!!!!!


 マジか!・・・眼球まで痛くなってきやがった・・・

 もう、目は開けてられないぞ・・・!!

 

ググルルルアアアアアァァァァァ!!!!!


ガガガギギギャオオオオオオオアアアアァァァァッァ!!!!!


「!!!!!!?????」


 一際大きい咆哮が聞こえ、頭を抱え込み目を固く閉じ丸まって咆哮が止むのを

じっと耐えるしかない。

 できることは、死にたくないと考えることだけだ。

 鬱病になった時は、死にたいと考えることもあったが今は、本当に死にたくないと思った。

 そうして、じっと耐えていたら、いつの間にか咆哮は止んでいた。

 しばらくそのまま丸まっていたら、閉じた瞼に光を感じ始めた。

 

 ん?光?なんか体もポカポカするぞ?

 そよそよと風も感じるし?

 どうなってるんだ?

 動いてみるか?

 怖いし目は、閉じたままにしよう。

  

 ゆっくりと丸まった体を伸ばし、膝立ちになってみる。

 ま、まずは、匂いと音を確認してみよう。

 じっと耳をかたむけてみたら、聞こえてくるのは、あの恐ろしい咆哮ではなく鳥っぽい声だ。

 

ピロリロリロロ・・・ピロリロリロロ・・・

  ヒョリリロゥゥ・・・ヒョリリロゥゥ・・・


 ふむ、なんとも不思議な鳴き声だな。

 まぁいい、咆哮はきこえないな。

 よし、次は匂いだ。

 

クンクン・・・クンクン・・・ 


と、嗅いでみたところ、これと言って変な臭いはしないな。


 土や木、枯れ葉、草の匂いだ。

 田舎の祖母の家に行ったときに森の中の神社に連れて行ってもらったことがある。

 そうだ、あの時の森と同じような・・・いや、そっくりな匂いだ。

 

 よし、覚悟を決めて瞼を上げてみよう。

 まぁ、まわりに何かいるような気配は感じないし大丈夫だろう。

 そうは言っても、武術をやっているわけじゃないから、気配なんか感じられないんだけどな。

 

 覚悟を決めよう。

 腹を据え、ゆっくりと瞼を上げていく。

 

 そして、見えてきたものは、青々と茂った木々たちと腰くらいまでありそうな草だった。

 見回してみると、オレから5・6mぐらいの距離でぐるりと木々に囲まれていた。

 足元を見れば枯葉があり、土がある。

 当たり前だけど、どうやら地面の上に膝立ちになってるようだ。

 オレの左右にココアとなのは、後ろには、伊右衛門が倒れていた。


「なんてか、アクションRPGやってたら森の中に転送されちまった・・・・」 


 ホント、何が起こったんだよ。

 


           「 ・・・・・どうすんだこれ? 」


 これが、オレの・・・いや、オレ達4人の異世界冒険譚の始まりだった。   

頭がおもい

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